52mmと55mm

 Nikon(ニコン)から1システムの新型、J3とS1が発表となったことは先日書いた。今日は同時に発表された1 NIKKOR VR 6.7-13mm f/3.5-5.6と1 NIKKOR VR 10-100mm f/4-5.6について書きたい。

 この二本のレンズは型番でお気づきの通り、どちらもVRが内臓になっている。10-100mmは望遠側はフルフレーム換算(以下、同様)270mmの画角になるのでVRは必須であるが、驚きは広角側18mmの6.7-13mmにもVRが搭載されたことである。軽量コンパクトなカメラほど手振れの可能性は大きくなる訳なので、このクラスのレンズにVRを搭載したことは大いに意義がある。さすがニコンである。

 一方で、そのさすがのニコンがどうして?と思わざるを得ないことも、実はある。それはアタッチメントサイズ(フィルター径)である。10-100の55mmに対して6.7-13mmは52mmと3mm小さい。この微妙な差はいったい何なのだ。

 かつてのMFニッコールレンズは52mmと云うフィルター径に異常なまでのこだわりがあり、その結果、24mm F2.8から200mm F4まで全て52mmで統一された。フィルターを多用した時代で、モノクロームの撮影においては赤、黄色、グリーンなど、カラー撮影においては色温度変換のフィルター、52mmのものを各1枚買えば事実上すべてのレンズに使い回し出来ると大きなメリットとなっていた。しかしデメリットもあった。それは「見た目」である。

 いや、この際見た目は置くとしても、わずか3mmの違いでフィルターを使い回す事が出来ないこの二本のレンズはいかがなものだろうか。昔のように頻繁にフィルターを使う事はないとしてもだ、例えばPL、クロススクリーン、ソフトと云ったフィルターの出番は少なくない。最大でも55mmならそれほど高価ではないとしてもだ、例えばこの3種類を2サイズ揃えようとすれば結構な出費になる。たった3mm、どうにかならなかったのか、ニコン!


 カメラのレンズはその形状にもよるが、大雑把に云えばボディ側よりも先端の方が「若干」太くなっているものが美しい。ボディ側より先端が細くなっているものは美しくない。この、云わば郷秋<Gauche>の「レンズ美学」に基づけば、現行のニコン廉価版DSLR用の標準ズームはまったく美しくない。若い頃に随分と世話になったレンズではあるが、200mm F4もまたは数あるニッコールレンズの中で最も美しくないレンズの一つであると云える。郷秋<Gauche>が、ちょっと古いしVRも付いていないのに、D60、D3100、D5100用にわざわざ中古良品を探してまで18-70mmを使っているのは、これが理由である。

 比較のための並べたのはAF-S 28-70 F2.8 D。200mm F4とほぼ同じ長さだが、はるかに太くてしかも先の方が太いので郷秋<Gauche>お気に入りのレンズだ。しかし、やたらに重いしVRが付いていないので活躍の場面は限られている。ちなみにフィルター径は77mm。

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