YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

14 林の中で見かけた植物たち③

2012-07-19 18:14:01 | 尾瀬2012夏
まだ続いていました。尾瀬シリーズ。だんだん地味な花になってきました(^_^;)
でも、紹介しちゃいます。



まずは、こちら、葉緑素を持たない植物「ギンリョウソウ(銀竜草)」です。腐生植物の代表格。腐った有機物から栄養を得て育ちます。よく調べてみたら、その過程で、キノコの仲間と共生しているようです。なにやら複雑な生き方。

写真に写っている銀色の竜のような形をした部分は、ギンリョウソウの花と花茎で、地下茎から直接立ち上がっています。つまり、ギンリョウソウには葉はありません。ちょっと考えれば、光合成をしないんだから必要ないんですけど、なんだか不思議です。真ん中の黒く見える部分は雄蕊の集まりのようです。一応虫媒花のようで、種子を作ります。葉緑体がなくても種子植物に分類されるのはそのためです。

自然界には様々な生き方があるものだと、知れば知るほど不思議な思い…。

ちなみに暗がりで色素ももたずに咲くこの花を、薄気味悪く感じる人もいるようで、「ユウレイダケ」の名前で呼ばれることも…。きのこのなかまにされちゃってますね(^_^;)



「マイヅルソウ」です。少し高地の山林に行くとみることのできる植物です。葉っぱと葉脈の模様から、鶴が羽を広げたように見えることから名前が付きました。秋になって、小さな丸い実が赤く色づく姿もかわいらしいです。



「ズダヤクシュ」。尾瀬では林床でよく見るられる植物です。ズダって信州の方言で喘息のことらしいです。「ずだ薬種」。つまり、喘息のお薬になるんですね。




「タニギキョウ」。林床の暗がりに生える小さな花です。とっても小さくて地味ですが、けっこうたくさん咲いていました。



最後はこちら。すでに雑草の域に入ってきました。「ケキツネノボタン」。里山でも普通にみられる植物です。

さあ、紹介できるネタもあとわずかになってきました。明日の夕刻の更新で尾瀬シリーズはラストです。


13 もじゃもじゃ

2012-07-18 18:07:33 | 尾瀬2012夏
夏がく~れば思い出す~♪

尾瀬といえばミズバショウ!!ミズバショウのベストシーズンの写真がこちら。








年によってもちがいますが、5月下旬から6月上旬です。シーズンには人もたくさん訪れます。
で、おそらく3枚目の写真と同じ場所で今回撮影したのがこちら↓↓↓





もじゃもじゃ~!!

そうなんです。ミズバショウは花の時期を過ぎると大きく成長する植物なんです。だって、芭蕉って言ったら南国のでっかい植物ですからね。



これが芭蕉です。去年の今頃は西表島で、この繊維を作ってクラフトやってたなあ…。

その時の記事はこちらこちら

↑↑↑ やったー!!このリンクする機能、やっと使い方が分かりました(^^♪



ひとつだけ残っていた花です。花自体がすでに大きすぎ。これには、今回初めて尾瀬に来たというメンバー3人ともかなり驚いていた様子。そりゃ、この巨大なキャベツみたいな葉っぱと、あの名曲とは結びつかないですよね…(^_^;)

尾瀬亜熱帯説(!?)も浮上するほどの盛り上がり…。まったくジャングルみたいです。

次はぜひ6月に!!



最後は気を取り直して、「オオレイジンソウ」。ミズバショウが咲くような少し湿ったところを好む植物です。
麗しい人と書いて「麗人」です。しかし、このオオレイジンソウ、かの有名な全身猛毒のトリカブトのお仲間。毒のあるなしはよくわかりませんけど…。美しいものにはとげがあるといいますし、むやみに近づかない方が身のためかもしれません。あ、ちなみにトリカブトもとっても美しいお花です。食べたりしないで、写真に撮るだけならまったく問題ないんですよ。尾瀬でも8月すぎごろから咲き始めます。

12 林の中で見かけた植物たち②

2012-07-17 18:21:05 | 尾瀬2012夏
林の中の植物シリーズ第2弾です。



「ヤマオダマキ」。園芸ショップの山野草コーナーでも人気が高い植物です。色も形も上品です。これまた見逃すところを、一緒に行ったメンバーに教えてもらいました。



テンナンショウの仲間でしょうか。草むらに隠れて目立たぬように咲いていました。じっくり観察している時間がなかったのが残念!



