さすらいの青春(607)
𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼
..——————【607】——————————
Il resta là un long moment, sa tête
rase au vent, à maugréer contre ce comé-
dien qui allait faire assommer tous ces
gars dont il avait été peu de temps au-
paravant le capitaine. Et, enfant paisible
que j'étais, je ne manquais pas de l'ap-
prouver.
————————(訳)————————————
モーヌは坊主頭を風に晒しながらずっとその
場に佇み、この旅芸人に対し不平を呟いていた.
少し前までは自分が大将だったこの男児たちを
すべて打ちのめそうとしていたこの旅芸人に対
して、モーヌはぶつぶつとこぼしていた.そし
ておとなしい子供だった私はモーヌのつぶやき
に賛成せずにはいられなかった.
——————— ⦅語句⦆———————————
ras, e:[ラ, ラーズ](形) (髪などが)短く刈られた、
avoir les cheveaux ras / 髪を丸刈りにしている.
au vent:(坊主頭を)風にさらして、
(長い髪の場合は)風になびかせて
基本的には「風に」という意味だけである.
なので sa tête au vint だけなら
「頭を風に当て」「顔は風に吹かれて」
のように適宜、訳味を調整しましょう.
la vague fait aller au loin les pétales au vint.
風に吹かれた花びらを浮かべて波は遠ざかる.
maugréer:[モグレエ](自)[文語] 悪態をつく、
ぶつぶつ言う
contre ce comédien:この旅芸人に対して
(ジプシーたちは役者を生業としていた)
assommer:[アソメ](他) 殴り倒す、打ちのめす
qui allait faire assommer tous ces gars:すべての
男子生徒を打ちのめそうとするやつ
auparavant:(副) ❶その前に、以前は、
❷まず、あらかじめ;
peu de temps auparavant:この表現は辞書不掲載だが
à peu de temps de là (それからすぐ) を参考にし
「ほんの少し前までは」
dont:(関係代名詞) = de ces gars
dont il avait été le capitaine:この男児たちの大将だった
(このil はモーヌ)
enfant:(n) こども
paisible:[ペズィーブル](形) 穏やかな、静かな、
温和な、平和な
enfant paisible que j'étais:おとなしい子供だった私
approuver:(他) ❶同意する、賛成する、ほめる;
❷許可する、承認する
ne pas manquer de + 不定詞:必ず~する、
忘れずに~する
je ne manquais pas de l'approuver:
私は彼に賛成せざるを得なかった.
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