24日は、老人クラブ行事の前日でした。「当日・25日の仕事が少なくなるように奉仕作業をしよう」と朝から公民館まわりの草刈りに出掛けました。道子さんも花壇の草を抜こうといっしょに軽トラで行きました。老人会長も公民館裏の草刈りに来て、三人で頑張りました。
24日はそれから雨になり、午後は外仕事はしないでテレビを見ていました。
夕方になってから、道子さんがちょっと深刻そうにいいます。
「公民館の仕事をしてて、スマホを落としたみたい。いまから公民館のまわりに行って、あなたのスマホで電話かけてみて」
軽トラに乗って、雨の中を傘さして、道子さんは茂みを懐中電灯で照らし、ぼくはスマホを何度も掛け直して呼び出し、探しました。音はしないし、スマホもありません。
「23日、山崎文化会館で『花さき山』の影絵見てからマナーはずしたか」
「マナーのままかも。はずした記憶ないし。あれから電話も掛かってないし」
それならいくら掛けても無音のままです。
「明日、もう一度明るくなってから探そう」
24日はかくしてそのまま寝ました。明けて25日は老人クラブの「作業と昼食交流会」です。でも朝から雨で草刈り作業はできません。昼食交流会だけになりました。
道子さんとぼくは早めに公民館に行って、また前日動いたところを、スマホを探して歩きました。なかなか見つかりません。仕方がない。あきらめてスマホの店で新しくもらおう。
そう思いつつ25日は暮れました。
明けて26日、道子さんが「どう考えても公民館のまわりで落したと思う。あなたはクラリネットのコンクールを聴きに行って。わたし、もう一度公民館まわりを徹底的に探してみる」。
ぼくは午前中クラリネットを聴きました。道子さんは2時間掛けて公民館の中庭もきれいにしながらスマホを探しました。ありません。
「これだけ探してないのだから、もうあきらめる。昼からスマホの店に行って新しいのを買います」
夜となく昼となく「スマホ! スマホ!」とあれこれ考え、徹底的に探したのであきらめがついたようです。
26日は、スマホの店に行って、事情を話し、新しくもらうことにしました。その手続きの電話は、名義人であるぼくが東京かどこか本部の人と話することになり、次々と指示や提案が出されます。
「位置情報がわかるからどのあたりにあるか調べてみます」 そんなことができるのか。
「マナーモードにしているそうですけど、こちらから操作して1分間〈鳴動〉で音を出させることがでいきますよ」 そんなことができるのか。
「スマホが通信可能な状態かどうかメールを送って確かめましょうか」 ……
お店の人に言われました。「スマホを新しくするんだったら、まず警察に行って紛失届を出して、受理番号をもらってください」。
新しい三木警察に行ったら、窓口の人が「スマホを失った届? これに書いて」とサッと用紙を出してくれました。「多いですなあ。スマホを失う人が」 …… そうか。みんな持ってるし、スルッと落ちやすいし。
暗くなるころに家に帰って、窓を開けて、部屋の戸を開けて、前の庭から鳴っても聞こえるように構えて、言われた電話番号に電話を掛けました。〈鳴動〉をしてくれました。「いま鳴動をしていますよ。何もきこえませんか」 「はい」。
「位置情報はこのあたりのようですけど、どうしても見当たらないなら、このスマホはカットしましょうか。そして新しいスマホを送ります。26日夕方に送ると27日には着きますからお店でセットしてもらってください」 「はい、いまのスマホはカットしてください。お願いします」
というところで、ぼくは、いつものように寝ました。12時頃起きたら、道子さんが「スマホがあった」といいます。「母・妙子さんの部屋の便所にあった」。(母の死後はだれも使わない便所です)。
道子さんは「もう覚悟はできてたし、必死に探したし、今頃出てきてもうれしくないわ」といいます。3日間探したのに、いまごろポッと出てきても。わかるわかる。
