３０年越しのＵターン

私が小学５年生になった頃、兄は夢を叶えるべく上京した。

そんな野望を持っていたかどうかは定かではないが、

紆余曲折の末、某業界ではそこそこ名の売れた、いわば職人として活躍し、

故郷を去ってから３０年以上が経過した。


てっきり向こう（東京圏）で、骨を埋めるものかと思いきや、

３か月前に突如、兄が故郷に戻ってくると爆弾発言。

「いつかは戻りたい」とほのめかしていたから、老後は実家で？とは思っていたが、

まさかそんなに早く！？と、面食らってしまった。まだ信じられない。


どんな業種か一度聞いたのだが、画を描く仕事であるということ以外は、よくわからない。

姉の仕事は何度聞いても覚えられない。昔なら、上の二人の後ばかり追っかけていたのに、

どうやら今は、ふたりに対して全然興味がわいてこないらしい。


今年は両親がともに８０歳を迎える。

”体が動くうちに、一族揃ってどこかへ泊りがけでお出かけしたい”というのが、

ジジとババの希望らしい。

もし実現すれば、おそらく幹事は私がやることになるだろう。

というわけで、「もしもこんなお泊まり会をやるなら・・・」と、本日は部屋割りを考えながらの帰り道であった。