自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

秋,“虫の目”でとらえた虫たち ~アキアカネ Ⅶ~

2018-11-24 | 昆虫

午後,隣家の畑にて。

持ち主のYさんがタマネギの苗を植え付け中。タマネギ苗のことでわたしに声を掛けられました。話し込んでいると,なんと,支柱やら枯れ枝にアキアカネが数匹とまっているのが目に入ったのです。「これは,これは」。大歓迎ですね。自宅周辺でアキアカネをこうして目撃するのは久しぶりです。

さっそくカメラを持って来て撮影開始。Yさんが写り込んでいるのがいいですね。

 

わずかに雲があります。ほんとうはもっと秋らしい雲があればすてきなのですが。

 

からだが視野からはみ出すぐらい近づきました。

 

前方向から,日没近くの太陽を入れて撮りました。翅が輝きます。西側に山があり,早々と日没を迎えます。

 

 

とまっている支柱は枯れた竹です。人工物との組み合わせより,ずっといいですね。

 

この分だと,まだアキアカネとの付き合いが続くかもしれません。

 


ホトケノザの花とイチモンジセセリ

2018-11-24 | 昆虫と花

ホトケノザがわんさか花を付けています。春ほどではありませんが,たいへん目立ちます。

この花,冬季は昆虫に頼らなくても受粉できる術を身に付けた,大した存在。しかし,昆虫に頼って他家受粉しなければ種としての多様な遺伝子を残せないことになります。これでは,生き残り戦術上相当に不利です。と思って観察していると,寒くなる今の時期でも昆虫が活動しているときは,ちゃっかりそれを招く巧妙さを備えているのです。さすが!

ウォーキング時の目撃話です。イチモンジセセリが吻を大きく伸ばし,曲げて花の中に差し入れていました。吸蜜行動をとおして送受粉に貢献しているのです。花のかたちに合った口吻,それを花が歓迎している相互関係が見えてくる場面です。

 

隣りの花に口吻を入れました。

 

セセリチョウは花を移動していきますが,やはりどの花でも蜜を吸い上げます。

 

しばらく見ていると,花に相当な執着心がある様子。花の少なくなった路傍では,ホトケノザはありがたい食餌処なのでしょう。結局この群落で,二匹見かけました。

わたしたち人間も,ちょっぴり訪花昆虫の気持ちになって蜜を味わうことができます。わたしは小さな頃そうした経験をしたことがありますし,今の子どもにもそんな遊びをする子がいます。筒状になった花をそっと引っ張って外し,根元を舌先で舐めたり,吸ったりすればよいのです。甘みが確かに感じとれます。

寂しいことに,セセリチョウの活動は間もなく終わります。でも大丈夫。ホトケノザは昆虫の訪花を計算に入れず結実する策に出ます。

 


紅葉のファミリーハイキングに

2018-11-23 | 旅行

ハイク実行委員会主催の恒例「紅葉のファミリーハイキング」に参加してきました。タイトルは「紅葉と歴史ロマンに彩られた・宇治回遊コースを巡る」というもの。参加者は80名。コースは以下のとおりです。

肝心の天気は曇りという予報だったのですが,時に日が差して暖かさを感じました。感謝。ただ,日差しが遮られると冷っと寒さを感じる一日でした。文字通りの紅葉を期待していましたが,パッと色彩豊かというほどでもなかったのが惜しいところ。タイミングが少しずれていたのです(これって,贅沢ないい方なのですが)。おまけに,台風被害の名残りがあったりして。

ハイキングを写真で振り返ります。

平等院前の遊歩道から垣根越しに見ました。まだ人影なし。

 

 

宇治川は鵜飼いの発祥の地とのこと。今鵜匠は3人で,うち女性が2人らしいです。写真には屋形船が並んでいます。

 

 

天ケ瀬吊橋のたもとで休んでいると,「コケに花が咲いているよ」と教えてくださった方が。でもコケは種子植物ではなし,「これは胞子が入っているんじゃないですか」とお答えしておきました。

 

 

コケの名は不明です。

 

 

ダムに向かいます。やっとモミジが。 

 

 

天ケ瀬ダムに到着。 

 

 

昭和20年代に宇治市は宇治川の氾濫で大水害に遭い,ここにダムが建設されたとのこと。水力発電所が右に見えます。 

 

 

昼食が終わって,歩きます。歩道の木漏れ日は円形。 

 

