ヒラリーのイーメール問題は徐々に深刻さを増しています。
ジョージ・W・ブッシュ大統領時代に司法長官を務めたことのある
マイケル・ミュケイジー氏が、ヒラリーのイーメール問題は単に連邦法に違反する
可能性があるというだけでなく、その結果として大統領の欠格事由に該当する
と主張しています。ここをどうぞ。
United States Code(合衆国法典)18節2071がその
根拠条文です。
そして、Cause of Actionという非営利団体はこの問題についての
詳細な法律的な分析を公表しました。ここをどうぞ。
マイケル・ミュケイジー氏の主張と同様です。
同条文は、簡単にいうと公的記録(public records)の保管・管理者
(custodian)は、その記録を変更(alter)したり、削除
(obliterate)した場合には、第一に重大犯罪(felony)に
なり、第二に合衆国の公職につく資格を失う(disqualify)と
しているからです。
したがって当選したとしても、いつ大統領を失職することになるかわからないという
わけです。また、その間に大統領としてなされた行為の効力も問題になるのでは
にはないでしょうか。
刑事問題にも深刻ですが、それよりもこの「欠格事由」の問題は、大統領選に
出ようとする者には決定的なダメージになるでしょう。
ヒラリーはサーバーの情報は全部削除した(wipe)と公言しているし、また
この条文は機密情報かどうかは問題としていません。ただ
「willfully and unlawfully」であればいいのです。
ヒラリーがすべてのメールを私的サーバーに保存したのは彼女の独断によるもので
権限のあるものから許可を得たものでないことは明らかです。
しかも国務省の公的システムとは全く関連付けのない独立したものです。
したがって「unlawfully」になります。
「willfully」は故意よりも広い概念です。マイケル・ミュケイジー氏
は、手術をする外科医にたとえて、手術の前に「手を洗わなければいけない」ことは
当然の常識であるので、「手を洗わなければいけないことを知っていること」を
確認するためにわざわざ「私は手術する前に手を洗います」とサインさせる必要などない
と言っています。
国務長官が国家外交やその政策事項を扱うにあたって、そのやり取りに関するイーメール
の全部を私的サーバーに、しかも私的サーバーのみに保存してもいいかどうかは
言われなくとも常識でわかることであるというものです。
したがって「willfully」の要件も満たすことになるのではというわけです。
しかし、ヒラリーは絶対認めないでしょうから、結局は法的手続きによることに
なるでしょう。そして結論までには長い時間を要します。
大統領選挙までには結論がでることはあり得ないでしょう。
後は、有権者がどう判断するかです。
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日本に伝えられるマスコミ情報では見えませんが、ヒラリーは何を隠したかったのか
について、やはり、現地では、クリントン財団と関係があるのではとか、講演料・
コンサルタント料などに関係があるのでは(クリントン元大統領は講演活動等を通して
莫大な財をなしています。)などなどがうわさされているようです。
勿論、真実は不明ですが。