ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

 デコ車椅子の熊篠さん「障害者の恋愛も変わらない」

2017年10月01日 01時50分50秒 | 障害者の自立

 手足に障害がある男性と、精神的な障害を抱えた女性の恋愛を描いた映画「パーフェクト・レボリューション」(松本准平監督)で、リリー・フランキーさん演じる主人公クマのモデルになったNPO法人ノアール理事長の熊篠慶彦さん(47)は、真っ赤で派手な車いすの後ろに、映画のポスターを貼った目立つ姿で現れた。通りすがりの人たちが、ポスターをのぞきこむ。「車椅子に乗っているだけでチラ見されるのだから」と、それならあえて目立とうと改造を重ねた自慢の車椅子だ。映画では、熊篠さんの恋愛経験が盛り込まれている。「健常者も障害者も、恋愛の壁は同じ」という熊篠さんに話を聞いた。【中嶋真希】

<“赤い彗星”と名付けた車椅子に乗ってやってきた熊篠さんは、おでこにすり傷を作っていた。その日の朝、車椅子から落ちて救急車を呼ぶ事故があった>

 携帯で119番して、「すいません、障害者で車椅子から落っこちて、助けてください」って。おしっこさせてくれ、ベッド乗せてくれって。ベッドの近くまで車椅子運んでもらって……。すり傷だし、たんこぶできてるから大丈夫。

 <熊篠さんはバリアフリーのラブホテルに関する情報の発信や手が不自由な人も自慰行為ができるようにする補助器具の開発、障害を持つカップルの添い寝介助など障害者の性を支援する活動をしている。自分でたばこに火をつけ、一服すると段差のないカフェのテラスに入った>

 --映画化のきっかけは、松本監督との出会いでした。

 松本監督を紹介されて、まずは身の上話。「実は彼女がソープランドで働いていて……」という話をしたら、監督が非常に関心を持ってくれた。監督は障害者と接するのが初めてで、最初は戸惑っていたし、障害者に対する先入観も恐らくあった。それが、彼女がソープランドで、となると、「えっ?」って。彼女がヘルパーさんだったら、よくある話だけどね。

 もし映画を作るなら、狭く深いドキュメンタリーっぽい作品にするのか、広く浅くエンタメにするのかという話になった。その真ん中っておもしろくない。猛烈に浅くて、たくさんの人に見てもらって、その中におもしろいエピソードをはさんだほうがいい。「最強のふたり」(車椅子の富豪と移民の介護者の実話を基にした2011年のフランス映画)は、笑うポイントもある。日本では、障害者が主人公のエンタメ的な映画ってない。いくら有名な役者を使っても、どうしてもしんみりとしてしまう。

 --「パーフェクト・レボリューション」も笑えて、泣けた。

 映画を冷静には見られるけど、客観的には見られない。何割かは実話だから。股関節の手術をした話も実話。まだ知っている人から感想を聞くことが多いから、「良かったですよ」って言われても、ご祝儀的なものじゃないかと考えてしまう。(自身の物語が映画化されたことを)いまだにドッキリじゃないかと思ってる。公開される29日に、(タレントの)野呂圭介さんが登場して、「ドッキリ・大・成・功」ってことにならないよね?

 --リリーさんは、インタビューで「障害者を描いているんじゃない」「障害者に『性欲があると知られたら困る』と、そういう思いをさせてるのは健常者だ」という話をしていました。

 それを、障害者のぼくが言うと角が立つ。「これは健常者のせいだ」と言えば「お前が言うな」ってなる。リリーさんはさすが。

 --障害者だってセックスしたいというセリフが出てきます。一方で“健康な若い男子”は、性欲があって当たり前と思われている。

 そうそう。しかも、未婚の男子ね。障害者は(性欲だけでなく、欲しいものを)いちいち表明しないといけない。おなかがすきました。トイレに行きたいです。顔をふいてください。病院や入所施設だったら、決まった時間に対応してくれるから言わなくてもいいけど。(セックスは)余暇活動といえば余暇活動だから、そこをあえて言わなくちゃいけないのは、ハードルが高い。

 --しかも社会的には、セックスしたいと大きな声で言ってはいけない。

 「そこは内々に。暗がりでね」って。女性の障害者は、さらにその手前の、トイレのこととか、生理のこととかについても言いにくい。

 でも、健康な男子がしたがっているかというと、そんなにしたがってない。相手が必要なことだから、めんどくさいんだよね。ゲームしたり、アダルトビデオ(AV)を見たり、一人で楽しめちゃうこといっぱいあるから。

「普通」って何だよ

 <映画では、清野菜名さん演じるミツに、クマは猛アタックされる>

 --魅力的な女性がたくさん出てきます。

 監督いわく、クマはモテ設定。ヘルパーさんも、ちょっと「ホの字」。

 --ヘルパーさんは、小池栄子さんが演じています。あんなヘルパーさん、実際には?

