朝焼けの 水田うつくし 喪も明ける
(あさやけの みずたうつくし ももあける)
19531 【季語】 朝焼 【季節】 晩夏
夢を見る 少年老いて 梅雨晴れを
(ゆめをみる しょうねんおいて つゆばれを)
19532 【季語】 梅雨晴 【季節】 仲夏
祖母ひとり 日盛りの中 リヤカー引く
(そぼひとり ひざかりのなか りやかーひく)
19533 【季語】 日盛り 【季節】 晩夏
夏掛けや 貧乏ゆえの 夢の中
(なつがけや びんぼうゆえの ゆめのなか)
19534 【季語】 夏掛 【季節】 三夏
幼き日 昼寝の虜 身に付けて
(おさなきひ ひるねのとりこ みにつけて)
19535 【季語】 昼寝 【季節】 三夏
甚兵衛や よくぞ男に 生まれけり
(じんべえや よくぞおとこに うまれけり)
19536 【季語】 甚兵衛 【季節】 晩夏
片陰を 求めて歩く 楽しさよ
(かたかげを もとめてあるく たのしさよ)
19537 【季語】 片陰 【季節】 晩夏
青嵐 過ぎて一夜の 閑かなり
(あおあらし すぎていちやの しずかなり)
19524 【季語】 青嵐 【季節】 三夏
何年振り 言葉の綾や 夏嵐
(なんねんぶり ことばのあやや なつあらし)
19525 【季語】 夏嵐 【季節】 三夏
朝散歩 雨上がりての 草いきれ
(あささんぽ あめあがりての くさいきれ)
19526 【季語】 草いきれ 【季節】 晩夏
雨間 痩せるどころか 夏太り
(あめはざま やせるどころか なつぶとり)
19527 【季語】 夏 【季節】 三夏
俤や 走馬燈の如 廻り来る
(おもかげや そうまとうのごと めぐりくる)
19528 【季語】 走馬燈 【季節】 三夏
梅雨明けを 宣言するや 気象庁
(つゆあけを せんげんするや きしょうちょう)
19529 【季語】 梅雨明け 【季節】 晩夏
青葉にも 病葉目立つ 雨上がり
(あおばにも わくらばめだつ あめあがり)
19530 【季語】 青葉 【季節】 三夏
薔薇の園 棘より苦し 朽ち姿
(ばらのその とげよりくるし くちすがた)
19517 【季語】 薔薇 【季節】 初夏
生きている 証の一歩 夏散歩
(いきている あかしのいっぽ なつさんぽ)
19518 【季語】 夏 【季節】 三夏
夏散歩 信号待ちの 朝の顔
(なつさんぽ しんごうまちの あさのかお)
19519 【季語】 夏 【季節】 三夏
朝散歩 緑陰求め 右左
(あささんぽ りょくいんもとめ みぎひだり)
19520 【季語】 緑陰 【季節】 三夏
牛蛙 ぐわぐわ鳴いて 威嚇する
(うしがえる ぐわぐわないて いかくする)
19521 【季語】 牛蛙 【季節】 三春
緑陰の ベンチの人を 避け通る
(りょくいんの べんちのひとを さけとおる)
19522 【季語】 緑陰 【季節】 三夏
向日葵は 孤高が似合う 一本立ち
(ひまわりは ここうがにあう いっぽんだち)
19523 【季語】 向日葵 【季節】 晩夏