猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

新型コロナ感染拡大のなか、外国人には憲法なんて関係がないのか

2021-05-10 23:13:35 | 政治時評


きょうの衆院予算委員会の中継を聞いて、立憲民主党の枝野幸雄の質問にいささかガッカリした。下手であるし、むきになると理念が後退する。党内で討論会を定期的に開いて、どこがまずいかのアドバイスを受け、デベートに うまくなってほしい。

やりとりは次のようである。

枝野幸男が政府の新型コロナ対策の不手際を責めて、「なぜ水際対策を強化しない?」と言及したとき、厚労大臣の田村憲久が「憲法で移動の自由がある。日本から海外に出る方が帰られる場合もあることを前提に考えなければならない。わが国は私権制限の法律がない、ホテルには強制的に入って頂けない、ホテルの確保には近辺の住民の同意が必要だし、……」 と、憲法を持ち出した。

ここで、憲法改正を唱える自民党の大臣に「憲法」をもちだされ、枝野幸男はカチンときて「日本人が帰国する場合は若干あるかもしれないが、それ以外の入国規制に、憲法なんて関係ない。ホテルが確保できた数だけ入国させ、それ以上入国させない」といった。

カチンと来ても、日本国籍をもたない入国者に「憲法なんて関係ない」と聞こえる発言はすべきでない。人権は人類普遍的なものである。立憲民主党が日本人ファーストになったら、野党としての存在価値がない。

2日前の5月8日(土)のETV特集選『義男さんと憲法誕生』で、1946年の日本国憲法の条文をめぐる討議(再現ドラマ)で、社会党議員の鈴木義男のスピーチは素晴らしかった。説得性がある。理念がある。

彼は、東北大の教授時代、軍事教練に反対して教壇を追われ、弁護士となり治安維持法違反者の弁護した。敗戦後、衆議院議員になると憲法25条の生存権、9条の平和主義、国家賠償請求権や刑事補償請求権の追加に導いた。

これを見た後だから、枝野のスピーチには人権という人類普遍の理念が欠けているのが、とても気になった。