YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

小山田の大賀ハス

2016-07-31 06:43:07 | お出かけ情報


町田市、小山田神周辺の蓮田。このハスは「大賀ハス」と呼ばれる、古代蓮の一種。

昭和26年に東京大学のハス博士、故大賀一郎先生が千葉県検見川で見つけた、縄文時代から眠っていた3粒のハスの種子。そのうち、たった一粒だけが開花に成功。そのハスは、博士の名前をとり、大賀(おおが)ハスと名付けられました。縄文時代って言ったら、2000年以上も昔の話。そんなに長い間眠っていた種子が目を覚ますなんて、なんともロマンチックな話。

ちなみにハスの種子は長く休眠する性質があるのか、ほかにもそうして現代に花開いた種があり。それらを総称して「古代ハス」と呼ぶようです。



ハスの花の色がたくさんあるということが最初に記録されているのは仏教の経典なんだとか…。

ハスの花といえば、この柔らかな色合いと、華やかさ。極楽浄土というイメージにぴったりくる仏教との関わりを想起させる花です。

先週訪れた上野公園よりずっと近くで観察できるので、今回は花をじっくりと観察♪



ハスの花の寿命はだいたい3日くらいのようです。午前中に開いた花は午後には閉じ、また翌朝開きます。

何日目の花かなぁ…?







よく見ていると、ハチがブンブンと飛び回っているとそうでない花があるようです。



飛び回っている花をよく見てみると…。
どうやら雌しべの柱頭から蜜が出ているようです。



触ってみると、ちょっとベタベタします。
雄しべはというと、まだ葯は開いていない様子。



でもよく見るの、ハチたちは雌しべだけでなく、雄しべの茂みももぞもぞと探索しています。そして足には大きな花粉団子。





よくよく観察すると葯だと思った白い部分はどうやら飾りのようで、花粉はその下の黄色い部分から出ていました。



調べたところ、この白い部分がハスの花の香りの元らしいです。へえー。

ちなみに雄しべはと雌しべに比べてずっと短いため、自家受粉はできず、香りと蜜でで昆虫を誘う虫媒花。

どうやら蜂が飛び回っている花が今日咲いた花のようで、3日目くらいになると、あとは散るだけと言った感じ…

雌しべの柱頭は受粉後は鮮やかさを失い、花托に包まれた子房が熟して黒い種子になっていきます。



↓↓↓↓↓



それにしても、本当に美しい〜
今回は、ここを紹介してくださった大先輩に案内していただきながらの観察だったので、とにかく発見が多く、楽しい散策でした!!

一人だったら、この開き立ての花も気づかず通り過ぎるところでした






ちなみに小山田神社周辺のハスは作業所で加工され販売されているとのこと。
ハスの茎を煮て皮をとり、取り出した繊維で作った糸のことを「茄糸(かし)」というそうです。昔はハスの茎を「茄」と言っていたことが語源だとか。

で、この大賀ハスの茄糸を横糸に、麻糸を縦糸にしてコースターを織っているそうです。茄糸づくりには大量のハスの茎を必要とするため超高級品。その他にもハスの実を使ったお菓子やハスの実味噌などもあるそうです。

アクセスや加工品については、町田市観光ガイドをご参照ください。
こちら




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朝活!小山田の蓮田巡り

2016-07-30 11:03:25 | お出かけ情報
こんにちは。
更新が遅くなりました。
今朝は早朝から小山田のハス田と谷戸を散策してきました。充実の4時間コース♪

詳細は後日紹介させていただきます。
皆様、良い休日を♪











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宝石のような羽*蝶を呼ぶ花々

2016-07-29 06:26:20 | 三ッ池公園の自然情報


梅雨明けでーす!!
朝から空がまぶしい
♪───O(≧∇≦)O────♪

さて、先週末、三ッ池公園でアオスジアゲハに遭遇。別に珍しいことでもありませんが、この日はわりと綺麗に撮影することに成功♪



というのも、アオスジアゲハはひらひらとけせわしなくとびまわり、すぐに移動してしまうからなのです。しかしながらこの日は、連写するカメラの中にうまいこと写りんでくれました。







このメタリックなコバルトブルーの美しさには、ほんと見とれてしまいます!!

