ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

障がい持つ兄妹の売春描く『岬の兄妹』

2019年03月01日 17時00分57秒 | 障害者の自立

 予算なし、ビッグネームなし、劇場公開予定なし…から一転。大手シネコンでの拡大ロードショー決定、鬼才ポン・ジュノ監督、香川照之高良健吾池松壮亮ら“見る目の肥えた”各界著名人からの賛辞の嵐。異例尽くしの広がりと反響を生み出しているのが、片山慎三監督による長編映画監督デビュー作『岬の兄妹』(3月1日公開)だ。

 足の悪い良夫が、自閉症の妹・真理子の売春を斡旋していくという貧困兄妹の生き様を、すさまじいほどのリアリズムとテンションで描き切る。過不足の無い演出・展開もさることながら、本作を支える大きな柱となっているのが、兄妹を演じた松浦祐也と和田光沙の成り切りぶりだ。戦慄と滑稽を同居させたようなゾッとする迫真演技を見せた2人に話を聞いた。

 兄・良夫役の松浦は現在37歳。知名度は高いとはいえないが、知る人ぞ知る逸材。妹・真理子役の和田も、成人映画や低予算映画などに出演してきた新進女優。『岬の兄妹』を取り巻く現在の状況はもちろん初体験だ。松浦のアルバイト先の建築現場では「大工さんからサインを求められた。これまで頑張って映画に出てきたけれど、こんなことは初めて」(松浦)と反響の広がりを肌で感じている。

 撮影が行われたのは今から2年程前。季節を通して撮るという片山監督のこだわりから、1年をかけて飛び飛びの撮影となった。大まかなストーリーを聞かされ、断片的に脚本が渡されるというスタイルゆえに「片山監督の思い出のホームビデオで終わるのではないか?と思う時もあった」と松浦。和田も「完成するかどうかもわからない中でやっていたし、撮影しても結局は完成しないというのは自主映画ではよく聞く話。次の撮影はあるのだろうか?という感じだった」と当時の状況を振り返る。

 賛否両論が予想される挑発的な題材。だが演じた当人たちは気負いゼロ。売春する自閉症の女性というきわどい役の和田は「よりどころにしたのは、真理子を不幸に見せない、ということ。喜劇性を意識しながら真摯に取り組んだ」といい「あくまで映画というフィクションだし、批判を気にしていたら何もできない。作品を観てもらった上でのお叱りの言葉なら役者冥利につきる」と言い切る。松浦も「ATGやニューシネマにも弱い立場の人間が強く生きていくという作品はたくさんある。気持ち的には『この作品で世界を変えてやるぜ!』というような気負いもなく、いつも通り真剣に取り組んだつもり。だから批判に対する不安や心配はない」と同じ気持ちだ。

 俳優陣の心意気を支えたのは、撮影現場に流れる信頼感。それが如実に表れているのが、真理子の売春に気づいた良夫が、入浴中の真理子を問い詰めるシーン。良夫の怒りと粗暴さが荒々しく表現される。大暴れした松浦だが「通常は決められたカメラのフレームの中で演技をするけれど、この現場は『必ず追うから何でもやれ』という考え方だった。和田さんもどんなに痛くても『どんどんやってください』と言ってくれる。こんなに気合の入った女優さんをほかに知らない」と舌を巻く。

 低予算ゆえにスタッフの人数も少なく、そのためメイクのヘルプで参加したスタッフがカメラを回したり、衣装係が制作の仕事をしたりと、部署の垣根もゼロ。和田は「現場の皆で意見を出し合って、物語すら自分たちで作り上げていくようなスタイル。なんでも自分でやるというスタンスに適応できたのは、ピンク映画に育ててもらった下地があったからこそ」とこれまでの道のりに感謝。松浦も「何もわからないまま映画を撮っていた時の、あの楽しい自由な雰囲気に似ていた。その感覚の中にプロが集まってモノ作りを楽しんでいる。それを片山監督が上手くコントロールしてくれた」。形に捕らわれない風通しのよさがクリエイティブな刺激を生み出したわけだ。

