BULOVAのゼンマイ交換
BULOVA、古いスモールセコンドです。文字盤塗装の劣化が目立ちます。リュウズを巻くと空回りしています。ゼンマイが切れているようです。
香箱(ゼンマイが収納されている)の受板と載っている歯車を外します。
香箱をあけてゼンマイを取り出します。中心に近い部分が、やはり折れていました。
左の写真、左下に写っているリングに、新しいゼンマイが巻きこまれていました。これを巻き込み器がないので、指で押さえて巻いて押し込みました。オイルを入れて、蓋をします。
これは”WALTHAM”のゼンマイですが、BULOVAのゼンマイ(写真撮るの忘れました)も、こんな感じでリングに巻き込まれていました。ゼンマイがはめ込まれているリングの大きさが香箱の径より大きかったので、リングから外さずに香箱に押し込むことができません。一旦取り出してから再び手で巻き込んで香箱にはめ込みました。ゼンマイの巻き込み器が無いので、大変でした。
ゼンマイをセットして巻いてみると、テンションが上がりません。何かおかしい・・・。もう一度香箱の蓋を開けて見ると、なんとゼンマイを裏表反対にはめ込んでいました。せっかく苦労して押し込んだのに。はめ込みに何度か失敗しているうちに、いつの間にか裏返しになってしまったようです。ゼンマイが裏返しだと、香箱の中心の軸にも、内側外周の縁にも引っかからず巻上げが出来ません。
参った、また最初からやり直しです。
なんとか押し込んでゼンマイを巻くと・・・今度は歯車がすべてグルグル回ってしまいます。脱振機構が効いていないようです。ゼンマイを巻くとガンギ車が止まらずに秒針、分針、時針がグルグル回ってしまいます。
テンプを外し、アンクルとガンギ車も取り出します。
アンクルをよく見ると、右側の石が枠から外れて上に回ってしまっています。これが原因でガンギ車にストップがかからず、全ての歯車がグルグル回ってしまったようですね。
上に回っていた石を、コの字型のアンクルの枠と水平に戻します。石の端には突起が、アンクル枠にはくぼみがあるようで、そこを支点にして石が回ってしまったようです。
石を正常な位置に戻したのですが、何か安定しません。そこで非常に乱暴ですが、接着剤(クリアーボンド)をピンの先にほんの少し着けて石とアンクルの枠を接着します。着け過ぎると周辺に接触してしまうので、ほんの少しだけ注意して着けます。力はほとんどかからないので、少しで大丈夫です。
再びテンプ、香箱を組み上げてゼンマイを巻くと脱振機構は効いているのですが、今度はテンプが上手く振れません。すぐに止まってしまいます。
う~なかなか上手く動いてくれませんね。
ヒゲゼンマイは、ヒゲ持に向かって巻き上がっていく、”巻上げヒゲ”タイプです。このタイプは、ヒゲ持からゼンマイの巻きが天真に向かって下がっていく時に、内側のゼンマイと接触しやすいので、それが原因でテンプが上手く振れないのかもしれません。
もう一度テンプを外してヒゲゼンマイの具合を見なければなりません。しかしヒゲゼンマイの修復は厄介なので、今日はここまでとします。
あ~ぁ疲れた。最近は集中力がなくなって、作業が長続きしません。今、同時に3本を修理しています。一つだけだと飽きてしまうので。あっちやったり、こっち触ったり・・・
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