YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

麋角解(さわしかつのおる)

2024-12-26 07:10:00 | 七十二候
12月26日〜30日(2024年)
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☀️横浜の日の出は6:49頃
🌙横浜の日の入りは16:36頃

今日の暦はこちら→国立天文台暦計算室
最新の星空情報はこちら→国立天文台(NAOJ)

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冬至次候「麋角解

今年も残りわずかになりました。
七十二候は麋角解(さわしかのつのおる)。

驚くことに、あんなに大きな鹿の角ですが、毎年秋に落ちて、生え変わるんだそうです。


生えてきたばかりの袋角@北海道博物館

生え始めた角は、「袋角」と呼ばれ、外側は毛の生えた皮膚なんだそうです。もちろんその下には血管も通っていますが、角がしっかり成長すると、血は止まり、皮膚は死んで乾燥するそうです。で、その部分を自分で木に擦り付けて剥がすと、中から見慣れた骨質の角が出てきます!!



上の写真でわたしが持っているのは片方が本物で、片方が作り物。薄い樹脂かシートでできているそうです。そっくりすぎて、どちらが本物だったか忘れてしまいました( ̄▽ ̄;)

わたしの後ろにいらっしゃる鹿男様が製作者。
プロの造形家はすごい!!!
詳しくはこちらの記事

そして、こちらは紛うことなき本物↓



学生時代の友人のお家の玄関に飾られた鹿の頭骨。この美品は彼女自身で作成したというから、これまた驚き。彼女は狩猟の資格を保有する狩猟女子なのです!!

お宅訪問させていただいた際、手作りの鹿角の指輪をプレゼントしてもらっちゃいました。自分で磨いたヤクジカのネックレスとペアで愛用してます



ところで、麋角っていうのは、どうやらトナカイとかヘラジカのことを言うらしいです。



え?ヘラジカが日本にいたのって、更新世とか、そんな時代じゃなかったかしら?

トナカイは、アイヌ語らしいけれど、昔は日本にいたのでしょうか?

ずいぶん前に前に網走の北方民族博物館の前で、繋がれたトナカイを見たことはありますが…(笑)



いずれにしても、こんな立派な角を毎年作っちゃうシカって生き物はなんで不思議なんだろう。

草を食べてるのに…

というわけで、季節は「麋角解(さわしかつのおる)」。クリスマスも終わり、早く年神様をお迎えする準備をせねば!!!






【季節の木の実】センダン



【季節の動物】冬こそムササビ


ムササビの繁殖期は年5回。6月と12月なんです。こちらの記事は元祖YNWCメンバーで、2014年に訪れた津久井湖城山公園でのムササビ観察会の記録。

大興奮の様子をぜひご覧ください!!

今日もいい日になりますように♪


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鱖魚群(大雪末候)

2024-12-16 06:00:00 | 七十二候
12月16日〜20日(2024年)
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☀️横浜の日の出は6:40〜45頃
🌙横浜の日の入りは16:30頃(1年で最も早い!)
⭐️ふたご座流星群が見られる頃

今日の暦はこちら→国立天文台暦計算室
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大雪次候「鱖魚群

鱖魚(ケツギョ)は中国にいるサケ科の魚。日本に七十二候が持ち込まれたときに、よく似たサケが当てはめられ「さけのうおむらがる」と読み替えられることもしばしば。

しかし、日本でサケの遡上と言えば11〜12月頃で、時期的に少しずれている気がします

冒頭の写真は2002年、10月26日に福島県の木戸川で撮影したもの。



当時横浜には「サケっ子プロジェクト」というのがあり、ここで獲ったサケを横浜に運び、人工授精の様子を見学したり、受精卵を持ち帰って育てたり、稚魚を放流したりという活動をしていました。





学校にも呼びかけられていたことから、小学校の廊下でサケを飼育する風景が見られたものなのですが、残念なことに東日本大震災を機にこの活動は無くなった…の、かな???
↑スミマセン。詳しい経緯は定かでないのですが、とにかく今はやっていないようです