 その自由さの一方で、片山監督の演技を見抜く目が現場のメリハリに。「テストなしで本番に突入することもあれば、帽子の角度でNGが出たり、『どうする?帰るか?』というセリフも何度もやり直した。求められたのはリアル。作為を持った演技をしようものならすぐ にバレる」と松浦。和田も「完成したものを観て初めて腑に落ちるところが沢山あった。片山監督の掌の上で転がされていたことを思い知らされた」と確固たるビジョンに畏敬の念。しかし、学生に捉えられた良夫が人糞攻撃で危機を脱するという展開に対して「さすが!面白いものを持ってきたな!やりましょう!」(松浦)と二つ返事で共鳴する俳優陣たちのセンスもなかなかのもの。

 良夫が自らの人糞で学生を撃退するシーンで、松浦は「兄が自閉症の妹に売春を斡旋するという重いテーマだけれど、僕らの中ではユーモアを持ってやっていた部分がある。その“おかしみ”みたいのが脱糞シーンで醸し出せれば」と狙いを明かす。俳優陣が意識した喜劇性は、風通しのいい撮影環境と片山監督の明確な演出も相まって、重い見た目の中に絶妙なバランスで宿る。だから『楢山節考』『うなぎ』で知られる今村昌平監督の作品群を指す“重喜劇”という言葉がしっくりくる。

 ゲリラ撮影で大人に怒られたり、怖い人たちがたむろする歓楽街でいつでも逃げられるような万全の態勢で撮影を敢行したり、自主映画あるあるを一通り体験しながら完成にこぎつけたわけだが、出来上がったものにかつてないほどの手応えを感じている。「俳優のマネジャーさんはたくさんの映画を観ているので辛口な人が多いけれど、初号試写の際に大絶賛している姿を見て『これは…』と思った」と松浦。和田も「とにかく『衝撃だった』とたくさんの方々から反響がありビックリ。いい意味なのか悪い意味なのか分からないけれど『衝撃的』と言われる」と笑う。

 ただ業界内の本作に対する注目度の高さや反響に対して、意外なことに2人は冷静。これまで「泥水を啜ってきた」という松浦は「僕は過去に5回くらい先輩俳優から『これでお前は売れる!バイトはするな!』と言われてきました。そして妻にも『もうパートはしなくていいぞ!俺が食わせてやる!』と2回くらい啖呵を切りました。でも一度もブレイクしていません。今回も大きなことは言わないでおきます」と苦笑いも「好きで映画をやっているだけ。死ぬまで映画に関われたらそれでいい」と声を弾ませる。和田も「作品の規模に関わらず、面白いものを作りたいという気持ちだけ。まずは完成した映画を沢山の人に観てもらいたい。そこでどんな意見が生まれようとも覚悟はできています」と映画の公開に期待を寄せている。

 劇場公開が決まると、2人は自然発生的に誰に頼まれるでもなく、都内劇場のロビーで本作のチラシを配って地道なPR活動を行っている。演じることへの愛、作品に対する愛、映画というジャンルに対する愛。『岬の兄妹』にまつわる異例尽くしの一端を、松浦と和田のピュアな思いが支えているのは間違いない。

ストーリー

 港町、仕事を干され生活に困った兄は、自閉症の妹が町の男に体を許し金銭を受け取っていたことを知る。罪の意識を持ちつつも互いの生活のため妹へ売春の斡旋をし始める兄だったが、今まで理解のしようもなかった妹の本当の喜びや悲しみに触れ、戸惑う日々を送る。そんな時、妹の心と体にも変化が起き始めていた...。ふたりぼっちになった障碍を持つ兄妹が、犯罪に手を染めたことから人生が動きだす。地方都市の暗部に切り込み、家族の本質を問う、心震わす衝撃作。

テキスト:石井隼人

写真:You Ishii

(c)SHINZO KATAYAMA


重度知的障害者を家族に持つ私が

2019年03月01日 13時30分34秒 | 障害者の自立

 物語の主人公は、死刑制度廃止を支持する弁護士の太田憲明。太田は、志を同じくする先輩弁護士の遠山勇一から頼まれ、1年前に重度知的障害者施設を襲い入所者19人を殺害した、元職員の松田尊の国選弁護団に入ります。