こちらは存在感ばっちりの「ヤマブキショウマ」。比較的日当たりのよい場所で草丈を伸ばしているようです。白くてシュワシュワした花って、けっこうありますよね。虫をおびきよせるのに都合がいいのかしら?





こちらは「モミジカラマツ」と「カラマツソウ」。葉っぱの形やつき方が違うんですが、花は同じようなシュワシュワ系です。

よく見ると、この花には花弁も萼片もありません。中心にある背丈の低い雌蕊と、外側にある多数の雄蕊で構成されています。蕾のときには、蕚が蕊を覆っているんですが、開花と同時にちってしまうんです。植物を観察していると、意外にも花弁がない植物が多いことに驚かされます。



花は目立って何ぼだと思うのですが、中には目立たぬように、葉っぱの下でそっと咲く花もあります。「ナルコユリ(オオナルコユリ?)」もその仲間。もっとも小さな虫たちにとっては、葉っぱの下の方が目立つのかしら?筒型の花は虫をおびき寄せる罠でもあります。



こちらの「オオバタケシマラン」も葉っぱの下に花をつけます。くるくるっとした個性的な花なのですが、この花を見るためには、葉っぱを見かけるたびに一つひとつ、ひっくり返して回らないといけません。背丈も低いですからね。写真を撮るのはさらに一苦労です(^_^;)

さて、まだまだ尾瀬のネタは続くのですが、日常生活でも紹介したいことが山盛り。夏本番で大忙しです。
明日からは、リアルタイムの自然観察と尾瀬の報告を織り交ぜながら、交互に紹介していきたいと思います。よろしければ、またのお越しをお待ちしております(*^_^*)

11 林の中で見かけた植物たち①

2012-07-17 06:11:23 | 尾瀬2012夏
今朝は鳩待峠から山の鼻に下る途中で見かけた植物の中から、葉っぱが印象的なものを紹介します。





まずは、「エンレイソウ」と「ツクバネソウ」。大きさもあるので、わりと目につく植物です。どちらも輪生する(輪っか状につく)葉っぱの上に花をつけます。もっとも1枚目のエンレイソウは花ではなくて、すでに実になっていますけど。3枚の葉のつき方と、少し大きめの実がデザインチックです。何かの文様になりそうです。



ツクバネソウの花はアップで見るとこんな感じ。
花びらはなく、4枚の反り返った緑色の部分が蕚になります。ツクバネソウはユリの仲間なので、正確には蕚ではなくて、外花被といいます。ユリの仲間なのに4枚っていうのも不思議な感じですけどね(ふつうは3枚)。中心にある茶色いのが雌蕊でこれも4裂、その周りにある黄色いのが雄蕊で8本あります。雌蕊の下にある子房は秋にかけて暗紫色に熟します。それがこちら



実の下の赤い部分は、雄蕊の軸の下が成長したもののようです。つやつやで、なかなかインパクトがあります。さらに実が落ちた後は…



これはこれで、花みたいですよね。尾瀬では10月ごろにこんな姿が見られます。



葉っぱの上に花(実)をつける植物といえば、こちらの「サンカヨウ」もみかけました。「山荷葉」。葉っぱの上に荷物をのせたような植物という意味かなって、勝手に思っていたんだけれど、全く違いました(^_^;)

「荷葉」っていうのはハスの葉っぱのことらしいです。山に生えるハスの葉っぱ。なるほど…。でも、諸説あるようです。



こちらは、「ヤグルマソウ」。かなり大きな植物です。輪生する葉っぱが矢車(こいのぼりの上についているやつ)に似ることから名づけられました。この矢車、写真ではわかりにくいですが人の顔よりずっと大きいです。今が花盛りのようで、あちらこちらで、白い穂をつけていました。



