何十年ぶりで読んだろうか?大河ドラマはたしか見ていたのだ。子供だったので吉永小百合はもうおばさんと思ったことだ(失礼!)平幹二朗はかっこよかった。小説はその頃ではなく山本周五郎にハマってから読んだ気がする。そのときどう思ったかあんまりおぼえていないのだ。そのときには原田甲斐に「すごく共感」はしなかったと思う。今もあまり共感できない。まあ時代が(伊達騒動の江戸時代とも、小説の書かれた昭和とも)違うとは思う。でも、たいてい山本周五郎の価値観には共感するのだが、これは違和感の方が大きかった。宇乃と接する原田甲斐の描き方が、昔はロリコンだよなあと思ったのだが、今回読んでみて、いやそうじゃない、年齢は離れているが、これはおとなの女を子供の時から描いているだけではないかと思って、それはあらたな発見だった。
小説としてはとても完成度の高い、すばらしいものだと思う。山本周五郎は良い。
小説としてはとても完成度の高い、すばらしいものだと思う。山本周五郎は良い。