実はアオスジアゲハの羽はもともとが薄い青緑色をしているそうです。そして、宝石のように輝く青色の部分には鱗粉がなく、光が透けて見えるのです。それで、この輝きなんですね!



詳しくは去年の記事を参考に
アオスジアゲハの羽の秘密

ちなみにこの日、アオスジアゲハの撮影に成功した理由。それは、この場所に蝶の大好きな蜜がたくさんあったために、いつもならすぐに飛び去るアオスジ様が、同じあたりをぐるぐる回っていたからなのです。



その蜜を出していたのはこちらのヤブカラシ。夏に繁茂する蔓植物です。池に沿って植えられたツツジの群落は、今や蔓植物の王国。



ヤブカラシだけでなくヤマノイモやオニドコロなどで覆われています。

その中でも、ヤブカラシが出す蜜の量は見るからにすごい!!



小さな花からこぼれ落ちんばかりに溢れ出していました。アオスジくんは、ひらひら舞ってはこの蜜を楽しんでいるようでした。

そして、こちらのアベリアの花にやってきたのはカラスアゲハ?








こちらは2頭でひらひらと舞っていましたカメラを向けても一定の距離を保ちながら逃げることはなかったので、ここも蜜が多く、お気に入りの餌場なんだろうなと…。

ヤブカラシもアベリアも小さな花ですが、その分たくさんの花をつけます。その結果、蝶たちはその蜜を集めるためせわしなく動き回り、その都度花粉を運んでくれるというシステムなんだと思います。

小さな花をたくさんつけるというのも、植物の戦略の一つなんだと感心させられます。



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アサガオ開花しました!

2016-07-28 07:49:14 | ガーデニング


ついに、ついに、我が家のグリーンカーテンに花が咲きました!!
もう咲かないのかと半ば諦めていたのですが、いちばん咲きの2輪です。

ただ、カーテンの上の方にちんまり咲いたので、気づく人はそうはいないんじゃないかと…(笑)



そして、今年もオンブバッタくん登場。カマキリ君にはまだ会えていないのが気になります。

水撒きしたら飛び出してきたので、写真はこれだけ(笑)



真ん中にいます!


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蝶と蜂とキャベツの話

2016-07-27 06:40:48 | 身近な自然情報
※今日の記事は虫嫌いな方でなくても、うわっと思う写真があるかもしれません。しかも長文ですが、最後まで読んでくださると嬉しいです。この興奮と感動が伝わりますように!

こま2022年に加筆しました
モンシロチョウと蜂とキャベツの話(2022年)



3週間ほど前に開設された「むしむし研究所」。卵だったモンシロチョウは今や蛹になりました。



しかしながら小さな研究員達は夏季休暇に入ってしまい、せっかくの研究も、風前の灯。もっぱら所長(?)であるわたし一人が楽しんでいます。

さて、当研究所では、小さな研究員たちが見つけてきたモンシロチョウの卵や幼虫を飼育しています。そんななか、三連休の真ん中に驚きの出来事が起こりました∑(゚Д゚)

アオムシだけが入っていたはずのケースに、謎の卵が!!!



否、繭でした。恥ずかしながら、実物を見たのが初めてで、最初は卵かと思ってしまいました。
アオムシは幼虫ですから卵は産みませんよね。では、この繭は誰が作ったのか?

実はこのたくさんの繭はアオムシに寄生していたアオムシサムライコマユバチの繭だったのです。

この繭の住人たちは、卵のときにアオムシの体の中に産み付けられ、アオムシの体液を吸いながら成長。蛹になるために、アオムシの中から這い出してきたんです∑(゚Д゚)

体液を吸われ続け、体に小さな穴を無数にあけられアオムシさん。この時点では辛うじてご存命でしたが、そんな体で成長が続けられるわけもなく、この2日目の朝には動かなくなりました。



亡骸を掲載するのは、どうかなとためらいつつ、ここは記録として残しておきます。

アオムシサムライコマユバチについて、wikipediaにはこんな風に説明されています。

アオムシサムライコマユバチは、モンシロチョウの幼虫の体内に約80個の卵を産卵する。産卵後約14日で、アオムシサムライコマユバチの幼虫は寄主の体を食い破り、繭を作って蛹化する。蛹化後約7日で成虫が羽化する。


