☆第217話『スコッチ刑事登場!』
(1976.9.10.OA/脚本=小川 英&四十物光男/監督=竹林 進)
沖 雅也さん演じるスコッチ刑事=滝 隆一は、すっかりファミリー化しちゃった七曲署捜査一係を引っ掻き回し、マンネリを打破すべく投入された、とっても強力なカンフル剤の役割を担ってました。
容疑者に対する共感や同情は一切なく、ハナから疑ってかかり、それが女性であろうが容赦しない。ボス(石原裕次郎)の命令にも従わず、勝手な単独捜査は日常茶飯事で、ためらう事なく拳銃をぶっ放す。
つまり、それまで『太陽にほえろ!』で描かれて来た青春ヒーロー的な刑事像とは、何から何まで真逆のキャラクター。当然ながら藤堂チームに馴染まず、特に『太陽』イズムを体現するゴリさん(竜 雷太)とは真っ向から対立します。
「温かみ? そんなものが要るんですか、刑事に」
あまりに身勝手な言動と乱暴な捜査ぶりを批判するゴリさんに対し、滝が言い放ったセリフは、全国の視聴者全員をも敵に回す、あまりにも冷徹なものでした。
「俺の前任者のテキサスとか言う刑事ね、凶悪犯を1人も殺さないで逮捕する為に、殉職したそうですね」
「 !? 」
「温かい刑事になるって事はそういう事だ。テキサス刑事を殺したのは誰でもない、あんた方ですよ」
「貴様、もう一度言ってみろっ!」
当然、滝は必殺ゴリパンチを浴びる羽目になるんだけど、反省の色はこれっぽっちも見せません。
「俺はまだ死にたくない。やりたいようにやらせて貰います」
なんでこんなヤツを、よりによってテキサスの後釜に選んだのか? 疑問をぶつけるゴリさんに、ボスは1年前の悲しい出来事を伝えます。
滝は本来、優し過ぎるほど優しい男だった。それが1年前、拳銃を持った容疑者を追い詰めた際、滝が発砲をためらった隙に先輩刑事が撃たれ、殉職してしまった。
優し過ぎるがゆえに深く傷つき、自分を許せなかった滝はそれ以来、誰とも組まず、一切の情を捨て、撃たれる前に撃つことを信条とする刑事になっちゃった。
そんな過去を知ったゴリさんは、感情を押さえ、チームワークの大切さを粘り強く説いていくんだけど、一匹狼の姿勢を崩さない滝にいよいよ堪忍袋の緒が切れて、この一言。
「あのスコッチ野郎ぉーっ!!」
滝の徹底した英国スタイルを揶揄するゴリさんの叫びに、ボスは「お前、うまいこと言うなぁ」と満面の笑顔。あんな問題児を雇っちゃった責任は、これっぽっちも感じてなさそうですw
そんなスコッチ刑事の登場をもって、青春アクションドラマ『太陽にほえろ!』は新たな局面を迎える事になります。
旅サラダ見ましたよ。太陽では共演はなかったですが、勝野さんと神田さんは20代の頃からの友人だったようですね。