Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

麻痺

2009-12-17 | 想い・雑感

10年ほど前に
肝臓癌の破裂のため緊急入院となり
カテーテルで出血を止めたNさん

その後
手術
動脈塞栓術
全身化学療法
その他の治療を繰り返されてきていた

私が直接関わったのは
最初の手術のときだけなのだが
知人に似ているせいか
親近感がわき
入院のたびに話しかけていた

先日整形外科病棟に行ったとき
その人の名前があった

秋過ぎ位から
急速に癌病巣が増大してきたらしく
ある深夜腰の痛みのため
救急車で来院
入院の準備が整うまで
救急外来で待っていたところ
突然下半身に電気が走り
動かせなくなったという

脊椎転移からの脊髄圧迫と考えられ
整形外科で緊急手術になった
どうも転移巣自体による圧迫ではなく
腫瘍からの出血塊により圧迫されていたようだ
症状出現から5時間ほどで手術が行われたようだが
運動機能の回復は見られない
麻痺回復の期待は難しいとのことらしい

少しためらったが
病室をノックし入っていった
力なく微笑む顔が心に迫る
積極的治療という面で私にできることはなさそう
ただ もしよければ
しばしば病室を訪れよう
家族だけでなく
医療者がそばにいることを
なるべく伝えてあげたい

それにしても
癌とわかり
治療を行い
再発の事実に向かい合い
様々な治療を行ってきた後
癌による生命の危機という大きな問題に加え
下半身の麻痺という肉体的 精神的負担を抱えてしまったNさん

その人にどう接していけばよいのか・・・

脂肪(死亡)吸引

2009-12-16 | 想い・雑感

胴周りにつく脂肪を気にする人が多い
だから美容形成で脂肪吸引という手技に
需要がある

高々皮下脂肪を吸引するだけじゃないか
と思われるかもしれないが
以前からこの手技による死亡症例は報告されている

きちっと修練を受けた医師の下でも
交通事故にあうくらいの頻度で死亡例は出ているといわれる

死亡原因の主なものは
脂肪塞栓
腹壁穿孔
麻酔事故

最近新聞で2例の死亡例が取り上げられていた
2例とも施行後2~3日で亡くなったとのことだから
手技の問題である可能性が高そうな気がする
未熟な医師による
危険な施療であったなら
厳しく糾弾されるべきであろう

ただ
病気で肥満が避けがたいひともいるが
脂肪吸引をしようという人の多くは単に美容目的であろうから
そのために死亡リスクを背負い込むというのも
考え物ですね

80歳

2009-12-15 | 想い・雑感
ジム通いをしている
胃癌術後の80歳女性
いつも背筋を伸ばし
おしゃれな格好で
外来に現れる

一時的に元気がなくなったが
週一回の点滴をはじめて
気分も変わったのか
ここのところ顔色もいい

「先生の顔を見ると元気になる」
などとおだてられ
こちらも元気をいただいている

こんな80歳になれるなら
長生きもいいもんだ

日々の積み重ねなんでしょうかね

実感

2009-12-14 | 想い・雑感
20世紀末くらいから
胃癌による死亡数は減少傾向であるのに対し
大腸癌は増加傾向を示していました

ここ数年
その傾向を実感します

内科や他院から紹介されてくる
消化器癌の方の中では
大腸癌の割合が多くなっているからです

大腸癌も胃癌と同様
早期発見すれば内視鏡による治療で終わります

大腸癌検診で便に血液が混じっていたら
大腸内視鏡検査を受けたほうが良いと思います

手術を受けるのと
内視鏡で治療が終了するのでは
体への負担
金銭的負担
がまったく違いますからね

入院生活

2009-12-13 | 想い・雑感
入院生活も
一つの社会生活

同室になる人
談話室で会話を交わす人
検査待ちのときに知り合った人


職員以外にも
さまざまな人と
関わることになる

プライバシーに関することを聞きたがる人
病院外での地位を語りたがる人
身内に少し地位が高い人がいるとそれで優位に立てると思う人
入院理由を追求したがる人
見舞客がうるさい人