興聖寺の紅葉はこんなふうです。葉がチリヂリで,見応えは今一つ。境内の木々の大部分が伐採されていました。台風で倒れたのでしょう。

 

 

仏徳山展望台からの眺めです。モミジに囲まれた平等院。中央下に見えます。

 

 

源氏物語ミュージアム脇のわずかなモミジに,やっと紅葉を感じました。

 

この後平等院の表参道を歩きました。休みの日でもあり,人でごった返していました。平等院入館待ちの行列が! 一時間待ち! こんな人混みには行きたくないなあ。参道は,宇治らしく茶の香りで満ちていたのでなんとかホッ。

 

秋の一日,ゆっくり過ごせたのは実行委員の皆さんのお陰。いつものことながら感謝。 

【後記】コケの一種と思い載せた写真は,どうやら地衣類のコアカミゴケのようです。名前にコケが付いていますが,コケでな意という点が観察ポイントです。

 

 


タンポポの花とチョウ三種

2018-11-23 | 昆虫と花

11月20日(火)。朝,ウォーキングをしました。低温ながら,光がまぶしい朝でした。路傍に咲くタンポポは結構目に付きます。セイヨウタンポポもカンサイタンポポもあります。

そこにいたのがベニシジミ。気温は市内に設置されたアメダスの記録から勘案して13℃ぐらいと思われます。

 

「よくもまあ,活動していることよ」。そう思って口吻を確かめようとしたところ,パタパタッと草の間に落ちていきました。やはり低温が影響しているのです。指を触れようとすると,またパタパタッと舞い上がって,すぐ近くの草に。なんだか頼りなさそう。

 

もしかすると,これが今季の終見になるかもしれません。

しばらく行くと,今度はヒメアカタテハが吸蜜中でした。これは元気そう。越冬態は決まっていないようで,成虫のままということだってありうるということです。

 

びっくりさせない限り,至近距離からも写せます,

 

また少し行くと,モンシロチョウが。これは翅がかなり傷んでいます。間もなくいのちを閉じます。これも今日が終見になるかもしれません。

 

 


秋,“虫の目”でとらえた虫たち ~コバネイナゴ(続々)~

2018-11-22 | 昆虫

 小さな川の,小さな堤防を歩いていると,コバネイナゴが出て来ました。気温が低めなので動きが鈍く,割合簡単にピントを合わせることができました。

 

横向きになった瞬間があって,シャッターを押しました。

 

イナゴは歩いて草の方に移動。そこでしばらくじっとしていました。こういうときはできるだけ近寄るのがこの種の写真を撮るコツかと思います。

 

また歩いて枯草の上に。こういう構図は,イナゴが遠望しているようで,平凡ながらマア合格かなというところです。

 

枯草の一本に移ったところを撮ると,左の後脚をケガしていることがわかりました。なにかに襲われたのでしょうか。なんだか痛々しい。

 

イナゴの季節が間もなく終わります。 

 


2018秋,ジャガイモ播種物語(9)

2018-11-22 | ジャガイモ

11月20日(火)。仕事は休み。空中イモの様子を報告します。第1節に塊茎が集まるのは当然のこと。ジャガイモは地下に養分を貯蔵しようとするのです。あふれた養分は第2節にも蓄えられます。

 

第4節にも,ごく小さな塊茎(脇芽)が形成されています。

 

それぞれの塊茎が充実した大きさに生長しています。 

 

第1節には何もありません。その分,第2節から第5節まで養分が蓄えられられています。

 

この株は第4節まで塊茎ができています。第1節がとてもおもしろい様相を見せています。

 

近寄って確認しましょう。右方向へ伸びるストロンの途中から別のストロンが出て先に塊茎を形成したり,長いストロンの途中に塊茎を形成したり。地中のイモを掘り上げているとき,これとそっくりの姿が見られることがよくあります。

 

こういう多様な現象を観察していると,ジャガイモのイモは茎が太ったものである,サツマイモのイモとはまったく異なる,という点がくっきり見えて来ます。

 


秋,“虫の目”でとらえた虫たち ~クルマバッタモドキ(続々々)~

2018-11-21 | 昆虫

バッタのなかまが自然のままに生きている姿を,虫の目レンズで頭部側斜めから撮りたいと強く思っていました。それには広い場所,遠景が写し込めるところ,それに草丈が短いところが最良です。バッタが見えないところに逃げてしまったら元も子もないので,むらの広場を撮影地と決めました。

