2019年の夏シーズン、フジテレビ系列の木曜夜10時「木曜劇場」枠でスタートした新ドラマ。横関大さんの同名小説を実写ドラマ化した作品です。
先祖代々が泥棒という「Lの一族」の三雲ファミリーに生まれた娘(深田恭子)と、家族全員が警察官(ペットも警察犬w)という桜庭ファミリーに生まれた刑事(瀬戸康史)が、お互いそうとは知らず恋に落ちたからさぁ大変!
絶対に相容れない境遇にいる男女の愛、そして刑事である恋人を(正体を隠しつつ)手助けする女泥棒という、『ロミオとジュリエット』と『キャッツ・アイ』を合わせたようなラブコメで、三雲ファミリーが『ミッション:インポッシブル』ばりのチームワークで不可能を可能にする痛快アクション活劇でもあります。
他愛ないんだけど、こういうバカバカしいことを大真面目にやっちゃうコメディが、私は一番好きなのかも知れません。
もちろん下手にやっちゃうと見るも無惨な代物になりかねず、キャスティングにかなり大きな比重がかかって来るんだけど、この『ルパンの娘』はどうやら成功したようです。
深田恭子さんはこういう極端に現実離れしたキャラクターを演じてこそ真価を発揮する女優さんだし、泥棒ファミリーの渡部篤郎、小沢真珠、栗原 類、どんぐり、麿 赤兒、警察ファミリーの信太昌之、マルシア、藤岡 弘、と適材適所な顔ぶれが揃ってるし、刑事部屋のボスが加藤 諒くんというフザケた人選もぎりぎりスベってないしw、今後は深キョンの恋敵として岸井ゆきのさんも登場するらしく、芸達者なキャスト陣の掛け合いを見てるだけでも楽しめます。
でも、今季イチオシ!って言えるほどハマったかと言えばそうでもなく、もひとつ何かが足りない気もします。ダンサーでミュージカル俳優の大貫勇輔さんが唐突に登場し、深キョンとしばし唄い踊るという演出はややスベってるしw
たぶん笑いに欠かせない「毒」が足りてないんだろうと思うけど、基本がラブコメだから仕方ないのかも知れません。
そんな中でやたら目立ってるのが、深キョンの祖母を演じるどんぐりさん。映画『カメラを止めるな!』で注目されたものの、アクが強すぎて使いづらいのか活躍の場がなかなか無かったけど、ついに本作でブレイクされるかも知れません。
家族みんな標準語なのに、なぜかお祖母ちゃん1人だけコッテコテの関西弁で、そこに何の理由も無いのが私のツボですw
渡部さんや小沢さんも相当エキセントリックに演じておられるんだけど、とんでもない飛び道具がそばにいるもんだからフツーに見えちゃうw(だから使いづらいんでしょうか)
面白いけど今のところハマるほどでもないのが、これからジワジワとクセになって行くのか、はたまたすぐに飽きちゃうのか、自分でも予測がつきません。
メインであるラブコメ要素がつまらなければ間違いなく後者で、命運は恋敵として登場する岸井ゆきのさんに懸かってるかも?
ともあれ、限られたドラマ鑑賞の時間をどの作品に割くか考えれば、私は辛気くさい法医学モノや悪趣味な刑事モノより、断然こっちを選びたいと思います。
お二人のシーンは俺的には鳥肌モノでした
しかしもっと鳥肌モノなものがありました。
深キョンや渡部さんたちLの一族が作戦を実行する時のBGMです!ウルトラマンのワンダバ風のあのBGMは素晴らしい!
1号ライダーの孫が仮面ライダーキバということを吹き飛ばすようなBGMです!
まさか深キョンドラマで新しいワンダバが聞けるとは思わなかったです!
フジテレビにしては珍しく良い作品です。
深キョンはやはり、富豪刑事や下妻物語、ドロンジョ様みたいに浮世離れしたキャラクターを演じさせたら天下一品ですよね、深キョン抜きではあり得ない企画かと思います。