夜遅くに、下で、ごそごそやっています。
空巣でも入ったのかなと思って降りてみました。
大きな荷物が置いてあります。
どうやら、空巣では無いようです。
さては、大酒みに愛想をつかして、出て行くのかなと、心配になりました。
家内に、何をしているのだと、尋ねたら、文化祭の小道具の準備をしているとのことでした。
劇で使う、大蕪を作っていたのだそうです。
やれやれ、家出ではなかったと、安心しました。
町内の子供たちを集めて、文化祭を催して劇をやるそうです。
家内たちのグループは、日本昔話をやるそうです。
昔々、あるところに、爺婆が住んでいました。
爺は、畑へ行って、蕪を植えました。
婆は、水遣りをして、一生懸命育てました。
蕪は大きくなって、爺婆は大喜びです。
爺が抜こうとしますが、重くて抜けません。
婆も一緒に抜こうとしましたが、まだ、抜けません。
そこへ、猫がやって来て、手伝いました。
猫の手も借りたい爺婆は大喜びで頼みましたが、それでも抜けません。
また、ネズミがやって来て、手伝ってくれました。
今度は抜けました。
皆大喜びしました。
立場の違う者たちが、皆で力を合わせて、大事なことを成し遂げようとする、大切なお話だそうです。
どこかの国の政治家に、聞かせてやりたいような、おはなしでした。