Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

早期のうちに

2009-03-13 | 想い・雑感
先日病院の会議に出ておりますと、外来患者さんの受診数が最近やや減少しているとのことであった。しかし、一人当たりにかかる費用は少し高くなっているとも言っていた。費用がかかるということはそれだけ、治療や検査が必要な場合が多いということでもあるだろうから、来られる患者さんは本当に具合が悪くなるまで我慢している可能性がある。そこには、最近の不景気も影響しているのかもしれない。

まだ統計を取っているわけではないが、昨年末から外科に来られる患者さんも進行癌の方の割合が多いような気がしている。先日医局で同僚たちと話していても、そう感じている医師が多いようだ。受診抑制がかかっているのではないだろうか。
言い古された言葉だが、早期発見早期治療が何より大切。癌に対する外科治療にしても早期であればあるほど、体に負担のかからない治療を選択できる。当然、支払わなければならない医療費も、早期であるほど安く済むのが道理である。最近は、治療の選択肢がかなり増えているといっても、それは主に早期の癌に対してであって、進行癌になってからだと選択肢は限られてくる。さらに手術ができないほどの癌であれば、抗がん剤による治療が選択肢になってくるが、この薬が随分高い。抗がん剤治療をしていると、病院は製薬会社のために窓口でお金を集めているような気がしてくるほどである。

癌、例えば胃癌の進行度によって、どれほど治療方法に差が出てくるか。治療のつらさに差が出てくるか。その辺のところを、早いほど治療費も少なくなるであろうことも含めて地域に出て行ってお話しするのも必要かもしれない。なかなか時間を作るのが難しいが、それも仕事のような気がしてきた。