唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
本を「ジャケ買い」?
今日の神奈川新聞に「本は“ジャケ買い”の時代」と云う記事。郷秋<Gauche>もさすがに気が付いていたが、最近、マンガではないフツーの本なのにマンガチックなカバーの本を見かけることが多くなった。件の記事はこのことについて書かれたものである。(ちなみに、どこかの誰かが書いて、全国の地方紙が、紙面の都合に合わせて掲載するタイプの記事だ(と思う)。こういうタイプの記事の事を何と云うのか、ご存じの方がおいでなら、ご教示頂きたい)
まぁ、読めばなるほどと納得の記事ではあるのだが、郷秋<Gauche>としては「いちゃもん」を付けづにはいられない記事でもある。
第一にタイトルだ。「ジャケ買い」って、誰でも知ってる日本語なんだろうか。30代から50代までの方は知っているかも知れない。もちろん、CD(古くはLP)を、中身がどんな音楽なのか判らないまま、ジャケット(写真)の良さにつられて買ってしまうことだ。郷秋<Gauche>はもちろんしている。失敗もしたけれど、思わぬ出会いが音楽の世界を広げてくれたりもした。音楽が好みでなかったとしても、ジャケットを飾って楽しむことは出来た(CD時代になってこの楽しみはほぼなくなってしまったが)。
でもこの「ジャケ買い」、知らない人も少なくない言葉だろう。音楽(のデータ)をネットで買うのが当たり前、レコードショップ(今はCDショップと云うのか)にさえ足を運んだことのない10代、20代には既に理解できない言葉かも知れないな。いずれにしても、「ジャケ買い」の意味を知らない人には「本は“ジャケ買い”の時代」と云う記事タイトルは理解できないだろう。もっと判らないだろう言葉に「ワインの“ジャケ買い”」と云うのもあるけれど。
さて、この記事には他にも突っ込み所がある。それは「ライトな本格ミステリー」。「ライト」は本格的なものではない、軽いもの。「ライト・ミステリー」は有り得ても、「軽い」本格ミステリーはないだろうと思うぞ。クルマのカテゴリに「ミニバン」と云うものがある。具体的にはホンダのステップワゴンなどを指すが、「大型ミニバン」と呼ばれるクルマも存在している。例えばトヨタのアルファードなんかのことだが、小さいバンだからミニバン。それが大きくなったら大型ミニバンじゃなくて「バン」だろうと郷秋<Gauche>は思う。「ライトな本格ミステリー」は「大型ミニバン」と同じだな。
三つ目の突っ込み所は「ラノベ」。「ラノベってなんだ?」。いきなり聞かれてすぐに答えられる人は出版社と書店の社員くらいのものか。記事には説明はないものの、「ライトノベル」(軽小説)と云う言葉が出てきてその後の「ラノベ」だから、これがライトノベルの省略形であることはわかる。でもなぁ、こんな怪しげな言葉を説明もないまま、地方紙とは云えども正しい日本語の「砦」たる新聞が気軽に使ってよいものなのだろうか。そう思ってこの記事を読み返すと、署名記事が原則の神奈川新聞にあって、執筆者の名前が記されていない。つまりは郷秋<Gauche>のようなへそ曲がりで小うるさい読者に突っ込まれたくない、穴埋め的記事だと云う事なんだろうな、きっと。
例によって記事本文と何の関係もない今日の一枚は、雨の中で咲き始めた花水木(はなみずき)。なんだか日本に昔からいるような顔をしている花水木だが、1912年に日本からワシントンDCに送った染井吉野の返礼として1914年に日本になってきたもの、100年前の日本には存在しなかった樹木である。アメリカ山法師と呼ばれるのは、アメリカ原産でいて日本固有種の山法師に似ているから。
4戦で4人の勝者
ディフェンディングチャンピョン、セバスチャン・ベッテルが2012年第4戦目にして初の表彰台、しかも一番高い所をものにした。PPからスタートし、FLを記録しての優勝。文字面だけを追えば完璧な勝利のようではあるけれど、一時はキミ・ライッコネンに追い回されているから、薄氷を踏む思いでの勝利とも云えよう。
ここまで4レースを消化して毎回違う勝者。その勝者はニコ・ロズベルグを除く3人はチャンピョン経験者である。元チャンピョンでまだ勝てていないのはルイス・ハミルトン、ミヒャエル・シューマッハそしてキミ・ライッコネンの3人。キミは日曜日にセバスチャンを追い回したことでもわかる通り、遠からず表彰台の一番高い所に登ろうかと云う勢いだが、かつて皇帝と呼ばれたミヒャエルはカムバックから3シーズン目となってもいまだに表彰台にさえ上がることが出来ないでいるどころか、チームメイトのニコの1勝35ポイントに対して、10位2回の2ポイントと、やっぱり昨シーズンで引退した方がよかったんじゃないかと云う、まったく精彩を欠く戦績。
残るもう一人のチャンピョン、ルイス・ハミルトンはと云えば、3戦で3位表彰台をものにしたものの、バーレーンでは8位と冴えないレース。見過ごし勝ちだが意外に健闘しているのがマーク・ウェバー。なんと4戦連続4位と地味にポイントを稼いでポイントランキングでは3位につけている。残念ながら、悪くはないけれど結局はチャンピョンにはなれない典型的な脇役ドライバーを地で云っている感じだな。
いずれにしても今年のF1はどのレースも、予選も決勝レースも接戦で、僅かなミスで予選グリッドは大きく後退するし、決勝レースでもタイヤの使い方を間違えればあっという間にポイント圏外へ。去年のベッテルのように大差を着けての一等賞と云うのもないのが2012年のF1だ。それだけに毎レース目が離せないのだが、BSに移行してからフジテレビ独自の順位表示がなくなり、国際映像の順位表示だけでは小さ過ぎて(実は、デジタル-アナログ変換画像をブラウン管で見ている。トホホ)、今ひとつレースの展開が判り辛くて困っている郷秋であるぞ。