古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

〈半藤/池上〉対談から、もう一つ引用します。

2022年10月23日 02時44分35秒 | 古希からの田舎暮らし
 日本は安全な国ですが、それを支える警察は官僚化しています。ナワバリ意識がすごい。テレビの警察ドラマ『相棒』にも警察内の〈ナワバリ争い〉が出てきます。半藤/池上/対談でそのことにふれています。
 オウム・サリン事件についての対談を引用します。


半藤: かれらに地下鉄サリン事件を起こさせない道はあったか、と問われれば、坂本一家殺害事件のときに神奈川県警が本気になって当たっていたら、あそこまで行かなかった可能性はあります。そう思うのですが、どうですか。
池上: たしかに早い段階で警視庁の捜査員を投入していれば展開は違ったかもしれません。坂本一家事件は神奈川県警。松本サリン事件は長野県警。オウムは当時、警視庁管内では事件を起こしていなかったので、警視庁は捜査ができなかった。かれらは切歯扼腕していたのです。
 そうしたら目黒の公証人だった刈谷さんが連れ去られた。あのとき、警視庁や警察庁が、これで捜査できる、となって警視庁捜査一課の腕っこきを投入して一挙にオウムに迫る。
半藤: あれが起きるまで手出しができなかったのかしらね、警視庁は。わたくしは当時、なぜ警視庁が出てこないのかと不思議でしょうがなかったんです。
池上: 東京管内で事件が発覚していなかったからです。着手する法的根拠がなかった。
半藤: では、大もとの警察庁が直接動くという考えはなかったのですかね。
池上: 警察庁は、所轄をまたぐ事件の情報を集めて、「警察庁指定第〇号事件」というふうに指定をし、それぞれの所轄にたいして捜査依頼や連絡調整をする役所ですから、指揮系統はないんです。
半藤: なるほど警察庁は、そもそも指揮も捜査もできないということか。いずれにしても、第二のオウムがこの先出てこないともかぎらない。そのことは気に留めておきたいですね。


 官僚化している警察組織のことはよくわかりません。しかし「地下鉄サリン事件のヒントはいっぱいあったのに〈ナワバリ〉の谷間に埋もれてしまった」ことはわかります。なんとかしないと、どんな事件が起こるかも。
コメント
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