老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

幸せか? 不幸か?

2021-06-24 10:25:04 | 老いの光影 第7章 「老人のねがい」
1748 幸せか? 不幸か?



80歳を超えた老妻
9週間前に自宅のふろ場で亡くなった
(交通事故死よりも老人が風呂場で亡くなる数の方が多い)
お風呂に入り1時間が経ち
お風呂から出てこないので
様子を見に行ったら亡くなっていた

最期は身体をきれいにし好きなお風呂で逝かれた老妻

脳梗塞を患った80歳を超えた老父
左半身麻痺ながらも歩行器につかまればどうにか歩ける
老妻の49日が過ぎ
寿司が好きな老父を回転寿司に誘った長女
海老の寿司を食べ 詰まらせた老父 心肺停止となり
救急車を呼び病院に搬送された

脳幹だけが動き 意識がない日が続き
人工透析は思うようにできず
入院して20日後に亡くなった
妻の遺影が飾られた家に 夫は帰ってきた

最期は長女に連れられ 好きな寿司を食べた老父

二人はよく喧嘩をしていたが 本当に仲が良かった
夫は脳梗塞で左半身麻痺 言語障害もあり 躰が思うように動かない
でも頭はしっかりしていた
妻は躰、手足は自由に動いたが
物忘れが増え鍋を焦がしたりなど認知症が進んでいた

二人は 躰が動く妻 頭がしっかりしている夫
二人あわせれば一人前、と言いながら笑い合っていた
妻は 軽ワゴン車に夫を乗せ 
妻の運転で東北道を走っていた

自宅の玄関前には 軽ワゴン車が止まっていた