進行胃癌が見つかった60代男性
外来で初めてお会いしたときから
説明を聞いてもあまり動じる風がない
奥様と共に淡々としている
腫瘍マーカーがかなり高値を示していることや
リンパ節がかなり腫れていることなどから
かなり厳しい状況であることまでお話しした
そして術後抗癌剤治療が必要であることもお話しした
すると娘さんのことを話し始められた
2年前に白血病に対する闘病の末に
旅だった娘さん
2回の骨髄移植と厳しい抗癌剤治療に耐え抜いたが
病勢を抑えきることができなかった
治療の苦しみ
死への恐怖
それらに堪え忍ぶ娘の姿を想い出せば
自分が癌と言われたからといって
動揺するのは恥ずかしいし
不思議なくらい気持ちは落ち着いている
なるようになると腹をくくっているとのこと
両親 夫 子供などに残した小さなノートの最後に
それまでのきちっとした字に比べると
少し乱れた字で
「誰も 恨まないで」
と書かれていたという
どのような気持ちで書いたのだろうか
そしてそれは自分自身に それとも家族へ向けて 書かれたのだろうか
割り切れば
娘さんのことと胃癌の治療とは関係ない
実際に治療に当たってはそういうスタンスが必要である
でも医療としては
ご本人の あるいは家族の
様々な思いも感じ取りながら
患者さんと接していく
そのような自分でありたいと思う
外来で初めてお会いしたときから
説明を聞いてもあまり動じる風がない
奥様と共に淡々としている
腫瘍マーカーがかなり高値を示していることや
リンパ節がかなり腫れていることなどから
かなり厳しい状況であることまでお話しした
そして術後抗癌剤治療が必要であることもお話しした
すると娘さんのことを話し始められた
2年前に白血病に対する闘病の末に
旅だった娘さん
2回の骨髄移植と厳しい抗癌剤治療に耐え抜いたが
病勢を抑えきることができなかった
治療の苦しみ
死への恐怖
それらに堪え忍ぶ娘の姿を想い出せば
自分が癌と言われたからといって
動揺するのは恥ずかしいし
不思議なくらい気持ちは落ち着いている
なるようになると腹をくくっているとのこと
両親 夫 子供などに残した小さなノートの最後に
それまでのきちっとした字に比べると
少し乱れた字で
「誰も 恨まないで」
と書かれていたという
どのような気持ちで書いたのだろうか
そしてそれは自分自身に それとも家族へ向けて 書かれたのだろうか
割り切れば
娘さんのことと胃癌の治療とは関係ない
実際に治療に当たってはそういうスタンスが必要である
でも医療としては
ご本人の あるいは家族の
様々な思いも感じ取りながら
患者さんと接していく
そのような自分でありたいと思う