 いたら最高。いても、ぼくのところには派遣されません。ただ、ヘルパーさんとそういうカップルはできやすい。

 --障害の有無に関係なく、恋愛に壁はつきもの。ほかの人と変わらないのでは。

 変わらないと思う。健常者も、遠距離恋愛で頻繁に会えなかったり。「普通」っていうけど、何が普通だよって話。

 --映画を見た人が、「私もあんなふうに、恋人の車いすの後ろに乗って、階段ぶっ飛ばしたい」と妄想してくれるかも。

 階段は勘弁してください。うん、妄想してくれたらいいね。

優越感に浸りたい

 <映画でリリーさんが乗っている車椅子は、熊篠さんが実際に使っているもの。くるくると回るLEDライトが地面を照らしたり、後ろに乗れる台がついていたりと、まるでびっくり箱>

 --最近、熊篠さんのようなデコ車いすをよく見かけるようになりました。

 ネオンチューブをつけている人もいるね。ロープみたいに曲げても光るし、電動車椅子ならバッテリーから電源とれるから、車椅子にぐるんぐるんに巻いて。手動の車椅子で前輪が光るのもあるよ。フレームがラメ塗装とか。

 たぶん、そういう「余計なこと」も取り扱う業者が増えているから。以前は、車椅子は黒か青しかなかった。シートの生地だって、チェック柄とか、「えー、選択肢これしかないの?」。今は、子供用の車椅子にディズニーのカバーがついてたりとかさ。無機質よりいいよね。

 --目立つほうがおもしろい。

 目立たなくても、車椅子ってだけでチラ見される。どうせチラ見されるなら、うらやましさがあったほうが、優越感に浸れる。後ろに人を乗っけて走っていると、前から見ると車椅子を押しているように見えるんだよ。でも、「え、乗ってるんだ」って驚かれる。これ、横にも座れるんだよ。今、中古の車椅子を買って改造中。今度は青い車椅子だから、通称「青い稲妻」。また結構改造してるよ。

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 映画「パーフェクト・レボリューション」は、TOHOシネマズ新宿ほかで全国公開中。

 毎日新聞   2017年9月29日


視覚障害者の伴走者増へ 徳島市で体験教室開く

2017年10月01日 01時40分17秒 | 障害者の自立

 視覚障害者と一緒にマラソンを走る伴走ランナーの団体「阿波を共に走る会」が10月15日、伴走の体験教室を徳島市のとくぎんトモニプラザなどで初めて開く。多くの人に視覚障害者のマラソンと伴走への理解、興味を深めてもらい、県内の伴走ランナーの増加につなげるのが狙い。

 教室は講義と実技がある。トモニプラザで行う講義では、視覚障害者マラソンの普及、発展などに取り組む「日本ブラインドマラソン協会」(東京)から鈴木邦雄常務理事らを講師に招く。視覚障害者の不安を取り除くにはどのような振る舞いをすればいいのかなど、伴走のこつや心構えについて教わる。

 実技は徳島中央公園で行い、参加者が2人一組になって伴走を実際に体験する。1人がアイマスクを付けて共にロープを握り、もう1人が路面の状況や曲がる方向などを伝えながら園内を走る。

 走る会は、県内の市民ランナーが中心となり昨年7月に発足。現在は伴走ランナー35人と視覚障害者15人ほどが加入しており、月1回、徳島中央公園で練習に励んでいる。

 会のメンバーの笠井省宜さん(53)=小松島市小松島町北浜、会社員=は「伴走について興味があってもやり方が分からない人も多いと思う。会ではみんな気軽に楽しくやっているので、まずは体験してほしい」と参加を呼び掛けている。

 午前9時半開始。定員100人で、参加費500円(保険料を含む)。問い合わせは笠井さん<電070(4317)7591>。

【写真説明】視覚障害者(左)と一緒に走る阿波を共に走る会のメンバー=5月、徳島中央公園(笠井さん提供)
 
 2017/9/29  徳島新聞

聴覚障害者踏切で死亡、警報機点滅死角で見えず…佐世保

2017年10月01日 01時36分50秒 | 障害者の自立

 長崎県佐世保市の松浦鉄道の踏切で3月、聴覚障害のある女性(当時67歳)が列車にはねられ死亡する事故があり、国の運輸安全委員会は28日、警報機の点滅表示が角度によって見えず、女性が列車の接近に気づかなかった可能性があるとする報告書を公表した。

 報告書によると、事故は3月23日午前、松浦鉄道西九州線の遮断機のない踏切で発生。音と光で知らせる警報機はあったが、踏切手前まで近づくと、点滅表示が真横や斜め後ろからしか見えない位置にあった。

 同社は4月、点滅を全方位から確認できる警報機に取り換えた。報告書は、「遮断機が望ましい」とも指摘しており、松浦鉄道は「できる限り遮断機を設置していきたい」としている。