サケが孵化して水槽の底を移動する様子が本当に可愛くて、それが見られないことが残念でなりません。「イクラが泳いでる〜」なんて声があちらこちらから聞こえてきたり…



横浜の人間にとっては子どもだけでなく大人だって、滅多に見られない風景でした。

運がいいと殻を破って孵化する瞬間を見ることもできたんですよね♪




ひよこと違って、殻を破るというよりは酵素で溶かすんだそうです。

サケの受精卵は水温が上がりすぎると死んでしまうので、気温の高い日は氷を入れたり、緊急避難で冷蔵庫に入れたり…

かと言って水温が低すぎるとなかなか孵化できず、成長が遅れてしまいます。多くの生物の卵は、孵化するまでの積算温度(毎日の平均気温の合計)が決まっています



サケの場合、この積算温度がおよそ240℃になると卵に眼ができ(発眼)、480℃になると孵化すると言われています

例えば10℃で管理していれば、48日で孵化すると計算できます。

そんなことを知ったのも「サケっ子プロジェクト」のおかげでした。

こちらに紹介動画がありますので、よろしければ
→第17回サケ受精卵配布会2009

また、サケといえば本場(?)北海道には「サケのふるさと館」という水族館があります。



サケの仲間が一堂に会す大水槽や、千歳川の川底を覗くことができる水中窓は必見!

詳しくはこちらの記事を
そんな鱖魚群。あたりの風景はすっかり枯れ葉色。







こんな風景もいいものですね。




【季節のオススメ絵本】しもばしら


こちらの絵本の中には、冷凍庫で霜柱を作る方法が載っています





ぜひ、お試しください


【季節の植物】センリョウ・マンリョウ



その後「ヤブコウジ(十両)」は追加しましたが、未だ「アリドオシ」は購入しておらず、金持ちへの道はまだ遠いようです。

このところ赤い実を鳥に食べられてしまうため、ついにネットをかけました。
→赤い実を守れ〜防鳥ネットを登場〜

いよいよ今年も残り2週間ほど。

健康第一で、新年を迎えましょう



今日もいい日になりますように♪


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熊蟄穴(大雪次候)

2024-12-12 20:20:00 | 七十二候
12月11日〜15日(2024年)
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☀️横浜の日の出は6:40〜45頃
🌙横浜の日の入りは16:30頃(1年で最も早い!)
⭐️ふたご座流星群が見られる頃

今日の暦はこちら→国立天文台暦計算室
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大雪次候「熊蟄穴」

厳しい冬を乗り越えるため、動物たちが穴にこもる頃。クマだけでなく、リスやヤマネなどの姿も地上から消えます。


ヤマネのぬいぐるみ@清里やまねミュージアム

と言っても、横浜で野生の哺乳類を見かける機会は、あまりないんですけどね。せいぜいネズミとか、たまーに丹沢方面からサルがやって来てにニュースになるとか…?


2011@アラスカ

さてさて、冬籠前のクマは栄養を蓄えることに必死。冬眠前のグリズリーが、一心不乱にツンドラを覆うベリーの実を食べているのを見たことがあります。それはそれは真剣に食べていました。

実際には今頃はすでに冬眠している頃ですけどね。

最近は国内でも至る所でクマの目撃情報があり、どうしたものか…。
神奈川なら丹沢周辺、東京奈良奥多摩周辺なんかはかなり頻繁にクマが出ているようです。八王子の市街地でも目撃されているようでびっくり。


クマとダンス@山の鼻ビジターセンター

わたしも尾瀬ヶ原で実際クマに遭遇したことがあります。木道の7〜8m先。ゴソゴソしていたツキノワグマ。わたしに気付いて茂みに逃げて行きました。

人と野生動物の適度な距離感が掴めなくなってきていることは大きな問題です。写真家の故星野道夫さんは、こんな言葉を残されています。

"もし、クマが存在しないのなら、ぼくはこの土地に来ないだろう。例えそれが点のように離れていても、一頭のクマは、その広大な原野の光景を引き締める。そして、この土地が自分ではなく、このクマに属していることを知る"

彼らが私たちの住む街へ降りて来たというより、やはり我々人間が彼らのテリトリーに立ち入り、その生活を脅かしていることが問題なのかもしれません。



最後に、ごくごく個人的なことではありますが、、12月12日は南極記念日。2013年のこの日、アルゼンチンのウシュアイアから船に乗り込み、南極へと旅立った日です。

もうすっかり昔の話になりましたが、あの時感じた気持ちはこれからも大切にしたいと思っています。

…というわけで、12月も中旬。
年内にやり忘れたこと、まだまだいっぱいありますね。一つでも多く片付けて、新しいスタートを切りたいものです。まずは大掃除!!




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紅花の季節というけれど…

2022-05-26 21:10:00 | 七十二候




季節は小満次候「紅花栄(べにばなさかう)」

とはいうものの写真の紅花は7月中旬に咲いたもの。各地の名所を調べても5月に咲いているところは見当たりません。

今頃はこんな感じ



ネットで見かけたあるブログ主さんは「紅花」は「サツキ」のことなんじゃないかと仮説を立てていらっしゃいました!!