 松田は意思疎通のできない障害者を「心失者」と呼び、事件を起こす前、衆議院議長あてに、心失者が生きている意味はないという自身の主張をつづった手紙を届けていました。太田が松田に初めて接見した際、その手紙の内容とともに彼の過去の挫折経験や人間関係が語られていきます。行き過ぎた主張を変えない松田に対し、死刑は当然だと感じてしまい弁護に迷う太田。障害があっても生きるに値しない命など存在しないのなら、犯罪者である松田であってもその命は同じく、死刑で奪ってよいものではないはずと、太田は葛藤します。

 私事ですが、筆者には姉がおり、重度の知的障害を持っています。個人的な意見ですが、相模原殺傷事件が起きたとき、犯人の主張には理解できる部分がわずかに、ないわけでもないと感じました。

 障害者施設のなかには、入所者をただ寝かせているだけ、という施設も存在します。それは障害の重篤さゆえで仕方ない場合もあるのですが、無上の愛情を注げる家族とは違って、仕事になるまで障害者と接したことがなかった職員にとっては、その光景は別のものにもみえることがあってもしょうがないのではないかと。

「キレイごと」の肯定

 そして、入居者たちの言動も。知的障害者は天使だから、とは、一時期話題になった「感動ポルノ」の常套句ですが、人間である以上、表に出るものは薄くても感情がある以上、いつでも健常者にとって都合のよい天使でなどいられるわけがありません。肢体不自由と知的の重複障害者はビジュアルから受けるインパクトが強いので、報道以外のテレビ番組などで登場する機会は少ないですが、間宮を演じた吉岡健二の身体表現も、本当にリアルでした。 死刑制度に反対する自身の信条と、命の価値に苦悩する太田に、先輩弁護士の遠山は「キレイごと」の肯定をします。「共生」を胸に太田は、裁判所へ立ちます。

 脚本の古川健は、人間の心を緻密に描くことで知られる気鋭の劇作家ですが、ここまで周辺事情を徹底的に調べ尽くせるとは思っていませんでした。実在の事件をもとにしていますが、本当の被告の真情はどうなのか、裁判が今後どうなるかはもちろん不明です。しかし筆者はこの舞台を、もう一度命の価値について改めて省みる機会にし、そして、個人的には家族について考えたい。

 自主規制や忖度は、直視するには生々しすぎる現実をある種のやさしさで包んだ結果といえるかもしれません。劇中、犠牲者の氏名が非公表であること、そしてインターネット上では松田の行動を賞賛する声が存在することにも言及されますが、事件のそんな「匿名性」も、生々しさからの乖離との共通性が感じられます。厳しい現実であっても、知らなくては理解することはできません。本当に必要な忖度なのかどうか、そこへ一石を投じることができるのも、舞台という表現が試金石になるのかもしれません。

 そして、入居者たちの言動も。知的障害者は天使だから、とは、一時期話題になった「感動ポルノ」の常套句ですが、人間である以上、表に出るものは薄くても感情がある以上、いつでも健常者にとって都合のよい天使でなどいられるわけがありません。肢体不自由と知的の重複障害者はビジュアルから受けるインパクトが強いので、報道以外のテレビ番組などで登場する機会は少ないですが、間宮を演じた吉岡健二の身体表現も、本当にリアルでした。 死刑制度に反対する自身の信条と、命の価値に苦悩する太田に、先輩弁護士の遠山は「キレイごと」の肯定をします。「共生」を胸に太田は、裁判所へ立ちます。

 脚本の古川健は、人間の心を緻密に描くことで知られる気鋭の劇作家ですが、ここまで周辺事情を徹底的に調べ尽くせるとは思っていませんでした。実在の事件をもとにしていますが、本当の被告の真情はどうなのか、裁判が今後どうなるかはもちろん不明です。しかし筆者はこの舞台を、もう一度命の価値について改めて省みる機会にし、そして、個人的には家族について考えたい。

 自主規制や忖度は、直視するには生々しすぎる現実をある種のやさしさで包んだ結果といえるかもしれません。劇中、犠牲者の氏名が非公表であること、そしてインターネット上では松田の行動を賞賛する声が存在することにも言及されますが、事件のそんな「匿名性」も、生々しさからの乖離との共通性が感じられます。厳しい現実であっても、知らなくては理解することはできません。本当に必要な忖度なのかどうか、そこへ一石を投じることができるのも、舞台という表現が試金石になるのかもしれません。