なんとも、身の毛のよだつお話。80匹らしいですよ。しかも生き残りをかけた寄生蜂の戦略はこれだけにとどまらないのです。説明はこう続きます。

メス蜂が産卵する時に、寄主制御物質としてvenom(毒液)、polydnavirus(ポリドナウイルス)、卵巣タンパク質を卵と共に寄主に注入する。モンシロチョウの幼虫∑(゚Д゚)は、免疫系として、フェノールオキシダーゼによる液性免疫と血球による細胞性免疫を有しているが、これらは、寄主制御物質により抑制される。このため、寄生蜂の卵及び孵化した幼虫は、異物と認識される事がなく、寄主体内で生育が可能と
なっている。


なんかもうよく分からないんですが、ただ産むだけでなく、毒まで注入しちゃうんですね。

これってサムライっていうイメージじゃないと思うのは私だけ?
そして、成虫は一見するとハチというよりも羽アリのようです。その体長は、わずか3mm。



君たち、相当エグい生き方をしてるよね。

…と、ここまでは気持ち悪さが先行していた今回の観察。しかしながらここで知った新たな事実が、生き物の不思議、生命の神秘を感じさせてくれました。ここからが今日の記事の本筋と言えます!!!

そもそもアオムシサムライコマユバチがどうやってモンシロチョウの幼虫を見つけるかという話なんですが…。

なんと、なんと、なーんと∑(゚Д゚)
アオムシに食べられて瀕死のキャベツ君が、「誰か、た〜すけ〜て〜!!」というSOSを出すんだそうです。

その危険信号は「カイロモン」と呼ばれる揮発性の化学物質。つまりは匂い?
そして、その匂いに引き寄せられて、やってくるのがアオムシの天敵であるサムライ君なのです。キャベツにとってみれば、敵をやっつけてくれる救世主!!

実は自然界では半数近くのアオムシが、寄生蜂の仲間に寄生されて命を落としてしまうんだそうです。よく見ればあちこちに繭ができているじゃあないですか。



確かにキャベツ君は瀕死の状態。



寄生という手段はなんともエグいとは思うのですが、子孫を残すということを考えれば、有効な手段であることは間違いありません。

しかし、因果応報といいましょうか、アオムシサムライコマユバチもまた、さらに小さな寄生蜂に寄生されることがあるんだそうです。

ちなみに羽化するときに失敗してしまうサムライ君もいるようです。



左端は残念ながら羽化途中で命を落としてしまった個体。そして真ん中の繭は左のものとは反対側の蓋を開けて出てきた様子。どうやら繭作るときの規則性はなく、上下左右バラバラのもよう。

空になった繭の下にある黒い塊は蛹化の時の脱皮の殻でしょうか?



双眼顕微鏡で見ると、やはりハチっぽいかな?

キャベツにとってはヒーロー。アオムシにとっては脅威。きっと、アオムシに寄生するハチがいなくなれば、アオムシは増えすぎ、キャベツを全滅してしまうことでしょう。そうなれば、次はアオムシの絶滅。

それにしても、植物であるキャベツが助けを呼ぶなんて…!!!

ちなみに、モンシロチョウの幼虫によく似たコナガの幼虫に寄生するコナガサムライコマユバチってのもいるそうです。…というか、寄生蜂の種類は非常に多く、アブラムシのような小さな虫に寄生するものもいるんだとか、そして、寄生蜂に寄生する種類も!!

そんな1mmにも満たない小さな虫たちも、地球の生態系のバランスを保つためには、けして欠かすことができないってこと。自然界はそれぞれの種が必死に生き残りをかけて戦うことで成り立ち、均衡を保ってるんだなぁ…と。

そして、そんな小さな虫のことまで解明している研究者がいるっていうこともまたすごい!!
農業の発展のため、つまりは人間も生きるために必死に戦ってきたってことですよね。

奇跡としか呼べないバランスを保ちながら成り立っている地球。その地球に文明を築いてきた人類。

知ればしるほど、この世は驚きに満ちています!!!!!



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