弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

ヒラリー・クリントンの私的メール・サーバー問題について(考える)

2015年08月17日 | 日記

ヒラリーのプライベート・メール・サーバー問題については、そしてそれに絡んで
いろいろと新しい事実が明らかになっています。

そのうちの一つは、このメールの中にいわゆる機密情報に関するものがあり、しかも
最高機密に属するものが今のところ最低2通あることが判明しています。
FBIなどが調査を開始しています。

最高機密情報のメールには、”TOP SECRET//SI/TK/NOFORN”という表示がなされることになって
いるのですが、その表示のあるメールが私的サーバーに保存されていたのです。

 TOP SECRET//SI/TK/NOFORNの意味、取扱いのマニュアルについては、ここをどうぞ。

ところで、ヒラリーは最初は機密情報を送信したことも受信したこともないと主張していましたが、
その存在がわかると、主張を変え、送信・受信したときには機密情報ではなく、後に機密情報になった、
したがって受信・送信当時機密情報とは知らなかったので、何ら問題ないと言い張っていました。

 Clinton has previously stated that she never sent or received any classified information via email. She later revised her statement to say she never sent or received any information that was classified at the time.
(下線は私が付加)

そこで、ヒラリーのいうように後日機密扱いに変更になるのかが問題となったのです。
これについて、当局は公式の見解を出しました。ここをクリックし、さらに「a joint statement
released on July 24」をクリックしてください。
重要部分を次にコピペしておきます。

These emails were not retroactively classified by the State Department,” the IGs said, “rather these emails contained classified information when they were generated and, according to IC classification officials, that information remains classified today. This classified information should never have been transmitted via an unclassified personal system.”
(下線は私が付加)

これによると、メールの送受信の時点が基準になるのであり、遡っては機密情報になることはない
のです。

ヒラリーの送受信当時は機密情報ではなかったとの再釈明は、公式声明と矛盾することになります。

ですから、このような機密情報を”unclassified personal system”に送信してはならないとしているのです。

明らかに違反していますね。

ヒラリーは当時は機密情報ではなかった、したがって知らなかったのだから刑事事件にはならない
と言っていましたが、どのように主張するのでしょうか。
モニカの姿がチラチラしてきます。

共和党からの出馬を表明し、今のところ世論調査で断トツの不動産王のトランプ氏は
ヒラリーはいずれは難しくなるのではないかと意見を述べています。

そもそも政治家ではなく、しかも物議を醸す発言の多いトランプ氏が人気なのは
プロの政治家に対する失望の裏返しだと思う。

政治の世界は力の世界の代表たるものですから、どうなるのか誰もわかりません。

それも含めて大いなる研究対象です。