2007-1022-yts480
深山にはあれど耀く紫の
式部のひかり目離れせざるも 悠山人
○短歌写真、詠む。
〇地元民も、ことしの紅葉は遅いと言う。色どりは、あまりない。紫を見ても、参加者は素通りするだけだ。悠山人は、そうはいかない。雨上がりの紫式部は、輝いていた。
¶目離(か)れ=三省版『逆引き辞典』の見出し「みつめる」の、たくさんの候補から「めかれせず(目離)」を選ぶ。
□短写480 みやまには あれどかがやく むらさきの
しきぶのひかり めかれせざるも
【写真】同前。
2007-1021-yts479
晴渡る深山の里も悍しや
こまで来りし起立礼とは 悠山人
○短歌写真、詠む。
〇標高1000mほどの山中で、水源研修会があった。国技館や国立競技場で馴染みの、開会前のあの儀式は、とうとうこんな山奥にまで深く広く侵攻していた。「みいつ」は、余り遠くない。「来りし」は、「渡る」との連音を避けた。
¶悍(おぞま)し=「おぞまし」は、「気が強い。強情だ。」 「おぞし」と読めば、第二義に「恐ろしい。こわい。」(旺文版『古語辞典』) 岩波版『広辞苑』では、語義順が逆転し、さらに「大唐西域記」からの用例がある。
□短写479 はれわたる みやまのさとも おぞましや
こまできたりし きりつれいとは
【写真】晴れ渡った、深山のきのう。
コクリコの人かと見れば月よりと
知られはげしき夏も終りぬ 悠山人
○短歌写真、詠む。
〇電網でいろいろな人と繋がりが出来るが、ブログでこれほどの仏語を操る人には、初めて出会った。しかし、またまたストーカーに悩まされて、しばらく休むと。
¶¶コクリコの人(ひと)=晶子の歌から、「フランス人」。悠山人の歌語。
□短写478 コクリコの ひとかとみれば つきよりと
しられはげしき なつもをはりぬ
【写真】借用するのは、いつの場合も出来るだけ、無条件フリーと宣言する写真である。(この場合は露語版) これも完全自由だが、さらにかなり加工した。
2007-1020-yim413
title : Yakamochi's_LoveSong
yyyy/mm : 2007/04
memo : 私が、『万葉集』になかなか手を出せない理由は、力不足以外に、電脳(PC)・電網(インタネット)の非対応がある。公刊書を依拠本とする、と限定しても、なお万葉は電脳電網から程遠い。ここに例示する家持の恋歌でさえ、非常に手数が掛かっている。しかも不完全である。
『万葉集』17-3970、講談社文庫(現代語訳は四巻目99ペイジ)。
安之比奇能 夜麻左久良婆奈 比等目太尓
妓美等之見氐婆 安礼古非米夜母
あしひきの やまさくらばな ひとめだに
きみとしみてば あれこひめやも
あしひきの 山桜花 ひと目だに
君とし見てば 吾恋ひめやも。
第三句末尾は、依拠本には「人」冠+「小」旁だが、PCにないので、ここは異体字を使う。正字(繁体字)では「爾」。
【写真】ことし春の撮影。いわゆる山桜ではない。
2007-1019-yim412
title : pomegranate
yyyy/mm : 2007/10
memo : 余りに見事な秋石榴に、つい見惚れる。 英語名 pomegranateの 強勢は第一音節。
【写真】先日のホテルNで。
2007-1018-yts477
かくかくに二胡の弾手の大勢に
異国の糸竹ぞ嬉しかるらん 悠山人
○短歌写真、詠む。
〇二胡(erhu 42。にこ)を身近で初めて聴いたのは、もう大分以前のことだ。その時、日中友好がここまで進むことを、想像するのは難しかった。演奏するのは、日本女性(大方は中年。後列に男性が数人)、しかも長くて数年の腕前。
¶大勢(たいぜい)=『逆引き辞典』で、見出し語「大勢(おおぜい)」に載る。『古語辞典』にない。読み方に注意。
¶糸竹(しちく。いとたけ)=「糸」は弦楽系、「竹」は笙笛(しょうてき)系の楽器。(各辞典など)
□短写477 かにかくに にこのひきての たいぜいに
いこくのしちくぞ うれしかるらん
【写真】先日、二胡演奏会で。
title : hedge_in_autumn
yyyy/mm : 2007/10
memo : 図書館前を歩くと、犬黄楊(?)がきれいに手入れされていた。どういうわけか、一本だけ空を目指している。。
【写真】単色(この場合は浅緑一色)の仕上げは、珍しい。先日。
2007-1017-yts476
昨日マヤ今日はインカの花と聞き
ナスカのあやのふしぎ思ほゆ 悠山人
○短歌写真、詠む。
〇段菊(だんぎく)。Caryopteris incana カリュオプテリス・インカナ。Yahoo!UK(Dave's Garden)を引くと、希語由来の花名は "winged nut"referring to the winged fruit の意とか。英名では blue mist spiraeas、あるいは bluebeard とも言うらしい。一説に、別名として、雁(音)草(かりがねそう)。先の連休にナスカ Nasca 展を見、それとは知らない花の友から、立て続けに Maya、Inca の名の入った花を頂き、さらに全く無関係に「雁音」の歌を詠うなど、その不可思議なるを思う。後日、追記予定。
¶¶あや=『古語辞典』では「文」「綾」を別項とし、『広辞苑』ではまとめて一項とする。ここでは、「(ナスカの)精緻な織物」と「(それに繋がる)縁(の不思議さ)」を掛ける。
□短写476 きのふマヤ けふはインカの はなときき
ナスカのあやの ふしぎおもほゆ
【写真】まだ土が着いているものを、黒紙背景で撮影し、PC処理。きのう、頂く。
白き花
時を告げては
秋に咲く 悠山人
○俳句写真、詠む。
○「ほととぎす」は、時鳥、霍公(鳥)、郭公(鳥)、不如帰、子規などと、古来いろいろに表記される。(既出、「ほととぎす」検索だけでも7項目。) ここではその一、「時告鳥」を使う。水耕でも増える。学名Tricyrtis hirta トゥリキュルティス・ヒルタ。学名の羅語を英米語で発音すると、全く別物に感じるので、注意が必要である。この場合は、英米語風には、「トゥライサーティス・ハータ」か。Yahoo!US には、Tricyrtis hirta 'LSS Maya White'-Toadlily とあり、その白さを称えている。他のウェブ(日本語)によれば、英語名は Japanese Toadlily とか。「日本蝦蟇百合」では、余りにも気の毒。時鳥草は、斑入赤紫花が普通で、白花は少ない。
□俳写165 しろきはな ときをつげては あきにさく
【写真】頂き物、きのう。黒背景紙と色域を併用。
title : lumière_en_symmetrie
yyyy/mm : 2007/10
memo : 客の少ないのを幸いに、照明灯の左右均整を狙った。
【写真】ほぼ完全なサンメトリに、仕上げてみた。先日、あるファミレスで。