古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

映画『一枚のはがき』は心に残ります。

2012年06月02日 03時45分33秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
                
 ふつう右の255ミリの鋸歯をつかって草を刈りますが、先日は185ミリの鋸歯をつかいました。裏山は木が混んでおり、植えた木のそばまで草や笹を刈ろうとすると大きな鋸歯では切ってしまうことがあるからです。刈ってみるとたしかに刈りやすい。裏山はこれからもこの小さい鋸歯をつかいます。
 4月には三田で、5月には加東市で『一枚のハガキ』の上映会があり、どちらかに見に行きたいと思っていました。でもいろんなことが重なってバタバタ過ぎてしまいました。そしたらテレビの日本映画専門チャンネル(834チャンネル)でやるのを偶然知り、バッチリ見ることができました。
 野良仕事をしたり車を運転していると、この映画の場面が「フッ!」と浮かびます。
 召集されて長男が出征する。わら屋根の家。前庭。家族と村人数人だけが並び、出征する兵士を送る。演壇であいさつ。万歳。よく知るからこそ大胆に省いてつくれる簡潔な舞台です。長男が戦死し、次男が出征するときも同じ舞台。多くの村人や見送りの小旗が省かれ、イメージが観客のたましいに食い込みます。
 アメリカのドンパチ映画は途中まで見て「この映画まえに見たことがある」とやっと思い出すことがありますが、この映画は冒頭から忘れられない場面がつづきます。新藤兼人監督だからつくれた映画です。
 新藤兼人監督は先日100歳で亡くなられました。朝日新聞の記事にこんなふうに書いてありました。


     (監督は映画を撮っていて涙がとまらなくなった) …… 万感の思いの中心には、
     すべてを出し切った満足感があったと思う。映画にすべてを捧げ尽くした人生。
     今頃は戦争で逝った仲間に再会し、褒められているに違いない。
コメント
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