☆最終指令 (第15話)『哀しき暗殺者』
(2006.7.17.OA/脚本=安本莞二/演出=村田 忍)
ナイフとライフルによる暗殺事件が頻発し、どうやら同じクライアントに雇われた複数の殺し屋が暗躍しているらしい。
で、その暗殺団の一員と思われる人物から、黒幕は心理学教授の神岡(若林 豪)であるとのタレコミがあり、その証拠を掴むべく極秘捜査課が動き出します。
ところが、神岡が主宰するセミナーのメンバーをチェックしてみたら、かつて警視庁で亀田(西田敏行)の部下だった女性=杏子(とよた真帆)がいたから驚いた!
杏子は狙撃班の優秀なスナイパーだったものの、事故で亡くしたばかりの夫との子供を妊娠しており、それを知った亀田に危険な任務から外され、出産を機に退職したのでした。
さらに調べてみると、その時に生まれた息子が難病で、杏子は莫大な治療費を1人で背負う境遇にある。恐らくその弱みにつけこんだ神岡が、彼女の射撃の腕を暗殺に利用してる。難病の子供を言わば人質にして……
怒りに燃えた亀田は、やはり射撃の名手である八重樫(的場浩司)を組織に潜入させ、神岡が狙う次のターゲットを探ります。
このところミスが続いた杏子に代わるスナイパーとして、神岡に見込まれた八重樫は次なるターゲットの資料を受け取るんだけど、その中身を見て極秘捜査課メンバー全員が驚いた! 神岡が次に消そうとしてるのは、喫茶店のマスターを装って極秘捜査課を束ねるファンキーな壮年男……そう、我らが「どん亀」こと亀田呑その人だった!
もちろん、田所(渡辺いっけい)が発明した麻酔弾を使って八重樫は暗殺の偽装を企てるんだけど、彼が撃つ前に亀田は胸に被弾し、倒れてしまいます。撃ったのは杏子。そう、全ては亀田を誘きだして暗殺する為に神岡が仕組んだ罠だった!
こうして主人公の亀田が殉職し、悪が勝利し、『特命!刑事どん亀』は悲しく幕を閉じるのでした。(完)
……なんて結末になる筈もなくw、神岡の目論みを全て察してた亀田は先手を打ち、密かに杏子を説得して暗殺を偽装してもらったのでした。
かくして神岡は逮捕され、暗殺組織は壊滅します。正義は必ず勝つ。現実はなかなかそうはいかないからこそ、せめてドラマ世界はそうあるべし。
その後、杏子がどうなったのか具体的には描かれてないけど、雰囲気から察するに別人として息子と共に暮らしていくみたいです。ノーマルな刑事物なら暗殺の罪を見逃すワケにいかないところだけど、本作は言わば裏警察の話でありスピリットは時代劇ですから、なんとなく許されちゃうみたいですw
でも、そんなファンタジーが許されたのも2000年代末あたりまで。このあと劇場版『相棒』の大ヒットにより生々しい現実描写がトレンドとされ、刑事ドラマから甘い理想が排除されていきます。
ゲストのとよた真帆さんはモデル出身だけあってスタイル抜群、黒づくめのスナイパー役でカッコ良かったです。ライフル銃を持ってサマになる女優さんなんてなかなかいませんからね。
また、この最終回にはラスボス=若林豪さんのボディーガードとして清水あすかさんも登場。『七星闘神ガイファード』『超神星グランセイザー』のヒロインにして鳳龍院心拳・護衛護身術17代目宗師。本作でも切れ味鋭すぎる空手アクションを見せてくれました。が、的場浩司さんにすぐ倒されちゃうという扱いは勿体無かったように思います。
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