コンバインで稲刈りをすると、藁は機械が裁断して田んぼに撒きます。そこで毎年お願いして長い藁を少し残してもらい、それを束ねてうちの畑の稲架に干していました。でも長いままで使うことはありません。裁断して使います。それなら田んぼに撒いてある藁を集めて使うがいい。ということで隣の田んぼの藁を70リットル袋に5杯もらって干しているところです。
昼は畑仕事、夜は本棚を整理しています。
ぼくは50歳から急に魔が差したように、自分では『創作』と称して、童話や小説みたいなものを書きだしました。軽々しく思いついてするようなことではないのに、なぜか自分を駆り立てる力が、そのときはあったのです。そうこうするうちに『満蒙開拓青少年義勇軍』の聞き取りに身を入れるようになりました。資料を集め、一番多くの青少年を満州に送り出した長野県まで話を聞きに行きました。
書いた作品や取材の手紙や資料はファイルに整理して保存しています。かなりの量です。引っ越しするときに他の本はほとんど捨てましたが、創作や義勇軍関係の本は大切に保存して本箱に並べてきました。一段落したらまた取材や創作にかかるつもりでした。
しかし75歳になり、畑や山の仕事、大工仕事をしているうちに、いつの間にか火が消えているのです。ひとが「そろそろ人生の店じまいにとりかかろうか」というときに、もう一度、「一時休業」のつもりだった店をあけるようなものだと気付きました。
いまでは780回になるこのブログが唯一の発信です。いまさら<twitter>や<facebook>というわけのわからんものに首を突っ込もうとは思わないし、たまに入選した書き物を本にまとめてみようとも思いません。思いつくのは、過去の書き物に手を入れて、手直ししてみよう、ということくらいです。
その思いが邪魔になっているのにやっと気付きました。そこで一度リセットすることにしました。リセットが店じまいの整理かもしれない。『終活』かもしれない。でも自分としては「この道を進むとこの先になにかがある」と思いながら生きたい。そんな心境かな。
そんなことを思いながら、いま一枚一枚捨てています。