老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

他人の集まりだ

2022-11-20 21:00:23 | 老いの光影 第10章 老いの旅人たち


1915 老人ホームだけは嫌だ~

90歳を超えた婆さんは
ぼろぼろとご飯を洋服や床いっぱいにこぼす

洋式便器に座る前に
おしっこを床いっぱいにこぼす
この床は誰が濡らしたの、と尋ねられても
「わたしじゃない」、と真顔で答える

朝、起きおしっこでびっしょり濡らした紙ぱんつを脱ぎ棄て
ぱんつを穿かずにデイサービスに通う

住み慣れた家で暮らすことが厳しくなってきた
「老人ホーム(特別養護老人ホーム)に行くか」、直球で尋ねた
「老人ホームだけは嫌だ」「味噌を舐めたって行かない」
「どうして」、と意地悪く聞き返してみた
「他人の集まりだ」

90歳を超えた老人たちは
老人ホームは姥捨て山に映るのか
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