自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

モンキチョウ,産卵から孵化へ(3)

2019-07-13 | モンキチョウ

7月8日(月)。午前10時。産付後三日が経ち,四日目に入ったばかり。赤みが単調な色彩でなく,複雑な変化の集合体であることがわかります。

 

 

側単眼が二つ見えます。

 

 

窪みがくっきり。これによって,からだの折れ曲がりが想像できます。

 

 

こんなにへこんでいます。

 

 

午後1時。産付後三日と3時間が経過。どの卵も黒っぽくなって,幼虫のからだが透けて見えます。頭部は一目瞭然。なんだか時をおかずに孵化しそうで,忙しくなりそう。

 

 

うち,一つの上部に内部から穴が開きかけているのを発見。もう孵化が始まったのです。孵化第一号です。これについては次回に取り上げます。

 


モンキチョウ,産卵から孵化へ(2)

2019-07-12 | モンキチョウ

7月7日(日)。午前10時。産付後ちょうど二日経ちました。赤みが濃くなってきました。

 

 

変化が進行しているのです。

 

これも。

 

午後10時。産付後二日と12時間が経過。赤色の濃淡がわかりやすくなってきました。

 

  

右上にやや黒っぽいものが見えます。側単眼です。左下にすこし窪みが出てきました。

 

確かに黒いものが見えています。

  

  


モンキチョウ,産卵から孵化へ(1)

2019-07-11 | モンキチョウ

7月5日(金)。午前10時~10時30分。公園でモンキチョウがシロツメクサの葉に卵を産み付けるのを確認。あとを追って,葉を採集。卵の数は7個。すべて葉表に産付。

 

 

上の方から撮ると……。直径はおよそ1mmの三分の一というところでしょうか。

 

7月6日(土)。午前10時。産付後ちょうど一日経ちました。赤みが出てきました。

 

 

とても順調です。

 

 

 高さがわずか1mmの世界の,自然造形美といえるでしょう。

 

からだは頭部を上にして,U字状に曲がって形成されます。卵のかたちは実にスマートにデザインされています。

 

 


卵殻を食すアゲハの幼虫

2019-07-10 | アゲハ(ナミアゲハ)

食べるという行為は,いのちをもつすべての生きものに共通した本質的行動。個体維持に欠かせない行動です。

昆虫の幼虫が殻から出たあと,殻を食べる幼虫,食べない幼虫があります。それは種によって決まっています。食べる幼虫を見ていると,律義な行いだなあと感心します。母からの贈り物をからだに摂り入れる純真さが感じとれるような気がします。

アゲハ類の幼虫もこのなかま。ナミアゲハが卵殻を食する様子をご覧ください。

 

別個体です。大顎をとらえました。 

 

かぶりつくといった感じ。

 

別個体です。硬い殻と思われますが,力強く噛んでいきます。こういう光景を,わたしは❝貪り食う❞ということばで表したくなります。

 

力強さはたくましさでもあります。生まれ出たばかりの強さが伝わって来ます。

 

別の個体を見ると,ほぼ平らげていました。

 

いかがですか。どうあれ,生まれた瞬間から自立して生きなくてはなりません。それが自然の摂理。

 


アゲハ,孵化(続々)

2019-07-09 | アゲハ(ナミアゲハ)

レモンの新芽がどんどん伸びていきます。すると,そこを狙ってアゲハが卵を産み付けに訪れます。古い葉や実にもときどきは産み付けるのですが,若い葉や枝が圧倒的に多いですね。その方が初齢幼虫の食欲を満たすのに合っていると,ちゃんと心得ているのでしょう。葉の匂いも,わたしたちの鼻には強烈に思えます。手で触れても,手が匂いにすっかり染まるといった感じなのですから。

卵を産み付けるといっても,一枝に,また葉一枚に複数なので,観察するにはとても都合がよいです。発生が似通っていて,ほぼ同時に孵化が始まるのでこころの準備ができます。

そんな観察から,ほぼ同時刻に撮影できた場面をご紹介しましょう。

その1。葉の付け根に産み付けられた卵です。出てしまう寸前に撮影開始。 

 

 

アップでも撮っておこうと思って。

 

 

その2。中から穴を開けている段階から観察できると,慌てることはなし。

 

 

落ち着いてカメラを構えながら撮影できます。

 

 

その3。これはほぼ出終わった頃に撮影。やや離れているので,全体にピントが合いました。

 

 

このときは,一度に5個の卵を観察。内2個はタイミングを逃してしまいました。

 

 


’19 ジャガイモ採種に向けて(13)

