フランスのライカコピーカメラ、フォカ(FOCA PF2B)
フランスのレンジファインダーカメラ、フォカを紹介します。以前のブログに載せようと、ナイフを研ぐための小さなオイルストーンを探していて、発見しました。
フランスのレンジファインダーカメラ フォカPF2B(通称ツースター)です。さすがフランス、アバンギャルドな、なかなか良いデザインです。
ファインダーの左上に、フィルムの巻上げノブがあります。シャッターダイヤルを兼ねています。
第二次大戦前、小型で機動性がある高性能の35㎜カメラは、ドイツ製のライカとコンタックスがずば抜けていて、このようなカメラは他の国では作れませんでした。戦争が始まり高性能のカメラが必要となったものの、連合国側ではドイツからカメラを輸入できなくなり自国で作らなければならなくなって、特にライカをコピーしたカメラの開発を手がけました。結局、完成したのは、戦争が終わった後です。
ドイツのライカ・バルナックタイプコピー機として、
① アメリカ) カードン
② イギリス) リード
③ フランス) フォカ
が、あります。
カードンとリードは、ライカをデザインも構造もそっくりコピーしましたが、フランスは敵国のカメラをそのままコピーすることを良しとせず、機構はコピーしましたがデザインは変えて作りました。デザインだけでも変えたいと思ったのでしょう。フランスは写真を発明した国でもありましたから、プライドがあったのかもしれません。でも、所詮コピーなのですが。その当時、コピーせざるを得ない位ドイツの工業技術力は秀出ていたということです。
レンズは、OPLAREX f1.9焦点距離5cm です。沈胴式でライカのエルマーと似ていますが、ボディーに取り付けるマウントの径が異なります。ライカマウントL39(39mmネジ込式)に対し35mmです。ライカのエルマーは、焦点距離5cmですが、f3.5と暗いのですが、このOPLAREXは、f1.9と、当時としては画期的に明るいレンズです。
ホコリだらけでしたが、クリーナーで拭いたらきれいになりました。
このカメラも先生からの貰い物ですが、シャッター幕が劣化してボロボロです。
ライカのフォーカルプレーンシャッターはゴム引きの布製で、コピー機もそれを真似て作られました。
横走りのフォーカルプレーンシャッターは、先幕、後幕がそれぞれ軸に巻き込まれる機構になっています。古くなると幕のゴムが劣化して硬くなり、軸に巻き込めなくなってしまいます。
このシャッター幕を交換すれば、フォーカルプレーンシャッターの構造は比較的簡単なので、治ると思います。カメラの材質も、ソ連製のカメラと違って質の良い物が使われています。分解しても、また組み立てなおすことが出来ると思います。
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