古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

『ムカデ』くんは人間にはむかってきません。

2012年06月11日 03時12分09秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 田舎暮らしをしようと思うなら『ムカデ』くんとの「付き合い方」を学んでおくほうがいい。
 街でも田舎でも古い家ならムカデはいるものですが、別に家に住みついているわけではありません。家の中は住み心地がいいと思って、好んで家に入ってくるわけでもありません。
 ところが人間はムカデを見ると「ゾクッ!」として、「殺さなくてはいけない!」とジタバタします。しかしムカデが、立ちどまり、振り返り、「キッ!」とにらんで、カマキリみたいな挑戦的な態度に出ますか。彼はただひらすら逃げるだけではありませんか。
 花のプランターを移動しようともちあげたら、15センチ超の大物ムカデがひそんでいた、なんてことを体験された人は、あのムカデがどこに隠れたかといつまでも気になり、殺してしまわないと落ち着かないのではないでしょうか。
 実はぼくもそうでした。
 山にはとくにムカデが多くいるものですが、畑で草を刈っていたときです。大きなムカデを見ると草刈り機で切断していました。一回の草刈りで3匹目撃して、2匹は切断したのですが1匹が草にまぎれてしまいました。草をサラエでかき寄せて一輪車で運ぶのは、道子さんの仕事でした。そこで「ムカデを1匹切りそこねたから、草を集めるとき気をつけて!」と注意したのです。
 すると彼女が「ムカデはムシを食べてくれるし、『そっと逃がしてあげましょう』って本に書いてあったわよ」というのです。このエピソードはこのブログに書いたことがありますが、なんと重大な夫婦の見解の相違! 早速本を見たら確かにそう書いてありました。
 それからムカデのことを調べてみたら7年くらい生きるとか肉食系でいろんなムシを食べてくれることがわかりました。あのナメクジやゴキブリを食べてくれる、と知っただけでも尊敬したくなるような偉業です。ゴキブリを追って家に入ってくることはあっても、好んで家に住みつこうとしているのではなさそうです。ムカデが咬むのは追いつめられ、捕まれ、はさまれ、殺されそうになったときの最後の自衛手段です。
 さらに我が家でかつての先輩に来てもらってバーベキューをしていたとき、こんな話を聞きました。
「ムカデや蚊は家に入ってきても、住みつくわけじゃない。しばらくしたらもともとの居場所に戻っていく。入ったものは出ていく。それに咬まれるといっても、君は大きなムカデに咬まれたことがあるか」「いや、ない」「咬まれるかもしれんと恐れているだけや。70年生きて一回も咬まれたことがなかったら交通事故にあうより確率が低いだろ」なるほど。そういう考え方もあるのか。蚊は許せんけど。
 というようなことで道子さんはムカデを見ると火バサミではさんで裏山に引っ越してもらいます。ぼくもそうしていますが、外ではそのままにしておくこともあります。でもムカデを逃がしてしまい、あの大ムカデはどこに隠れたか、と気になることはなくなりました。
 家でも外でも、長靴をはくときも、気をつけておれば大丈夫です。ムカデは、人間になつくかどうか知りませんが、平和愛好者です。人間を咬んでやろうとむかってくることは絶対にありません。
 
  
コメント (2)
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