日本食は世界無形文化遺産になれるのか

 本日のYahoo!に「政府も日本の「食文化」を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に世界無形文化遺産として登録申請した」とのニュース(産経新聞発)。一体全体いつ申請したのか書かれていなのだが、農林水産省のHPにはこんな記事があった。

 「日本の食文化については、世界的に見ても特徴的であり、これが無形文化遺産と認められることは世界の文化的多様性を豊かにすることともなり、非常に大きな意義を持ちます。このようなことから、我が国においても日本食文化の無形文化遺産登録を目指し調査・検討を重ね、本年3月にユネスコへ登録の提案を行いました。今後は、ユネスコの検討・審査を経て、最短で平成25年秋に可否が決定される予定です(農林水産省のHPから転載)。

注:産経が書いた「登録申請」と農水省の「登録の提案」の違いは不明。

 上の記事中の「本年3月」とは2012年の3月。政府が申請したのはもう9ヶ月も前の事である。(まっ、大晦日から新年にかけては、伝統的な日本料理や日本文化に集中的に接する数少ない時期だから、その時期に合わせた記事なのだとは思うけれど、まるで昨日や今日申請したかのような産経新聞の記事の書き方はどうだろう。

 果たして今年秋にめでたく登録となるのかどうかはわからないが、経済大国、軍事大国を目指すのではなく、技術大国だけを目指すのではなく、文化大国を目指すのは良いことだ。しかし、産経の記事は海外における日本料理や、海外への日本食品の輸出に力点を置いているが、それよりももっと「内」に目を向ける必要があるんじゃないかと郷秋<Gauche>は思うぞ
 
 さすがに正月は伝統的日本料理に触れる機会が多いけれど、普段の食生活はと云えば、ハンバーガーやらドーナツ、カップラーメンと云ったジャンクフードを大量に消費する若年層も少なくない。煮干しで出汁を取るとか、大根の桂剥き(かつらむき)ができるとか、そんなことを子どもの頃から身に付けて、自分が食べるものはちゃんと自分で作れる、日本の伝統的調理法を会得することは引いては日本文化全般を理解しそれを大切にする気持ちを育むことになるんじゃないかな。国際教育も良いけれど、それ以前に自国の文化、歴史、言語(日本語)をきちんと身に付けないとね(自戒の念を込めて)。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、開花の時までの寒さを乗り切るための毛皮をまとった、辛夷(こぶし)の花芽。

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