種蒔から3ヶ月
8月中旬の田んぼ。
出穂が始まっていました。
考えてみると、イネというのは実によく出来た農作物だと思います。
種蒔からわずか3ヶ月で花が咲き、その後1ヶ月余りで収穫ができる!!
種蒔からわずか3ヶ月で花が咲き、その後1ヶ月余りで収穫ができる!!
その実は穎果(えいか)と呼ばれ、果皮(もみ)が可食部(種子)に密着し、一体化しているのが特徴。脱穀や籾摺りと言った作業は面倒ですが、保存に適し、一度の収穫で年間の蓄えが可能。
なお、上の写真は花が咲いた後。
花が咲くのにいちばん適した気温は30〜35℃で、15℃を下回ると咲かないそうです。
そんなわけでイネの花が咲くのは、暑くなりそうな日(最近は暑すぎる日ばかりですが)の午前中、10〜12時頃が多くなります。涼しい日は午後から咲くこともあるそうです。
気温によって花粉の飛び方が変わるらしく、確実に受粉できる温度を狙って開花するようです。
イネの花のつくりはこんな風になっています。外側の緑色の部分が「もみ(籾)」と呼ばれる部分で、いわゆる普通の植物の苞にあたる部分です。頴(えい)とも呼ばれます。
イネの花が開花している状態は、もみがわずかに開き、風に当たった雄蕊が花粉を飛ばし、雌蕊が受粉できる状態になることを言います。
花弁がないためとても地味な開花です。
開花時間もわずか1〜2時間のため、人知れず咲いて、人知れず咲き終わっていることがほとんどです。
もみが閉じると、すでにお米が実っているように見えますが、この時はまだめしべの根元に小さな胚があるだけで、受粉後1ヶ月かけて成長し、熟していきます。
米が成長するにつれて、上向きだった稲穂がだんだんと頭を下げてきます。
実るほど頭を垂れる稲穂かな…
間も無くやってくる稲刈りシーズン。
九州方面では台風が発達中のようです。
農作物を始め、人々の生活への被害が少ないことを祈ります。
ちなみにイネ科の植物には似たような花のつくりのものが多いです。
小さなものなので観察しづらいですが、撮影して拡大してみると、意外とよく見えたりします。
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