

兵庫県豊岡市日高町出身の冒険家、植村直己さんにちなんだ「植村直己冒険賞」の授賞式が30日、同町袮布の日高文化体育館であった。受賞者で、アルパインクライマーや山岳カメラマンとして活躍する平出和也さん(38)=横浜市=が、「未知への挑戦」と題して講演した。
同賞は1996年に始まり、極地や高所登山などに挑戦する人たちを表彰。登山家の山野井泰史、妙子夫妻や野口健さんら、18個人・組が選ばれてきた。
平出さんは長野県生まれで、酸素ボンベや固定ロープを使わない単独行の登山スタイルが特徴。世界最高峰エベレストに3回登頂したほか、7千メートル級を超える山々で未踏ルートへの挑戦も続けてきた。アルピニストとしての姿勢に加え、山岳カメラマンとして挑戦者らの息吹を記録し、伝えている点などが評価された。
授賞式では、平出さんは「山は私にとって究極の遊び。支えてくれる多くの人を代表しての受賞で、感動を分かち合えてうれしい」とあいさつ。講演では「私は今、山を舞台に真剣に遊んでいます」とユーモアを交えて話した。
凍傷や命の危険がある状況を乗り越えて挑戦を繰り返し、憧れの山への登頂をかなえた過程などを説明。冒険家らとの登山で感じたことや、最新機器を使った撮影なども紹介し、「今後は人の夢を支え、人のために時間を使えるようになりたい」などと語った。
授賞式には、特別賞を受けた障害者支援施設「はんしん自立の家」(宝塚市)の利用者やボランティアら約60人も出席。「賞をもらい、私たちも夢に向かって前へ前へと進んでいきたい」と喜んでいた。
「植村直己冒険賞」を受け取る平出和也さん(左)
2017/9/30 神戸新聞NEXT
おもてなし 愛媛の味
愛媛国体に出場する全国の選手に食や伝統工芸品などを通して愛媛の魅力を知ってもらおうと、総合開会式が開かれた松山市上野町の県総合運動公園の多目的広場に30日、「みきゃん広場」が開設された。県内全20市町や県内外の企業などが出店した約220ブースが並び、多くの選手らでにぎわった。5日を除く10日まで設けられる。
各市町で取れた旬の農産物や、お菓子、砥部焼などがずらり。蛇口から出るみかんジュースや揚げたてのじゃこ天などのブースには行列ができ、県内外の選手らが愛媛ならではの味を堪能していた。古三津虎舞保存会(松山市)による勇ましいパフォーマンスもあり、会場を盛り上げた。
1日から始まるなぎなたに出場する山梨県の高校2年佐久間葉子さん(17)は河内晩かんのジュースを試飲し「グレープフルーツとミカンの中間みたいな味でおいしい。本番では決勝に進めるよう頑張りたい」と意気込んでいた。
みきゃん広場は、全国障害者スポーツ大会期間中の28~30日にも開設される。
河内晩かんのジュースを試飲する県外選手ら
2017年10月1日(日)(愛媛新聞)
ゴルフ場で使われるヤマハ製電動カートを改造した車両を用い、国土交通省が公道での自動運転実験を行います。同様のサービスはすでに石川県輪島市で導入されていますが、車両はさらに進化しているといいます。
ゴルフ場などで使用される電動カートを活用し、公道で自動運転を行う実験が、熊本県芦北町で2017年9月30日(土)から始まりました。
ゴルフ場などで使用される電動カートを活用し、公道で自動運転を行う実験が、熊本県芦北町で2017年9月30日(土)から始まりました。
これは、国土交通省が「中山間地域における道の駅等を拠点とした自動運転サービス」事業の一貫として、「道の駅」などを中心に全国13か所で行う実証実験のひとつ。同省は「超高齢化が進行する中山間地域における人流・物流の確保をするため、(中略)2020年の自動運転サービスの社会実装を目指しています」としています。この事業での実験は、9月初旬にインターネットサービス大手ディー・エヌ・エー(東京都渋谷区)のバス型車両を用いて行われた栃木県栃木市に続き、2例目です。
ヤマハ製の電動カート「ゴルフカー」による公道での自動運転は、これまでも各地で実験が行わているほか、石川県輪島市では市街地における無料の新交通システムとして導入されています。どのような特徴があり、輪島市のものはとのようなちがいがあるのか、ヤマハに聞きました。
――今回の熊本での実証実験はどのような内容でしょうか?