2017年09月29日 Copyright © The Yomiuri Shimbun

骨盤バンドで元気をつなぐ 諏訪の治療院考案、地域で静かな人気

2017年10月01日 01時29分59秒 | 障害者の自立

 諏訪市豊田の整体治療院が考案した骨盤矯正用のゴムバンドが地域で静かな人気を呼んでいる。手作りしていたが製作が追いつかなくなり、本年度からは、同市中洲の多機能型事業所「森の工房あかね舎」に作業を委託。障害者の仕事づくりとしてももっと広めようと、10月9日にこの骨盤バンドを使う健康講座を初めて開く。

 骨盤バンドはチューブ状の天然ゴム製で幅約5センチ、長さは100センチ前後の6種類。骨盤上部をぐるりと巻いて、締め付けて「仙腸(せんちょう)関節」に圧を加える。筋肉をほぐす他、仙腸関節が動く範囲を広げる効果が期待できるという。市販のゴムチューブの両端に面ファスナーをミシンで縫い付けて作る。

 考案したのは、治療院の按摩(あんま)マッサージ指圧師山田喜信さん(45)。7年ほど前から施術で使い始めたところ次第に話題となり、お年寄りや中学校の野球部などから、月40本ほど注文が入るように。山田さん一人では製作が手に負えなくなり、あかね舎に依頼することにした。あかね舎の通所者は、面ファスナーを決められた大きさに切って縫い付け、治療院に納めている。

 講座では、治療院の按摩マッサージ指圧師3人が、骨盤の働きやバンドの使い方を解説し、体のゆがみをチェック。骨盤バンドを使って体を動かす体操も紹介する。按摩マッサージ指圧師の資格を持つ男性通所者も、希望者にマッサージを施す予定という。

 山田さんには知的障害がある現在高校1年生の息子がおり、長年、障害がある子どもたちが大人になったとき、仕事になる器具などを作れないか考えてきたという。「講座などの活動を障害者の仕事づくりにつなげたい」と山田さん。あかね舎施設長の井上成美さん(49)は「障害者や障害者の仕事を多くの人に知ってもらい、障害者と関わる人が増えるきっかけにしたい」と期待している。

 講座は午前10時〜午後1時。定員20人。参加費500円、昼食は500円で提供する。治療院の出前治療(2千円)も受けられる。申し込みは10月5日までにあかね舎(電話0266・78・8403)か治療院(電話0266・53・3095)へ。

骨盤バンドで運動する山田さん(左)とあかね舎の利用者

(9月29日) 信濃毎日新聞


リリー・フランキーと清野菜名が愛の力を見せつける

2017年10月01日 00時51分16秒 | 障害者の自立

 イラストレーターで俳優のリリー・フランキーさんと、女優の清野菜名さんが共演する映画「パーフェクト・レボリューション」(松本准平監督)が29日からTOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほかで公開される。車いす生活を送る男性クマ(リリー・フランキーさん)と、過去のつらい体験から心に障害を持つ風俗嬢ミツ(清野さん)が、周囲の偏見をものともせず、愛を貫こうとする姿を描いたラブストーリーだ。障害者の愛と性というテーマと真摯(しんし)に向き合いながら、取っつきにくい内容にはなっていない。むしろ、素直に面白いと思える作品に仕上がっている。

 脳性まひを抱えながら、障害者の性への理解を訴え続ける活動家、熊篠慶彦さんの実話に基づいて製作された。幼少期に脳性まひを患い、車いす生活を送るクマは、ある講演会で、クマの話に共鳴したという若い女性ミツから猛烈なアプローチを受ける。最初は子供の戯言(ざれごと)といなしていたクマだったが、「クマピー、大好き!」と真っすぐな気持ちを向けてくるミツに、徐々にほだされていく……というストーリー。小池栄子さん、余貴美子さん、岡山天音さんらも出演している。

 クマとミツの交際に否定的な周囲の反応を見ながら、本当の幸せって何なのだろうかと考えずにはいられなかった。

 違和感を抱いたのは、テレビ番組の女性ディレククターの言動。テレビ映えさせるために2人を、「障害者らしく」「風俗嬢らしく」見せようとする。一体「らしさ」とは何なのだろう。私たちは、勝手な思い込みや自分の価値観を、気付かぬうちに他人に押し付けているのではないか……映画の端々に、障害を持つ人たちの本音と、障害を持たない人間のおごりがうかがえ、深く考えさせられた。

 とはいえ、映画はからりとしていて、笑いすら漏れる。リリー・フランキーさんは、スケベ心丸出しのクマを自然体(?)で演じ、清野さんも傍若無人な振る舞いを屈託ない笑顔で帳消しにしてしまうミツを、実にチャーミングに演じている。

 クラブで、車いすのクマとミツが、銀杏BOYZの曲に合わせて踊るシーンがある。2人の仲むつまじさをはやし立てる周囲の若者の拍手がやけに温かく聞こえ、心に響いた。

(りんたいこ/フリーライター) 2017年9月28日