Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

終止符

2013-06-16 | 想い・雑感
「もう終止符を打ってよ」

あさベッドサイドを訪れると
開口一番の訴えがこれだった

よく聞いてみると
仙骨部にできかけの褥瘡が痛むのが辛いとのこと

体のきつさに加えて
この痛みが気弱にさせているようだ

徐々に枯れ
肉が落ちてきた臀部は
骨を覆っているのが皮膚のみ
といってもよい状態

看護師さんが
頻回に体位変換をしてくれるが
皮膚がわずかに赤みを帯びている

薄い保護シールから
厚みのある保護シールに変更したところ
少し楽になったとのこと

これでも辛いようなら
夜は眠れるお薬を使用することを約束した

そして翌朝薬を止め目を覚ましてもらい
もう一度相談して
眠ったままにすることを希望するなら
ご本人の意思を尊重することも約束した

ただ実際に終止符を打つのは
医師の役目ではなく
その時を待つしかないことをお伝えした

うまい水

2013-06-14 | 想い・雑感
わずかな水を口に含ませてもらい
ゆっくりと飲み込む

「これが
最高にうまい」

とゆるやかに微笑むTさん

あと一月半で誕生日を迎えるので
その日までなんとか頑張りたいと思っているとのことだが
ちょっとそれは難しいかも知れない

すっかり小さくなった体をベッドの上に横たえて
過ぎ去った人生の一こま一こまを
思い出されているようだ

ぽつりぽつりと思い出話し


カポタスト

2013-06-14 | 想い・雑感


ギターの変調を行なうとき
カポタストを使用する
これで開放弦の基準音を変えちゃうわけですね

これまで3種類ほど使用した経験がありますが
子供が教えてくれたこのカポタスト
楽に使用できる優れもの

値がはるので
楽器店でしばらく迷ったが
一生ものだ(あとどれくらい残っているか分からぬが)
と自分を納得させて購入

気に入っています

2013-06-12 | 想い・雑感


朝の自転車通勤中
川に目を向けると
白鷺が朝日に向かって胸を張り翼を広げている

陽光に身を晒し
温め 乾かしているのだろうか

その前で
子連れのカモが
岩の上で休んでいる

みな 鷺の方を向いているようにも見える
何しているんだろう?
と不思議がっているのかもしれない

初春の頃は
番のかもを見かけるだけだったが
無事卵から帰った子鴨たち
generationのバトンタッチも間近

背中

2013-06-11 | 想い・雑感
右膝が少し外に曲がり
背中は地面に水平となるほど屈し
杖をつきながら
トボトボと病院をあとにしていく老女

息子が自分より先に旅立つ可能性が高いことを知った彼女
その背中は小さく頼りない

我が子を背負ったであろうその背中は
とても寂しげ

子供にとっては
どこよりも広く 
安心できた場所だったはずなのに

予後規定因子

2013-06-11 | 想い・雑感
予後
という言葉は分かりにくいかもしれませんが
癌治療の現場では
生命予後
端的に言えばあとどれくらい生きられるか
ということをさす言葉になります

予後半年
といえば
統計的には半年くらいで生命の危機がやってくる
というふうに予測していることになります

予後規定因子
というのはその予後を最も規定する要因をさします
例えば末期の肝硬変の方に早期胃癌が見つかったとしたら
予後規定因子は肝硬変ということになりますから
いくら胃癌が見つかっても
治療対象とならない場合が多くなります

原発性胆汁性肝硬変という難病指定されている病気があります
その病気がかなり進行した状態のKさんに
早期胃癌が見つかりました
その胃癌がKさんの命に関わってくるようになるのには
数年の猶予があると思われますが
一方原発性胆汁性肝硬変のほうの予後は予測式上は2年弱で
生存率50%
う~ん
どちらが予後規定因子かは
神のみぞ知る・・・

