韓国は、昔、と言っても数十年前までのことであるが、貧しい国であった。
人々は、その日、食べられる物を確保出来たかどうかが、重要な問題である。
朝起きて、貧しいながらも、朝食を摂れる家庭は幸せであった。
人々の朝の挨拶は、お早うございますではなく、、アチムシクサ ハショッソヨ?(朝ごはん
召し上がりましたか?)と言う。現在でも同じだ。
隣人の、生活を慮っての言葉である。
相手は、朝食を摂っていようといまいと、ハイ、いただきました。と答える。
若し、まだ食べていませんと答えると、では、私どもの家へいらっしゃい。一緒に食べまし
ょう。と誘われるからである。
昔の日本の、武士は食はねど高楊枝、と同じである。
韓国南部の慶尚北道の山間部は、厳しい気候と痩せた土地のため、韓国でも特に貧しい
地域であった。
気性も言葉も荒い。
タイトルに挙げた言葉は、この地方の方言による、朝の挨拶である。
朝食を食べたかどうか、相手を思いやる気持ちは、変らないが、直訳すると、
メシくったか?まだ食ってねえよ。こんな意味になる。
朝食前だと返事をされて、尋ねた方はどう答えるかと思えば、シッタネ カソ モゴ。
(食堂へ行って食え。)である。
さて、現在の韓国の代表的な朝食と言えば、テンジャン チゲ(味噌汁)と パプ(ご飯)
である。