たしかに今が見頃の赤い花にはぴったり?

街路の植え込みなんかで華やかに咲き誇っています。

ただあくまで個人の仮説のようで、その辺りの文献は見つけられませんでした。、


ベニバナとブチヒゲカメムシ

さて、本家(?)の紅花ですが、上の写真を見ると下の方から花弁の色が変化してきているのがお分かりでしょうか?

紅花って、オレンジのイメージがあったのですが、実は開花後時間が経つにつれ、鮮やかな赤に変わってくるのです。



紅色は、紅花の濃染による鮮やかな赤を指す言葉。納得です。

紅花の黄色は水によく溶ける水溶性の色素。その色素が抜け切った後に出てくるのが、紅色。


黄色い色素を溶かしだした後の花弁のかたまり(手に乗っているもの)

紅花染めはこれをお餅のように丸めて発酵させた「紅餅」を使うそうです。

興味あるのですが、まずは花を手に入れないと…(^^;;



そんなわけで種子をいただいたことがきっかけで育てたものの、次々に枯れてしまい、最終的に手にできた花は6厘。それが前出の写真です(笑)

いつか試したみたいなぁ。



京の町屋の博物展に飾られていた紅花染めの着物。今ではこれを再現できる技術がないのだとか…。

そして、正真正銘紅花から作られた「紅」。



完全に乾くと緑がかった光沢を帯びるらしいです。それを濡らした筆で伸ばして使ったんだそうです。

雅〜。

というわけで、まだ紅花は季節ではないのですが、七十二候的には「紅花栄」。ややこしや〜。



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カイコの季節!クワの実熟す!!

2022-05-21 06:00:00 | 七十二候



今日から季節は「小満」。初候は「蚕起食桑(かいこおこってくわをくらう)」。

クワの実も熟す頃です。

日本では野山で木からもいで食べるイメージですが、コロナ前にタイに遊びに行った時、市場に並んでいて驚きました。



赤と黒の実が入っていて、見た目に美味しそうですが、黒く熟したものの方が甘味がありますよね。

ジュースも売っていました。



英語ではマルベリー。
ジャムなんかにもするようです。

 

クワと混同しやすいのが、コウゾ。和紙の原料になる植物。葉が似ているうえ、どちらもの葉も変形が多く、慣れていないと見分けが難しいかもしれません

コウゾの方が丸に近い実をつけますが、これも個体差があります。味はクワと同じように甘いです。

さらにヒメコウゾという植物があり、こちらもよく似ています。ところが実は味こそ一緒ですが、かなり粘つき、毛のようなものがたくさん口に残るので後味が悪いです(^^;;

口に入れるなら、俵型をしたクワの実が安心。


ただ、クワの実を狙っているのは人間だけでないから要注意。特に手強いのは、チャバネアオカメムシやクサギカメムシなどのカメムシ。

もちろんカイコもクワを食べますが、カイコは野生には存在しません。原種はクワコ↓



そのクワコを長い年月をかけ、改良に改良を重ねたのがカイコです。カイコは蛾でありながら、もはや飛ぶことができません。そもそも繭を作った時点で茹でられ、身包み剥がされてしまうわけで…。

今では養蚕業がほぼ廃れてしまったためルールが変わりましたが、昔は成虫を野外へ逃すことも禁止されていました。完全に人間のために管理された家畜。莫大な財をもたらす金の卵。おカイコ様。、

ちなみに養蚕農家では、カイコの卵を「タネ」、「蚕種(さんしゅ)」と呼んだそうです。



それが孵化するのがちょうどこの頃。養蚕シーズンのスタートです。

新鮮なクワの葉を朝も夜も食べ続け1ヶ月くらいかけて繭を作ります。



新幹線のような終齢幼虫ともなると、ものすごい勢いでいで葉を食べるので、農家の人々はまとまった睡眠時間が取れなかったそうです。

カイコが生み出す絹糸は高値で売れたため、そこまでして育てる価値があったのでしょうね。

今では日本の養蚕は衰退してしまいましたが、世界的にはいまだに成長が止まらない産業です。

以前、手違いで300近いカイコを育てることになりましたが、それはそれは大変でした。養蚕農家では5万頭育てて初めて1人前と認められたそうなので、気が遠くなりそうです。

蚕起食桑。

農家の人々にとって、それは決戦の幕開けだったのかも!!



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