2019.02.27        wezzy


「アメリカは街中に障害者がたくさん」9歳で下半身不随、留学して気づいた日本との違い

2019年03月01日 12時02分34秒 | 障害者の自立

 ショッピングセンターに買い物に行く、日常生活で恋愛をする……そんな当たり前のことが、人によっては難しいケースがある。障害を抱え、車椅子を使って生活する人たちは、どのように日常生活を過ごしているのだろうか。

 9歳のときにひいた風邪がきっかけで、横断性髄膜炎になり、下半身不随となった中嶋涼子さん。「車椅子歴は23年のプロ」と微笑む中嶋さんは、おへそから下の感覚がないため、尿意や便意を感じない。飲み会に行くときは、飲みすぎると漏らしてしまうため、さりげなくチェックするという。

 中嶋さんは、映画の勉強をしたいと思い、18歳からアメリカに留学。26歳までアメリカで一人暮らしをしていた。

「アメリカでの生活はすごく暮らしやすかった。アメリカは街中に障害者がたくさんいる。道端で『なんで車椅子なの?』と聞かれたり、『その車椅子可愛いね』と話しかけられたりすることも多かった。アメリカにいた8年間は、自分が車椅子でいたことを忘れていました」

 そんな中嶋さんだが、日本に帰国したとき、成田空港で自身が障害者であることを思い知らされた。

「成田空港に車椅子専用のトイレがあった。住んでいたロサンゼルスには車椅子専用のトイレはなくて、いくつもトイレが並ぶ中で大きなトイレが1つだけあって、そこに健常者や車椅子の人も入れるようになっていた」

 トイレの入り口から障害者と健常者の区別をする日本。中嶋さんは、自分がアメリカでは車椅子であることを意識しない生活を送っていたことに気づいた。

 「アメリカでは道端やコンビニ、スタバで隣になった人と仲良くなって付き合ったり、出会いもあった」と振り返る中嶋さん。しかし、日本に戻ってきてからは「車椅子だから」と距離を置かれやすくなり、出会いもなくなった。そんな中、先輩にスマートフォンの位置情報を使ったデートアプリ「Tinder」を勧められ、実際にやってみることに。

 中嶋さんは「アプリをダウンロードした日は寝ないくらいにずっとやっていた」と笑い、相手に自分が車椅子であることは言わず、マッチングして仲良くなった人にだけ「実は車椅子なんだよね」と伝えていた。実際に「Tinder」で出会い、付き合った人もいたという。

◆「障害売りにしてんじゃねーよ!」元彼に言われショック 車椅子でも「かっこよく思われたい」

 そんな中、日本で暮らすうちにある男性と出会い、付き合い始めた中嶋さん。最初は「車椅子なんて関係ない」と言っていた男性。別れ話になり、喧嘩をしたとき、元彼は中嶋さんの『BEYOND GIRLS』(車椅子ガールズユニット)としての活動を「障害を売りにしてんじゃねーよ!」と非難したという。

 「応援してほしかったのに、そう思われているんだなって……」とショックを受けた中嶋さん。「そう思っている人にもかっこよく思われたい」と決意を語った。

 車椅子モデル・タレントの内藤沙月さんもアプリを使い、男性と会ったことがあるという。内藤さんは、骨形成不全症によって生まれつき車椅子生活を送っている。

 骨形成不全症は、骨がもろく弱いことから骨折しやすくなり、骨の変形をきたす先天性の病気で、内藤さんは母親のお腹の中にいた頃から障害を持ち、大腿骨を骨折した状態で産まれてきた。両足の感覚はあり、短距離であれば手すりを使って歩けるが、幼少期はオムツを交換したり、くしゃみや大きな声を出したりしただけでも骨折した。

 内藤さんも中嶋さんも車椅子であることを伝えずに相手と会ったことはなく、アプリ上で仲良くなってから、あらかじめ伝えて会うという。

 中嶋さんは「車椅子だって伝えた途端にフェードアウトする人もいれば『気にしないよ』って言いながらフェードアウトをする人もいる。でも中には『本当に気にしない。会おう』って言ってくれる人もいた」と話す。障害に対する受け止め方が全く違うアメリカと日本。日本では障害を持つ人にとって交流が生まれにくく、出会いが限られているのが現状だ。(AbemaNewsより)