27日、午後スマホの店に行って、送ってきた電話はお返しして、いまのスマホをまたつないでもらうようにお願いしました。
以上『大山鳴動スマホ一匹』というお話でした。
24日はそれから雨になり、午後は外仕事はしないでテレビを見ていました。
夕方になってから、道子さんがちょっと深刻そうにいいます。
「公民館の仕事をしてて、スマホを落としたみたい。いまから公民館のまわりに行って、あなたのスマホで電話かけてみて」
軽トラに乗って、雨の中を傘さして、道子さんは茂みを懐中電灯で照らし、ぼくはスマホを何度も掛け直して呼び出し、探しました。音はしないし、スマホもありません。
「23日、山崎文化会館で『花さき山』の影絵見てからマナーはずしたか」
「マナーのままかも。はずした記憶ないし。あれから電話も掛かってないし」
それならいくら掛けても無音のままです。
「明日、もう一度明るくなってから探そう」
24日はかくしてそのまま寝ました。明けて25日は老人クラブの「作業と昼食交流会」です。でも朝から雨で草刈り作業はできません。昼食交流会だけになりました。
道子さんとぼくは早めに公民館に行って、また前日動いたところを、スマホを探して歩きました。なかなか見つかりません。仕方がない。あきらめてスマホの店で新しくもらおう。
そう思いつつ25日は暮れました。
明けて26日、道子さんが「どう考えても公民館のまわりで落したと思う。あなたはクラリネットのコンクールを聴きに行って。わたし、もう一度公民館まわりを徹底的に探してみる」。
ぼくは午前中クラリネットを聴きました。道子さんは2時間掛けて公民館の中庭もきれいにしながらスマホを探しました。ありません。
「これだけ探してないのだから、もうあきらめる。昼からスマホの店に行って新しいのを買います」
夜となく昼となく「スマホ! スマホ!」とあれこれ考え、徹底的に探したのであきらめがついたようです。
26日は、スマホの店に行って、事情を話し、新しくもらうことにしました。その手続きの電話は、名義人であるぼくが東京かどこか本部の人と話することになり、次々と指示や提案が出されます。
「位置情報がわかるからどのあたりにあるか調べてみます」 そんなことができるのか。
「マナーモードにしているそうですけど、こちらから操作して1分間〈鳴動〉で音を出させることがでいきますよ」 そんなことができるのか。
「スマホが通信可能な状態かどうかメールを送って確かめましょうか」 ……
お店の人に言われました。「スマホを新しくするんだったら、まず警察に行って紛失届を出して、受理番号をもらってください」。
新しい三木警察に行ったら、窓口の人が「スマホを失った届? これに書いて」とサッと用紙を出してくれました。「多いですなあ。スマホを失う人が」 …… そうか。みんな持ってるし、スルッと落ちやすいし。
暗くなるころに家に帰って、窓を開けて、部屋の戸を開けて、前の庭から鳴っても聞こえるように構えて、言われた電話番号に電話を掛けました。〈鳴動〉をしてくれました。「いま鳴動をしていますよ。何もきこえませんか」 「はい」。
「位置情報はこのあたりのようですけど、どうしても見当たらないなら、このスマホはカットしましょうか。そして新しいスマホを送ります。26日夕方に送ると27日には着きますからお店でセットしてもらってください」 「はい、いまのスマホはカットしてください。お願いします」
というところで、ぼくは、いつものように寝ました。12時頃起きたら、道子さんが「スマホがあった」といいます。「母・妙子さんの部屋の便所にあった」。(母の死後はだれも使わない便所です)。
道子さんは「もう覚悟はできてたし、必死に探したし、今頃出てきてもうれしくないわ」といいます。3日間探したのに、いまごろポッと出てきても。わかるわかる。
27日、午後スマホの店に行って、送ってきた電話はお返しして、いまのスマホをまたつないでもらうようにお願いしました。
以上『大山鳴動スマホ一匹』というお話でした。