Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

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奈良県大和郡山市「山本病院」肝切除事件を聞いて③  --標本--

2010-02-15 | 想い・雑感
 今日も胃癌の手術を行った。早期癌なので、腹腔鏡下手術を行った。外科医が手術を行った後することは、術後の指示(点滴や、痛み止めその他)を出し、手術記録を書き、紹介もとへの手術報告を書き、定期的に患者の全身状態をチェックし、摘出した標本を整理し病理に提出し、などなど。その中の標本整理は、摘出標本を顕微鏡できちっと調べてもらうことにより、癌が何処まで広がっているか、きちっと切除できているかなどの最終結果をチェックするために、非常に大切なことの一つである。
 ところが、山本医師は、摘出した組織をほったらかしだったというから信じられない。そもそも悪性か否かくらいは検査しようという気はなかったのか。逆に悪性と偽って良性の切除不要な病変を取り出したという意識があるのなら、標本を処分するということは考えなかったのか。それに思いが至らなかったことから推察しても、標本を大切にするという、外科医の大切な基本すら学んでこなかったのに違いない。あるいは、出血という現実から逃避することで頭が一杯だったのかもしれないけれど。
 大腸癌などでも、リンパ節転移の有無により、術後の抗がん剤治療の要否が決まるので、病理検査は必須である。外科医は手術をすれば終わり、ではないのだ。
 この事件に関すつことを書くたびに、いやな気分になってしまうが、まだまだ突っ込みどころあり。

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