恩師のご著書「講演集」より
講演集、 二
東京・沖縄の旅にこと寄せて――幸せになる為には
先の続き・・・
出すのを異様に惜しがる人がありますね。
あれは出せば、一旦自分の前から消えますから損したと思うのが並みの人間、
普通の我々凡夫の思いです。
確かに現実には消えるのです。
ところが、真理は出せば入るようになっています。
どんどん出させてもらうと又、
どんどんと入るようになっているこの真理を知らないから、人はケチケチします。
「出すのは嫌、舌を出すのももったいない。
貰うのだったら、人の葬式でも貰ってこようか」という人があります。
現実にあるのですよ。
大阪のK市で二十歳過ぎのちょっと精神薄弱の方がおられました。
この両親が亡くなって、親がこの本人に大きい保険を掛けていたのですが、
立派な親戚がありながらこの子の世話をするという人が一人もないのです。
仕方がないので、大阪の平野にある施設に入れたそうです。
ところが、この子が交通事故でポコッと死んでしまうと、
親戚中が「うちに呉れ」「うちに呉れ」と言って、その死体の奪い合いをしたというのです。
親戚中が「うちで葬式を出させてくれ」と言うので、
町会長さんが「何と不思議なことがあるものだ、なぜこんなことを言うのだろうか」と思ったら、
その子に大きい保険が掛かっていたのですね。