漢方のアンチエージング処方と呼ばれることもあり、加齢故の不具合に使用することが多い処方です。足腰の痛みやしびれ、夜間頻尿、下肢脱力などを訴える方に使うことが多いです。生薬8種類で構成され、その中の地黄が主ということで八味地黄丸といわれますが、腎気丸とも呼ばれます。漢方で言う腎は生命エネルギーを蓄えている場所というイメージで、成長や泌尿生殖器の機能と結びつきます。高齢となって元気がなくなった状態を腎虚と呼ぶことがありますが、そのような状態に服用すると元気を維持できるという感じでしょうか。漢方薬局に出ている旗にも、よく八味地黄丸と書かれていますね。
地黄、山薬、山茱萸などで腎を補い、沢瀉、茯苓、牡丹皮で水分の代謝と血のめぐりを良くし、桂皮と附子で体を温めてくれます。地黄が胃に堪える方がおられるので、胃弱の場合使いにくいですが、人参湯などと一緒にすれば服用できる場合もあるようです。
保険適応病名は、
疲労、倦怠感著しく、尿利減少または頻数、口渇し、手足に交互に冷感と
熱感のあるものの次の諸症
:腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧
となっています。
《処方語呂合わせ》地黄(じおう)、山薬(さんやく)、山茱萸(さんしゅゆ)、牡丹皮(ぼたんぴ)、沢瀉(たくしゃ)、茯苓(ぶくりょう)、桂皮(けいひ)、附子(ぶし)
◎じいから散々ぼったくり、警部につかまる。
おじ(地黄)いさんから散(山薬)々(山茱萸)ぼっ(牡丹皮)たく(沢瀉)り(茯苓)をはたらいた挙句に、警(桂皮)部(附子)につかまった。