今年の撮影チャンスはもうこれで終わりかなと思われた,ある晴れた日。バッタを探して撮影開始。なんとか願いどおりの構図を描いて撮りました。触角がはみ出てしまいました。左右の余白が無駄に見えます。カメラを縦向きにした方がよさそうです。

 

今度は縦向き撮影。しかし,わたしの目線が上過ぎました。「うーん,なかなかむずかしい!」。 

 

クルマバッタは歩いて遠ざかります。迫力のある歩き方を撮っておこうと思い,シャッターを切りました。

 

後脚が二本,ぐっと後方に伸びています。複眼もかろうじて写し込めました。この日に撮った写真では,お気に入りの一枚になります。

 

もうクルマバッタには合えないでしょうか。

  


びっくり! 学びのサポートにお礼の便り

2018-11-21 | 随想

ついこの間,学びのサポーターとして隣県の小学校を訪ねました。そこからお礼の便りが届きました。何やらごわっとした長めの包みで,表面・裏面に楷書で丁寧に文字が書かれ,52円切手が10枚貼ってありました。

 

開けてびっくり。学校長T先生,担任S先生のお礼状,そして子どもたち一人ひとりのメッセージが貼られた厚手の紙がたたまれて入っていたのですから。皆さんの立場,目からお感じになった感想が凝縮したすてきな贈り物です。お礼のこころがありのまま文字になって届けられるというのは,この上ないプレゼントです。

T先生のことばからの抜粋。「おかげ様で,児童は,身近な植物を使った紙すきの仕方のみにとどまらず,探ることへの熱意など様々なことを学ぶことができました」

S先生のことばから抜粋。「先生の『失敗からたくさんのことを学ぼう。工夫,ひらめきを大切にしよう』という言葉が深く心に刻まれました。子どもたちに,たくさんの失敗から学んでいってほしい,そんな姿勢を大切にしてほしいと思いました」

いずれの子どものことばにも,目上のわたしと接する目線が光っています。礼儀といえるものです。これは明らかに丹念な導きによるものでしょう。外部の人と接する活動を進める際,こうした指導が欠かせません。人との関係の築き方とでもいえるでしょう。青年教師で,こうした指導ができるのは立派です。

 

 

わたしはお礼に,これまでに漉いた紙の中からマムシグサ紙・タケ紙・バショウ紙を選び,当日みんなで撮った集合写真と校舎の写真をコピーして贈ることにしました。気に入っていただければよいのですが。

 

 

 


秋,“虫の目”でとらえた虫たち ~クルマバッタモドキ(続々)~

2018-11-20 | 昆虫

クルマバッタモドキをなんとか撮りたい,間もなく活動季節が終わる,撮るのは今! というわけで,勤務が休みの昼,改めて挑戦。下写真はオスです。

 

背後からできるだけ近づいたのが下写真です。これぐらい接近できればまあよし,でしょう。

 

メスのクルマバッタモドキがいました。オスよりからだがかなり大きいので,すぐ判別できます。腹部が膨らんでいます。

 

追っていると,横向きになる瞬間がありました。「よし,よし」。「動かないで!」と祈りながら,地面を這うような格好になってバッタの全身を狙いました。幸いじっとしていたので,撮影成功!

  

 

と思ったら,なんと足踏みするみたいな感じで正反対の向きに。つまり180度方向転換をしたのです。今度はバッタをうんとクローズアップして撮りました。これも撮影成功!

 

 

バッタさんに感謝。

 


ヒメアカタテハの幼虫,その後(4)

2018-11-20 | 昆虫

11月19日の記事の続きです。

見ていると,からだが半分立ち上がった格好です。どうも巣作りにつながる行動が始まったようなのです。確かに糸を吐き出しています。

 

と思っていたら,また小休止。葉を食べています。気まぐれなのでしょうか。

 

再び糸を紡ぎ出し始めたので,カメラを構えていると糸が見えました。シャッターを押して確認すると,なんと糸が出ている場面だったのです。これまでジャコウアゲハでくわしく撮ったことがありますが,それは終齢幼虫が帯糸を紡ぎ出しているとき。今回のように中齢幼虫が巣作りしているときに写せたのは初めてです。印象的な一コマになりました。

 

糸が数本往復しています。

 

からだを元に戻したとき,吐いた糸がわずかに残っているのが見えました。

 

しばらくすると,また作業が再開されました。

 

巣が最後まで作られるか,気にして観察を続けました。 

 

ところが,ところが,ふしぎ。あっさりここを離れて隣りの葉に移って行ったのです。どうしてなのでしょう。