一般的にはとても手術をお勧めできる状況ではないが
数年後に胃癌が死に直結したとなる可能性も
ゼロではない・・・

Na(ナトリウム)量

2013-06-10 | 想い・雑感
コンビニ弁当や冷凍食品などの表記を見てみると
総カロリーや糖分の量などの記載と共に
Na量の記載を見かけることがある

これを見て
おそらく多くの人は
Na量イコール塩分量と思ってしまうのではないだろうか

塩分量はいわゆる塩(NaCl)の量なので
本当はNa量として書かれているものを2.5倍強したものが
その食品に含まれている塩分ということになる

日本人の平均的塩分摂取量は10~12g
厚労省のお勧め摂取量は7g程度

もしお弁当の記載がNa量4gとあったら
実はそれだけで10g強の塩分が含まれていることになるので
高血圧治療中の方などはご用心

Na量表記というのは
塩分控えめと
消費者が勘違いするのを狙っている
なんて穿った考え方をするのは失礼でしょうが
あっさり塩分量を記載してくれればいいのにね

ダニ

2013-06-09 | 想い・雑感
戦時中はダニをみることなど
日常茶飯事だった
と聞いたことがあるが
私は初めて見た

草刈りをしていて
チクッとしたらしい

見ると数ミリの俵形の虫体が
しつかりと食いついている

そっと虫体を引き上げ
口先を摂子でつかみ
引き離した

袋に入れた虫は
脚を動かしている
生きている!!
膨れてはいないので
吸血はしていないようだ

袋に入れた虫を持って
皮膚科等を受診するよう指示した


昔話

2013-06-08 | 想い・雑感
ご高齢で元気な方が
確かに増えてきた

ほんの20~30年前なら
65歳とか70歳になっていれば
手術をするかどうか迷ったものだが
今ではよほどの合併症がない限り
必要な手術は行うようになってきた

80歳でも手術を行うことは
すでに珍しいことではない
術後譫妄(せんもう)の頻度は高いとしても
しっかり歩いて退院され
元の生活に戻っていく人も少なくない

そんな方は話し好き
その人の様々な経験を語ってくれる

その方たちの話を聞きながら
両親の話をたくさん聞いておかなかったことが
悔やまれる
どんな経験をして
どんなふうに感じながら
生きたんだろう

バランス

2013-06-07 | 想い・雑感
年齢と共に
身体能力は落ちていく
平衡感覚も落ちていく
ちょっとしたことでバランスを失い
転倒や転落をしてしまうこともある

患者さんを診るために
他の病棟を訪れた際
入院患者さんの名前プレートをみると
胃全摘をして5年以上経過した
80代男性が入院されている

どうしたのかと病室を訪れてみると
「いやぁー、失敗、失敗。
元気なところを見せようと
何年か振りで自転車に乗ったところ
こけてしまってこのざまです」

前腕を骨折してしまっていた

手術を受け 
固定をされ
無事退院されていったが
大丈夫と思っていても
体がついてこなかったのでしょうね

わたしも
バイクの止め時を
間違わないようにしないとね

三重複癌

2013-06-06 | 想い・雑感
高齢になるほど
遺伝子の異常が蓄積され
発癌の危険性が高くなっていく

大腸癌の手術
それに
肺がんの手術
を受けた89歳の患者さん
一応それらの癌は取り除かれたので
残る胃癌も取って欲しいとのこと

病室に行けば
ニコニコしながら立ち上がり
しっかりお話をされる

そのエネルギーに感服

無事腹腔鏡下に手術終了

サッカー応援飲み会

2013-06-05 | 想い・雑感
サッカー好きというわけでもないのだが
同僚に誘われ
アイリッシュパブの大型モニターで
日本代表のサッカー観戦をしつつ
ビールを飲んだ

3種類のビールを試したが
それぞれに味と風味が異なり美味しかった
日本の一般的ビールに大きな違いが無くなっているのに比べ
個性があった

サッカーを家で見るときは
常にテレビの前にいるわけでもなく
ちらちら見ながら
他のことをしている
というふうになってしまうのだが
そう言う状況ではなく
しっかり見続けた

こういう楽しみ方もいいな
と思ったけれど
やはり飲む時は
会話をしながらの方が楽しいかな


邪見

2013-06-04 | 想い・雑感
縁を切る
という言葉を使う人がいます

でも人間が意識の上で
縁を切ったと思っても
全てはつながりの中で存在しているわけですから
その繋がりを実際に切ってしまうことはできないと思います

いろいろな繋がりに気づかなかったり
否定したりする考えを邪見というそうです

奥さんが亡くなった30年ほど前に子供達と親子の縁は切った
と言われるNさん
理由はおっしゃらない

娘には連絡無用とのこと
しかし娘さんの連絡先をみつけ師長さんに連絡をとってもらった
だが娘さんの方も
既に縁を切っており
いろいろ事情もあり困るとのことだった

ところが少しして
病院に突然会いに来られたようだ
次には弟さんも一緒に

頑なだったNさんも
ほっとした穏やかな顔つきになった

縁なんて切れないよね
もし会わないままになっていたら
きっと後悔しただろうね

2013-06-01 | 想い・雑感
大きな声
険のある声
などを聞かされると
あまり気持ちがよくない

反対に
人に対して
荒い口調で話せば
相手にいやな思いをさせていることになる

ただ
この時注意が必要なのは
自分が発した声は
自分にも聞こえているということ

自分のキツイ声が
自分自身の心も傷つけているということ

ゆっくり
穏やかな口調を
心がけたいものだ