ルートの延長は約6.3kmで、全て公道を走行します。うち、運転手が手動で運転する区間が2.2km、運転手が運転席で監視しながら行う「自動運転レベル2」の区間が3.7km、運転手不在で行う「自動運転レベル4」の区間が0.4kmです。ただしレベル4の区間は車両や歩行者の立ち入りを規制し、係員も運転席以外の座席に座り緊急対応に備えます。
輸送対象は旅客をメインとしていますが、「道の駅 芦北でこぽん」周辺の畑で採れた農作物を、そこまで運ぶことも行います。
――今回の実験で使われる車両や走行システムはどのような特徴があるのでしょうか?
地中に埋設された電磁誘導線を車両のマグネットセンサーで感知して自動走行する点は、輪島市のものと同じですが、車両には大きな違いが2点あります。ひとつは乗車人数です。輪島市のものは軽自動車として登録された4人乗りですが、今回は初めて小型自動車、いわゆる白ナンバーで登録された7人乗り車両を使用します。なお、公道走行にあたって灯火類やワイパー、警笛など道路運送車両法に沿った保安部品を取り付けています。
もう1点は、自社開発した障害物検知用のカメラを搭載した点です。走路上にある障害物を検知し、自動的に減速、停止します。
「道の駅 芦北でこぽん」での実験に使用されるゴルフカートを改造した7人乗り車両(画像:ヤマハ発動機)。
<社会班厳選:キャッチアップ!トレンド>
ホテルが独自のサービスを打ち出している。東京都港区の「品川プリンスホテルNタワー」では、明日2日から自律走行型デリバリーロボット「Relay(リレイ)」を導入。客室にアメニティーを運ぶ。利便性の高さで、さらなる顧客の獲得を目指す。この他のホテルでも、ロボットによるフロント、生け花体験、2段ベッドなどを採用。エンタメ性を高めたり、「おもてなし」を重視するなどして、より利用者側に寄り添ったサービスが目立っている。
1台しかないRelayが、ロビーで客室から注文を受ける。ホテルのスタッフが、縦22センチ、横26センチ、深さ37センチ、容量21リットルの格納スペースにタオルなどのアメニティーを入れる。身長92センチ、体重40・8キロのグレーのボディーが、人や障害物を避けながら動く。エレベーターにも自動搭乗して、インプットされた階まで上がって行く。部屋の前に到着すると、電話を鳴らしてドアを開けてもらい、荷物を受け取ってもらう。
この間、10~15分。荷物の重さは4・5キロ以下と限定される。防水機能がないため、ビールなどは厳しいが、ルームサービスとエンタメの二刀流話題ロボとして、雑談のネタにはなる。
「品川プリンスホテルNタワー」では2年前からRelayを開発、製造している米国のロボットベンチャー企業「サビオーク」社と協議を重ねてきた。幹部社員が海外出張した際、ヒルトン、マリオットといった有名ホテルで導入されているのを見て、検討してきた。「うちの敷地内には水族館、映画館、ボウリング場などの施設がある。ホテルの枠を超えたエンタメタウンとして、新たなおもてなしの提案をしたかった」と、同ホテル広報では説明する。
一般に人工知能(AI)搭載機能といえば将来、人間の仕事を奪いかねないとの懸念がある。こちらでは、あくまで人間の代わりでなく、大切なホテルスタッフの一員と位置付けている。
今は安全性の高いものしか運べないが、将来的にはペットボトルなども載せられるようにしていく。「20~40代の男女のビジネス利用者を対象に、導入後の反応をまずは見る」(同ホテル広報)。品川で台数を複数にするとか、同じプリンスホテルグループに導入するなど、検討していく。
ホテルで泊まる際、利用者は「価格が安い」「駅や繁華街に近い」「朝食無料」「大浴場やサウナがある」といった、自分に合う条件から選ぶ。その選択肢の中に、オリジナルのロボットサービスが加わってもおかしくない。【赤塚辰浩】
◆品川プリンスホテルNタワー 2013年(平25)3月に改装オープン。客室数257。宿泊者が無料で利用できる空間「ビジネスラウンジ」を設置したほか、チェックイン・チェックアウトの自動システムを採用。宿泊者専用ロッカーも設置。14年11月からは、ビジネスラウンジで朝に軽食をサービスする「N’s Morning」を開始。
【電話】03・3440・1111。ホームページのアドレスはwww.princehotels.co.jp/shinagawa/ntower/
品川プリンスホテルNタワーで運用が始まる自律走行型デリバリーロボット「Relay」
「Relay」は人や障害物を察知
[2017年10月1日 日刊スポーツ ]