中央省庁での障害者雇用者数の水増し問題を受け、政府が2~3月に初めて実施した障害者対象の国家公務員統一試験に754人が合格した。人事院が22日発表した。採用枠の676人を上回り、人事院の担当者は「一部の省庁で前倒し採用があった。歓迎したい」としている。
人事院によると、合格者は17~58歳(昨年4月1日時点)。省庁別では、国土交通省が174人で最も多く、法務省138人、国税庁90人と続いた。持っている障害の手帳別では、身体障害者319人、精神障害者432人、知的障害者3人。知的障害者は「高卒程度の知識を問う形式のため少なくなった」(人事院)といい、今後、各省庁ごとの個別採用で対応する。
合格者は早ければ年度内に働き始め、いずれも常勤の事務職となる。統一試験は8712人が申し込み、筆記試験の1次選考が2月、その後に2次選考の面接が実施されていた。
国の行政機関では障害者雇用数が不適切に算入され、実際の雇用率が法定雇用率の半分以下の1・24%だった。政府は法定雇用率を達成するため、今年末までに約4千人の障害者を常勤または非常勤で採用する計画。政府は今後、採用計画の進み具合や障害者が働きやすい環境づくりができているかについてチェックするためのフォローアップ会議を開く。人事院は今秋にも再び障害者対象の統一試験を実施する予定だ。
2019年3月22日 朝日新聞