AbemaTV『Wの悲喜劇』


障害者らのロックバンド「スーパー猛毒ちんどん」 高円寺で写真展

2019年03月01日 11時21分25秒 | 障害者の自立

 さいたま市を拠点に活動する障害者らのロックバンド「スーパー猛毒ちんどん」のドキュメンタリー写真展が、杉並区高円寺南のギャラリーRで開かれている。3月4日まで。 (谷岡聖史)

 バンドのメンバーは、施設や親元を離れ、同市の障害者団体「虹の会」に所属して一人暮らしする障害者や、障害のない職員ら。歌舞伎の隈(くま)取りなどの奇抜な姿と明るい曲調で、いじめなど障害者の実体験を歌詞にして歌っている。

 会場にはライブ風景や舞台裏の表情、団体で運営するリサイクル店での日常を捉えた六十八枚が並ぶ。

 撮影した写真家の松沢コウノスケさん(53)=埼玉県上尾市=は、普段はテレビの特撮ヒーロー番組のスチール撮影が専門。知的障害者施設で働いた経験があり、二〇一七年に同バンドのライブを見て「『健常者づらして、障害者だと思って見てるのか』と問い掛けられているような迫力を感じた」と撮影を始めた。

 「バンドをやったり仲間と飲みに行ったり、施設を出て普通の生活ができると教わった。でもその前に、とにかく被写体として格好良いです」と話している。

 正午~午後九時(最終日は午後五時まで)。入場無料。会期中、ミニライブやトークショーもある。問い合わせは虹の会=電048(855)8438=へ。

奇抜な衣装のままライブ会場に向かう「スーパー猛毒ちんどん」(松沢コウノスケさん提供)

東京新聞      2019年2月28日


和歌山発の障害者福祉情報サイト「ふくりっち」開設 

2019年03月01日 11時02分29秒 | 障害者の自立

授産製品の販路拡大へ

 就労継続支援事業所利用者が製作した品物などを扱うウェブ通販サイト「和歌山市障害者福祉情報サイト ふくりっち」が1月7日、開設された。運営は「授産製品販促プロジェクト」。

和歌山市の就労継続支援事業所利用者が手掛けた授産製品の一部

 「福祉を豊かに」をコンセプトに、就労継続支援事業所の利用者が作る自主授産製品の販売する同サイト。現在は3事業所、商品約40点を販売するほか、ブログで事業所や商品の紹介を行う。

 運営メンバーは就労継続支援事業所で働く職員など、30代の男女6人。代表の澤田淳さんは元システムエンジニア。現在は障がい者の就労支援の仕事をしながら「IT業界の視点を取り入れて障害者福祉を豊かにできないか」と考えていたという。市の障害者支援課が「障害者施設授産製品の周知および販売の促進」をテーマに事業計画を募集していることを知り、同プロジェクトを発足した。

 同メンバーで事業所管理者の矢野好生さんは「このプロジェクトに参加してウェブサイト制作をしたことがきっかけで、自分の事業所でも自主授産製品を作り始めた。オンラインショップ以外のコンテンツも充実させ、アクセス数アップを目指したい」と話す。

 澤田さんは「就労継続支援事業所の自主授産製品はこれまでイベントや行事などの出店で売ることがほとんどで販路が限られていた。事業所へのアンケートでも販路が少ないという声が寄せられている。製品の売り上げが利用者の工賃となるので、販路を広げ、工賃を増やし、事業所の課題を解決していきたい」と話す。「目標は和歌山市内すべての就労継続支援事業所自主授産製品を掲載すること。いい商品を広く知ってもらい、買ってもらって利用者の生活の向上につなげたい」と意気込む。

(左から)授産製品を手にする「授産製品販促プロジェクト」メンバーの澤田さん、矢野さん、市障害者支援課の目良さん、同プロジェクトメンバーの中井さん 

(左から)授産製品を手にする「授産製品販促プロジェクト」メンバーの澤田さん、矢野さん、 市障害者支援課の目良さん、同プロジェクトメンバーの中井さん

2019.02.27      和歌山経済新聞