冬としては暖かい昼間のこと。ハナバエのなかまが訪れました。からだを覆う剛毛が印象的です。林立するオシベを抱え込んで花の中を動いていました。
葯をつかんで,舐めました。からだには花粉がたくさん付いています。
頭を下向きにして,蜜源を探り始めました。蜜でおびき寄せる作戦が成功! しっかり味わっている様子でした。
しばらくして蜜源から戻って来ました。わたしなら,「あー,おいしかった!」とでもいいたくなるところ。
葯の上を歩きます。そして柱頭にやって来ました。昆虫と花の見事なつながりが見える瞬間です。
他の花でもおなじハナバエを見かけました。花の奥に頭を突っ込んでいきました。
口吻が見えたらすごいなあと思っていると,そのとおり口吻の先が見える瞬間が訪れました。ビッグチャンスです。まるでゾウの鼻先のような動きに見えました。口吻にも花粉が付着しています。
採餌が終わったタネバエのからだには花粉がたくさん。からだのつくりと花とのつながりには切っても切れない関係があります。接写の小宇宙には,肉眼では見えてこない「ほほーっ!」の世界が拡がっています。