ヤグルマソウに似ている、こちらの葉っぱは「ハリブキ」。葉っぱの表面からたくさんの針(とげ)が出ています。この針は茎にも密生。きっと外敵から身を守っているのでしょうが、過剰防衛の感があります(笑)

別名「地獄バラ」。バラには見えないですけど、棘に注目した名前なんでしょう。





これまで紹介してきた植物に比べると、ぐっと小さな植物です。「オオバノヨツバムグラ」と「クルマムグラ」。どちらもアカネ科の植物で、輪生する葉っぱの様子から命名されています。4枚輪生するから「ヨツバ」。輪生する様子が車輪のようだから「クルマ」というわけです。

植物というと花に目が行きがちですが、花ではなく、葉っぱの形に目を向けて観察してみるのもなかなかおもしろいものです。

10 尾瀬で出会った虫

2012-07-16 18:18:29 | 尾瀬2012夏
三連休もあっという間に終了。
今回は尾瀬にも行ったし、散歩にも行ったし、のんびりしたし…。まずまずな休日でした。

今回のテーマは、尾瀬で見た虫たちです。



まずは、尾瀬で…というわけでもないのですが、大型の美しい蛾、「オオミズアオ」です。鳩待峠を少し下ったところで、羽を休めていました。蛾というと地味なイメージですが、この色合いは美しすぎます。「水青」と表現されるこの羽の色…、薄暗い林床で、妖精が羽を開いているようにも見えます。前翅を縁取る茶色もコードレースのようで気品にあふれているし、くし型の触覚も繊細です。

初めての出会いは、小学生の頃、薄暗いトイレの窓でした。あの時は美しいと思えませんでしたけど…(^_^;)
こうやって、木々の緑の中で見ると、本当に美しい!!



今回は急ぎ足だったこともあり、なかなか虫を見つけることはできませんでしたが、花を撮ろうとしゃがんでみると、いるいる、あちこちで虫たちは暮らしています。これはクモの仲間の「ザトウムシ」かな?目がほとんど見えないようで、前足を杖のように動かして、周囲を確認します。座頭市の「ザトウ」なんですね。



湿原では「ヒョウモンチョウ」の仲間にも会いました。鮮やかなチョウです。花から花へひらひらと…。なかなか近くに止まってはくれませんでした。



こちらも、遠すぎてピントが合わず。体長わずか2cmの「ハッチョウトンボ」です。湿地を好むトンボです。ぼんやりしていたわたしが見過ごしてしまうところを、一緒に行ったメンバーが教えてくれました。最近一人歩きが多かったのですが、やはり仲間とワイワイ行くのもいいものですね(*^_^*)

この個体はメスで、うっかりするとアブと見間違うようなしましま模様をしています。オスはトウガラシのような真っ赤な体色。残念ながら今回は会えませんでしたが、メスでも会えて、テンションUPです。



木道の上では虫のゆりかごを発見!「オトシブミ」の仲間です。オトシブミのお母さんは、葉っぱに卵を産み付けた後、器用に丸めて、ベビーベッドを作ってしまうのです。このベッドは、卵を守るだけでなく、卵からかえった赤ちゃんの餌になるので一石二鳥。それにしても6本の足と、あごを使って自分の体の何十倍もある葉っぱを丸めてしまう技術と根性には脱帽です。



根性といえば、早朝ホテルの前で見つけた名前も知らない蛾。雨の中、必死にオオバコの花穂にしがみついていました。体も羽もびしょびしょです。この後ちゃんと、飛び立てたのかな?





最後は、旅の最後に出会った「コクワガタ」。夜の上毛高原駅、淋しすぎですっ。人っ子一人いなければ、売店もなにもありません。かわりにコクワガタがいましたけどね(^_^;)

明日は、林の中の植物を紹介予定。尾瀬編、まだまだ続きます。