天芯(テンプの軸)研磨機
天芯研磨機を手に入れました。旭産業製です。って、全く知りませんでした。調べてみたら昭和17年創業の三菱電機の協力会社で、現在も操業しています。
もう油で汚れ放題でした。ずっと使われていなかったようです。556で油汚れを拭き取って、これでもちょっとはきれいになりました。
三つ割れのチャックに天芯をくわえ込んで、天芯を研磨します。多分・・・。このチャックは回転します。
電動ではありません。サイドにあるクランクレバーを手動で回して、円形のプレートヤスリを回転させます。このとき天芯を挟んだチャックも回転して天芯の軸を研磨します。円盤ヤスリは、二つあります。右の黒い方は荒目、左の白い方は細目です。
最初、レバーが全く動きませんでした。回転部分の軸や歯車のグリスが固まっていたようで、まるでストッパーが掛かっているように全く!ピクリとも動きません。グリスの固まった軸の部分に556を差して、まる一日置いて円盤ヤスリを手で回したら、少しづつ動き出しました。556は揮発性もあって、固まったオイルを溶かす性質があります。油汚れは油で、と同じ性質の溶液で洗浄すると汚れやシミなどを落とすことができます。
腕時計の天芯は非常に細く、地板のホゾに挿入する部分はさらに細くなっています。多分、0.1mm位。時計旋盤では、この先端部をそこまで細くすることはできないのではないか・・・と思います。それを細くするためには旋盤のバイトで削るのではなく、このような研磨機で研磨するのではないかと。プロではないので、想像するしかないのですが。
天芯の先端部は、時計を落下させたりして衝撃を与えるとすぐに折れてしまいます。古い時計では、天芯の替えがないので、時計旋盤とこのような研磨機で作るのではないか・・・と想像されます。素人なので、あくまで想像ですが・・・
時計職人の方には、どのように対処するかは判り切ったことなのでしょうけれど・・・
まあ、そんなことをいろいろ考えながら試してみるのが、おもしろいのです。近頃は、このような専用工具に凝ってます。どのように使うのか・・・を勝手にあれこれ想像してみるのが楽しいです。
なにか、ただの機械おたくのマニアックな報告で失礼しました。
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