GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

グルメ漫画のルーツ

2015-09-05 02:42:58 | BOOK/COMICS
グルメ漫画が最近は多数出回ってる。
料理人が主人公だったり、個人が自分で作ったり食べ歩いたり、思い出の食だったり。ジャンルも多種多様。

ざっくりわけると
1,料理人が食材や調理法を考え工夫し、何故か料理バトルに展開する漫画
2,料亭や飲食店を舞台に、訪れる客の人間模様、食文化等を描く漫画
3,個人(素人プロ関係なく)が料理のレシピを紹介しながら料理を作る漫画
4,個人が色々な店を食べ歩く食レポ的な漫画、又は思い出の味等のエッセイ的な漫画
5,その他食に関する蘊蓄を取り入れた漫画
に分類できる。

それぞれの代表は「包丁人味平」「美味しんぼ」「クッキングパパ」「孤独のグルメ」「めしばな刑事タチバナ」だろう。(個人的に勝手に選んだ)
現在のグルメ漫画はこの漫画のどれかに流れを汲んでると言ってもいいと思う。(本当か?)

1,の料理人が食材や調理法を考え工夫し、何故か料理バトルに展開する流れは「包丁人味平」から始まった。
「ミスター味っこ」「将太の寿司」「鉄鍋のジャン」「江戸前の旬」「きららの仕事」「スペシャリテ」「食戟のソーマ」「信長のシェフ」・・・
時代や料理のジャンルは違っても料理人が工夫し、より美味しく仕上げる事をテーマにしてる。
残念ながらこの手の漫画って、バトル時に審査員が「美味い」とか「今迄食べた事無い」とか唸るけど、そんなに美味しそうには見えないのよね。
まぁ「その料理食べてみたいなぁ」とか「へぇ、その食材ってそうすればもっと美味しくなるんだ」って蘊蓄は身に付くけどね。

2,の料亭や飲食店を舞台に訪れる客の人間模様や食文化等を描く漫画に流れは「美味しんぼ」からだろう。
この「美味しんぼ」はその後の食漫画にも多々影響を与えたと思うが、何より凄いのがこの漫画が紹介したおかげで、一般的にポピュラーになったもの、料理名や食材を知ったものが多々あるってこと。
当時全く知られてなかった、沖縄料理、韓国料理、郷土料理の食材や料理名。その他オーストラリア、ベトナム、中華、日本酒、焼酎、ワイン、スコッチウィスキー、チーズ、ハム・・・。数え上げたらきりがない。まさに食漫画の王道であり、原点。
「おせん」「味いちもんめ」「蒼太の包丁」「大使閣下の料理人」「ザ・シェフ」「HEAVEN?」「最後のレストラン」「華中華」「深夜食堂」・・・
このジャンルの漫画は読んでて楽しい。料理もそうだけどストーリーがしっかりしてるからね。

3,の個人が料理のレシピを紹介しながら料理を作る漫画は、下手な料理本より役に立つと思う。
絵と文で漫画に登場した料理を解説してくれてるので、手軽に作ってみようかな?って気になる。
累計100巻を超える「クッキングパパ」をはじめ、「酒のほそ道」「つまみ道場」「くうねるまるた」「花のズボラ飯」「釣り船御崎丸」・・・
結構作ってみると簡単。自分で料理する人向きかな?

4,個人が色々な店を食べ歩く食レポ的な漫画や思い出の味等のエッセイ的な漫画は最近特に多い。
でもさ、店や料理の紹介で終わってしまう漫画が多いのよね。実際にその店に行って食べたい!って思う漫画は少ない。
「孤独のグルメ」と並ぶくらい俺がお気に入りなのは「ワカコ酒」。この漫画はOLが一人で飲み屋に行って一品とそれに合うアルコールを楽しむ漫画で、実写化やアニメ化もされてるが、漫画の方が絶対面白い。
「ラーメン王子」「ぶかつ麺」「文豪の食彩」「いいなりゴハン」「いつかティファニーで朝食を」「ドライブご飯」「思い出食堂シリーズ」・・・
紹介されてる実在の店は東京近郊が多いので、地方都市の人間にとってはちょっと物足りないかな。

5,食に関する蘊蓄を取り入れた漫画はここ最近の新ジャンル。一つの食材に特化してたり、めっちゃ奥深くこだわってたり。
「めしばな刑事タチバナ」はかなりマニアックなところ迄各飲食業界や食材を掘り下げ紹介する漫画。牛丼、ファミレス、うどん店、ピザ屋から、アイス、ポテトチップス、ふりかけ、ソーセージ・・・。読めば業界通になってしまうほどの濃さ。
「う」は鰻だけの漫画で全4巻、「山賊ダイアリー」は猟師が実際に狩猟獲物を食べる漫画。これも現在6巻、「お取り寄せ王子飯田好美」はネット販売等のお取り寄せ商品紹介漫画で現在5巻まで発行、ラーメンマニアックなネタ満載の「ラーメン発見伝」や魚の事がわかる「築地魚河岸三代目」など。

他にもいろいろな食漫画があるが、とても全部は紹介しきれない。
ここに紹介したグルメ漫画はフォトチャンネルの「食コミックス」にほぼ全部画像掲載してるから是非観てください。

twitterやFacebookで今日食べた食材をレポートしてる人が多々いるが、是非こういう漫画を読んで参考にしてほしい。
グルナビ等の店紹介のレポートしてる人。自分のレポートに責任を持ってね。
化学調味料に慣れた人と、天然出汁で育った人では味覚も違うからね。
「美味しい」って感じるのは、空腹、期待、今迄の食生活、そして店の雰囲気に左右されるからね。冷静に。

孤独のグルメ season5

2015-09-05 01:58:39 | BOOK/COMICS
孤独のグルメのseason5の放映が決まった。
主演は今回も松重豊さん。って言うかこの人以外には考えられない。
それ迄グルメコミックで映像化された作品は数多くあるけれど、この松重さんほど美味しそうに喰う人はいない。
だから、食漫画の実写ドラマは殆どがっかりしてた。これほど美味しそうに食べる実写は無かったのよ。

まさに「夜食テロ」。
毎回松重さんが「今日は何を食べるか?」って自問自答から始まって、店を見つけ、一人で喰う。それだけのドラマなんだが、松重さん本人のナレーションと(心の声)と食べっぷりにホント参った。
Season1の焼き肉の回なんて、ほんとヤバイ。次の日に一人焼き肉に行ったよ。
孤独のグルメでの松重さんの食べっぷり(本人曰く本当は食が細いらしいが)は、今迄のどんな俳優より美味しそうに喰う。唯一ライバル(勝手に決めるが)は永谷園のお茶漬けのCMの彼くらいだ(俳優ではなくADらしいけど)。
食ドラマの俳優、バラエティ番組の食レポのタレントは見習ってほしい。
ただ単に「美味い」「おいしーい」とか連発したり、口に含んで言葉が出ないってパターンばっかりじゃなくてね。

元々は1990年代に連載されてたグルメ漫画(原作・久住昌之:作画・谷口ジロー)なんだが、こちらも復刻されて売れてる。関連本に続き、第二巻ももうすぐ発売されるらしい。原作者の久住昌之さんは、他にも主婦の一人飯の「花のズボラ飯」とか「野武士のグルメ」って漫画の原作も書いてるが、これは孤独のグルメの延長線上にあるので、本家には及ばない。

この食漫画については別稿で書こうっと。

孤独のグルメSeason5。今回も美味しく食べてください。期待してます松重さん。