4回目のネイル。サングラスをかけたSNOOPY
1517; 認知症老人同士の会話は続く
二人の婆さんは、認知症を患っており、数分後には記憶は薄れてゆく・・・・。
光代婆さん(83才)と智恵婆さん(88才)は、横並びに椅子に座り、
窓越しに風景を眺めていた。
春の日下がり
光代婆さん; 息子さんは、小学生なのかい?
智恵婆さん; (窓から見える杉の樹を指差し)あそこに柿がなっているよ
二人の会話は最初から最後まで噛み合わず
お互いに違う話をしていた。
でも、会話は途切れることなく続いていた。
不思議な話というか不思議な出来事であった。
なぜ、認知症老人同士の会話は続いたのか・・・・。
ふと、思った。
それは、二人の婆さんは、「あなたの話、オカシイよ(間違っているよ)、と
否定せず、聴いているからではないか。
話が間違っているかどうかよりも
自分の話を聴いてくれたことが、当の本人には嬉しいのである。
「さっきその話聞いたよ」「3回その話聞いたから」「いま、春だよ、柿はなっていないでしょ」などと
否定的に答えたり、間違いを指摘したりされる、と
そこで会話は中断し、席を立ってしまう。
認知症老人同士の会話から教えられたこと
相手の話を聞いて、間違いやオカシイことを指摘せずに、聴くことを大切にする。
認知症老人と話をするとき
テーブルをはさんで向かい合い話をするのではなく、
ソファやベンチを利用し
身体をやや斜めにし、相手の手を握れる間隔をとり座り会話する。
スキンシップが何気なくとれる。
デイサービスやグループホームだから、認知症老人の話を聴けるのである。
在宅は介護者の介護による疲労困憊があり、心の余裕がとれず、
同じ話を何度も聴くのは疲れが増し苛立ってくることさえある・・・・
普段一緒に暮らしていない親戚の人たちは
鵜呑みにし、認知症っていうけれど
普通じゃない、と言います。
認知症老人は、自分の世界があり、
とりつくろいもあり、会話ができると
「普通」に見えます。
認定調査員のなかにもそう思ってしまいます。
介護している家族は本当に苦労しています。
母美代さんは、電話魔です。
叔母との会話中で、100%違うでしょ!と言えることを普通に話します。
そして、その内容があたしの事なのです。
電話の向こうの叔母めがけて、わざと大声で訂正することが何度も有ります。
叔母には、認知症のことは伝えていますが、果たしてどの程度理解してくれているのか、母が話したことをもしかしたら鵜呑みにしているのかも・・・
そう思うと、怖くてたまりません。
叔母は認知症の介護経験はない人ですので、あたしの神経は張り詰めたままです。