まあ病院外の日常でも似たり寄ったりでしょうが
病を得て入院生活をしている人には
病気というものを抱えているわけで
その上ストレスとなるような関係を持たざるを得なくなったりすると
大変だなぁ

タイヤ交換

2009-12-13 | 想い・雑感
最近バイクのタイヤを交換した
なんでもないようなところでスリップし始めたので
ショップに持っていくとレッドカード
こまめにタイヤはチェックしないとだめですね

タイヤを換えると
乗り心地が全く変わり
スムーズに曲がることができる

バイクのタイヤは4輪と違い
断面が丸い
長く使っていると
タイヤがすり減り
おそらく曲率が変化してしまうのだろう
そしてそれが癖となってしまうのだろう

タイヤに限らず
長年の癖というのは
気づかぬうちに
ついてしまうものだ

お兄さん

2009-12-12 | 想い・雑感
救急外来に向かい
二人の子供が母親の後を付いて行っている

3歳くらいの男の子と
2歳くらいの女の子

こどもたちは小走りについていく

時に女の子が遅れがちになり
廊下の角を曲がるとき
少し迷ったりする

すると男の子はすぐに立ち止まり
「こっち、こっち!」
と手招きをする
常に妹を気にかけている

人は関係性の中で生きるというが
こんなに小さい頃から
お兄さんとして振舞うようになっていることに
あらためて驚かされた

ふと

2009-12-10 | 想い・雑感
皆 毎日を生きている

時に過去を振り返り
また 未来に思いを馳せ
いまを生きている

ふと
これからの時間より
過ぎ去った時間のほうが長いことに気がついたとき

時の重さに
胸が詰まる

チームワーク

2009-12-09 | 想い・雑感
通常の開腹手術は
助手が少し未熟でも
術者自身で術野を展開できるので
ストレスをそれほど感じないが

腹腔鏡下の手術は
助手の視野展開と
カメラワークがスムーズでなければ
かなりのストレスとなる

これまで以上に
チームとしての技量が必要となる

少し時間がかかるが
チームとしての成長が
楽しみという面もある

目の前の手術

2009-12-07 | 想い・雑感
有名人の訃報を聞くと
また一つの時代が過ぎたという印象を持つが
わたしの場合
学会に参加したときにも時の流れを感じる

全国学会に参加してみると
活躍していた教授の姿を
いつしか見なくなり
別の医師が
その分野をリードしている
ああ どんどん時は流れているなぁと
改めて感じる

学会に参加するのも
手術を行うのも
残り時間の方を考えるようになってきた

今 この手術に
心を込めて
いきましょう

インフルエンザ

2009-12-07 | 想い・雑感
当直をしていると
まだまだインフルエンザの方がやってくる
新型が主だと思われるが
いまのところ
重症化例がなくてよかった

でも今の状況では
このまま季節性インフルエンザの流行へと
つながっていきそうな気配

今年は夏以降
ずっとインフルエンザが流行しているようで
いったいいつになったら
収束していくことやら


すずめ

2009-12-05 | 想い・雑感
3~40年前には
身の回りにいつも
すずめが飛び回っていたように思う
しかし
子供達が追い回したりするので
すずめが人のすぐ側まで近づくことは少なかった

品川駅の新幹線ホームで一羽のすずめを見かけた
人のいるベンチのすぐ側までやってくる
その姿に人は微笑みこそすれ
追い立てたりはしない

思いがけぬ
小鳥との出会いを
楽しんでいる

すずめも慣れているようで
逃げない

時代によって
人とすずめとの関係も変わる

学研

2009-12-04 | 想い・雑感
学研のおばさん♪
という宣伝を聞かなくなって久しい
記憶も薄れていたが
科学と学習の2誌が廃刊と聞き
思い出した

小学校では
ほとんど全員が
定期購読していたと思う
毎月付録と共にやってくるその雑誌に
ワクワクしたものだった

需要がなければ廃刊も仕方ないが
今の小学生の
知的好奇心を刺激し
その心を
ワクワクさせてくれるものは
存在しているのだろうか