1663 鈴 虫
時計の針は只今三時四拾八分
外はまだ暗い
草葉から鈴虫の鳴き声が聴こえる
短い四月の生命
日中の暑さとは違い
鈴虫の鳴き声とともに
涼しい風を感じる
羽を擦り合わせ
鈴音を鳴り響かせ
短い秋の暗闇に
生命を燃やす
朝露に濡れながらも
あなたを想い
奏でる鈴の音は
寂しく切ない
隣の家は雑草が生え
ひとり暮らしの主は入院療養中
肺癌から躰のあちこちに骨転移
麻酔で痛みをこらえている
脳梗塞後遺症も重なり
歩くことができなくなった
主は鈴虫の鳴き声が聴こえる
「家に帰りたい」と呟く
鈴虫の鳴き声を聞きながら
この先短い生命を思う
もう少しで夜が明ける
時計の針は只今三時四拾八分
外はまだ暗い
草葉から鈴虫の鳴き声が聴こえる
短い四月の生命
日中の暑さとは違い
鈴虫の鳴き声とともに
涼しい風を感じる
羽を擦り合わせ
鈴音を鳴り響かせ
短い秋の暗闇に
生命を燃やす
朝露に濡れながらも
あなたを想い
奏でる鈴の音は
寂しく切ない
隣の家は雑草が生え
ひとり暮らしの主は入院療養中
肺癌から躰のあちこちに骨転移
麻酔で痛みをこらえている
脳梗塞後遺症も重なり
歩くことができなくなった
主は鈴虫の鳴き声が聴こえる
「家に帰りたい」と呟く
鈴虫の鳴き声を聞きながら
この先短い生命を思う
もう少しで夜が明ける
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