唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
ニッコール松竹梅
ニッコール(Nikkor)とは、ニコン製のレンズに付けられた名称(愛称・ブランド名)である。レンズには、ライカならズミルックス、ズミクロン、エルマー、カールッァイスならばビオゴン、ディスタゴン、プラナー、ゾナー、テッサー、ニコンならニッコールなどと云う名称がつけられていたものであったが、ロッコール(ミノルタ)、ヘキサーとヘキサノン(コニカ)は共にカメラ事業から撤退、タクマー(ペンタクス)、リケノン(リコー)が消えたのはいつ頃のことだっただろうか。いま、レンズに名称を付けているのは、日本のメーカーではニコンとオリンパス(ズイコー)そして富士フイルム(フジノン)だけからも知れないな。
前置きはさて置き、今日はニコンのレンズ、ニコールの松竹梅、つまりランク分けである。
キヤノンのレンズにはLの文字が付される高級レンズが存在するが、ニッコールレンズには、そのような高級レンズであることを示す印が存在しないことから初心者にはちょっと判りずらいかも知れないと思ったのが、「ニッコール松竹梅」を思い立った理由である。いろいろ迷ったりもしたのだが、郷秋<Gauche>は結局ニッコールを5段階に分類した。
結論先に述べるとするならばこうなる。特松はプロ用。勿論カメラ本体も特松クラスが必要となるが、このレンズを使うと写真の不出来を道具のせいにすることが出来なくなるので、購入に際しては我が腕と良く相談する必要がある。上級を目指すアマチュアには松と竹を勧める。最初に買うレンズとしてはコストパフォーマンスの高い梅と準梅も悪くはないが、出来るだけ早くに竹もしくは松に移行するのが良い。
特松:鏡胴(レンズの筒)先端に金のリングが着けられレンズのうち、ズームレンズにおいては開放F値が全焦点距離で2.8のもの。また単焦点レンズのにあっては開放F値が1.4のもので多くはナノクリスタルコートが施されている。
具体的にはAF-S 14-24mm f/2.8G、同24-70mm f/2.8、同70-200mm f/2.8G VR II。DX専用レンズでは唯一17-55mm f/2.8Gがこれに該当する。単焦点レンズにおいてはAF-Sの24mm、35mm、85mm各レンズ。
松:鏡胴(レンズの筒)先端に金のリングが着けられズームレンズのうち開放F値が全焦点距離で4のもの。
具体的にはAF-S 16-35mm f/4G VR、同24-120mm f/4G VR、AF-S DX 12-24mm f/4Gなど。
竹:金属製マウントを採用し、かつ鏡胴に距離指標窓を持つもの。
具体的にはAF-S 28-300mm f/3.5-5.6G VR、同70-300mm f/4.5-5.6G VR、AF-S DX 18-200mm f/3.5-5.6G VR II、単焦点のAF-S 50mm f/1.8G、同85mm f/1.8G、など。
梅:プラスチック製マウントを採用するがフォーカシング時にレンズ前枠が回転しないもの。
具体的には、AF-S DX 18-105mm f/3.5-5.6G VRなど。
準梅:プラスチック製マウントを採用し、フォーカシング時にレンズ前枠が回転するもの。ニコン製DSLR用としては最廉価で、D3100、D5100のキットレンズとされているもの。実質価格(レンズ単品の価格ではなく、レンズキットとボディ単体との価格差。ほんの数千円である)を考えると写り素晴らしく、コストパフォーマンスは抜群だが、ニコンの本音としてはNikkor(ニッコール)の名を冠したくないものと思われる。
具体的にはAF-S DX 18-55mm f/3.5-5.6G VRなど。
上記5ランクの分類は、郷秋<Gauche>のまったく個人的な見解である。なお、単焦点のAF-S 50mm f/1.8G、同85mm f/1.8Gについては最後まで迷った末に「竹」としたが、ほどなく登場するであろう50mm f/1.8Gと共により「松」に近い「特竹」とするのが相応しい気がする。
例によって記事本文とは何お関係もない今日の一枚は、何故かクヌギの木の洞(うろ)に根をおろしてしまった菫。