2019-07-08 | ジャガイモ

ジャガイモを掘るときに,掘り残したり,小さなイモをそのままにしておいたりすることがよくあります。すると,ジャガイモが育つ季節になると,あちこちから出芽します。当然ながら,そういうものは他の作物の世話をするのに邪魔になるので,引き抜きます。

わたしはホッカイコガネに対してとくべつな思いがあるので,この品種の出芽についてはどうするか,いつも慎重になっています。いい換えると,引き抜く場合と残す場合とがあるという次第です。なにしろ,実を結んでくれるかも知れず,それを見ないまま始末するなんてまことにもったいない話です。イモを収穫したい気持ちはさらさらなし。

さて,今春。昨年植えていた畝で,何本か出芽しました。それで二本だけ残すことにしました。結果はじゅうぶん予想できるところ。もちろん実が生るでしょう。実際,二本ともそのとおりになりました。掘り残しのイモが種イモになって株が育ち,市販の種イモと同じ結果をもたらしたことになります。

 

ゆかいなことに,想像以上に充実した実を付けているのです。大きさも,ツヤも抜群! うれしくなりました。この実から採取した種子は,きっと発芽率が高いのでは? と思ってたのしみにしていたら,イノシシの被害に遭ってしまいました。実はなんとか残っているものの,株はみじめな姿に。

 

実は……。

 

他の作物も被害に遭ったので,畑をネットで囲うことに。

 


アオメアブの捕食

2019-07-08 | 昆虫

公園でアオメアブを見かけました。ここで見たのはまったく久しぶりです。背丈の低い草にとまって,なにかを抱え込んでいるようだったので慎重に近づいて確認。なんとカメムシを捕獲して捕食中だったのです。

 

カメムシはハバビロヘリカメムシでしょうか。いかにも口吻を突き刺して体液を吸っているといったふう。妙なことに,そのカメムシの背にごく小さなハエが二匹。ふしぎな光景でした。

そこから近くの葉に移動。近寄って撮影。

 

さらに近寄って撮影。

 

 

この後ここから離れた木の枝に移っていきました。そこにとまったとき,カメムシはもう抱えていませんでした。放したか落としたか,いずれかでしょう。

 

この分だと気をつけていたら,アブの捕食がまだまだ観察できそうです。トンボを捕らえたアブが撮影できないでしょうか。こんなことをいうと,トンボには申し訳ないのですが,食物連鎖の深さを知りたいですね。

 


アゲハ,孵化(続)

2019-07-07 | アゲハ(ナミアゲハ)

スダチの若葉にアゲハの卵が産み付けられていたので,見ると,ちょうど孵化が始まったばかり。こういうのはきちんと撮影しておかなくてはもったいないと思い,しばらく撮影に集中。

 

 

穴が開き始めてから,間もなく出始め。

 

 

からだを伸ばします。こんなに大きなからだが殻に入っていたのかとびっくりするほど。

 

 一刻も早く着地しようとします。

 

あとはスムーズに脱出。 

 

やれやれといったふうで,しばらく休んでいました。このあとは殻の方に向き直ってそこに行き,食べかけました。もちろん平らげました。 

  

 


シオヤアブの捕食

2019-07-06 | 昆虫

木の葉に,シオヤアブがとまっていました。腹端の白い毛はオスの印。どうやら獲物を抱えているようです。

 

近寄って確かめると,セイヨウミツバチが捕らえられています。ミツバチはまったく動くことすらしません。口吻を突き刺されてすっかり麻痺しているのです。

 

こうやって体液が吸われていきます。スズメバチをも襲うといわれるほどのどう猛さの持ち主。なにしろ,わたしが近づいても飛び去る気配は一向にありませんでした。

【追記】 以下は本記事にまったく関係ありません。今日(7月6日),自宅で畑仕事をしていたら,裏山からニイニイゼミの鳴き声が聞こえて来ました。昨日は初見。今日は初鳴。目と耳をキラキラさせて自然を見つめていきたいなと改めて思った次第です。

 

 


ニイニイゼミ、初見!

2019-07-05 | 昆虫

まったく偶然の発見! 公園のコブシの木の下を通りかかって,葉を見ると,なんとそこにニイニイゼミがいました。羽化して間もないというほどの初々しさは感じられませんでしたが,今朝羽化したことはまちがいないところ。

それで,証拠写真を撮っておきました。それにしても体色はなんと周りの環境に溶け込んでいることよ!

 

1時間ほどしてから見ると,枝を歩いて先の方に向かっていました。どうなるのかなあと思って見ていると,パッと舞い上がりました。鳴き声はなし。たぶんメスだろうと思われました。

今日はニイニイゼミの初見日となりました。初鳴日は間もなく。いよいよニイニイゼミの季節!