唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
FX用廉価版広角ズームレンズ登場か
今月31日から横浜・みなとみらいで開催されるCP+で、ニコンから新しいFX機(フルフレーム)対応の広角ズームレンズAF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G EDが発表されるとの情報。
廉価版FX機、D600が登場したときから予想されたレンズではあるが、いよいよ登場するようだ。ニコンからはD600よりも更に低価格のFX機が登場するのではないかとの噂もあり、その為にも当然必要なレンズである。と云うか、こういうレンズの登場が更に廉価なFX機が登場への期待を大きくするのである。
現代における標準レンズとは、当然、広角から準望遠までをカバーするズームレンズを意味する。この標準ズームの広角域よりも更に広角側をカバーするのが広角ズームであり、望遠側をカバーするのが望遠ズームである。固定焦点レンズの方が明るくかつ高性能であることは論を待たないが、現代ではむしろ特殊なレンズであり、標準レンズとしてズームレンズを使うのが普通となっている。
標準ズームの広角側から望遠までをカバーする高倍率ズームもあるにはあるが、大きく重たくかつ高価でありながら、特に周辺光量落ちや歪曲が大きいなど性能的には必ずしも満足できるものではない。海外旅行などで、これ一本ですべてをまかなおうと云う時には確かに便利なレンズではあるけれど、日常の用には、撮影状況や被写体によって広角、標準、望遠の各ズームを使い分けるのが良い。
Nikon(ニコン)に例にとれば、フルフレーム(FX)のボディは上からD4、D800(E)、D600の三種類がラインナップされており、それに合わせてレンズも「松竹梅」の3シリーズが用意されている。
松クラス(大三元などと呼ばれ、キヤノンの「L」に相当する)
AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
三本とも全焦点域でF2.8と明るく高性能ではあるが高価(三本で56万円程度)でかつ大きく重たく、この三本を常時持ち歩くのは困難である。VR(手振れ補正)が付くのは70-200mmのみ)
竹クラス(中三元と呼ばれることも)
AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR
AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR
三本とも全焦点域でF4と実用上十分な明るさで他の性能も悪くなく、価格もそれなり(三本で36万円程度)、大きさ重さも程ほどと、まさに中庸を行くレンズ。すべてのレンズにVRが付く。標準レンズの望遠側が120mmまでと、他のクラスよりも長いのが特徴。
梅クラス
新登場?AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED
AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR
AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED
望遠ズームは2006年12月の登場でVRがI型であるなど、やや古い。標準ズームはD600と共に登場。三本共に大きさ・重さ・価格(三本で16万円程度)との相談により、F値が焦点距離により変化する。新登場が噂される広角ズームにはVRはつかない模様。
ラインナップが豊富だと、自分に必要とする用途に合ったものを、しかも予算に合わせて自由に選択できるのでありがたい。ボディもレンズも性能・価格に応じて松竹梅の三クラス用意されていると云う事は実に自由な組み合わせが可能なことを意味する。広角ズームは余り使わないから梅クラスにして、その代わりにマクロを買おうとか、竹クラスの広角ズームと高倍率ズームの組み合わせにしようとか、その選択肢が増えるのは良いことである。さすが、ニコン!
今日の一枚は、月曜日に降った雪が土曜日までこんなに残っていましたと云う証拠写真。この写真は松クラスの標準ズームで撮ったもの。これは焦点距離55mmで撮ったものだが、このクラスの標準ズームレンズの広角域がこれより広角なレンズは日常的には余り必要としない、かつては超広角と云われた24mmから始まっているのは有り難い。ちなみにこの日の撮影には標準ズームの他には90mmマクロと、一昨日の予告通りレフレックスの500mmを持って行った。500mmでは(も)残念ながらご覧いただくほどの写真を撮ることが出来なかった。