自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

たのしい接写(2) ~トノサマバッタ~

2019-07-04 | 昆虫

いつもの公園には,トノサマバッタがよくいます。草刈りがなされると,居場所を失ったかのように,歩道に出て来ます。トノサマバッタには災難なのです。ここまで近づいて撮るのはたいへんで,ほとんどがさっさと逃げられてしまいます。感知能力は相当なものです。逃げるほかに,隠れるしか身を守る術を知らないのですから,さっさと逃げようとする能力は長けているはず。

 

 

たまたま撮影できた個体が葉を食べ始めました。その速さがさすがと思えました。

 

食べたあと,移動を開始。直後,糞をぴょーんと後方に飛ばしました。20cmほどはあったでしょうか。それはそれはお見事な光景でした。 

 

草の上にじっとしていれば,周囲の色に溶け込んでいるので,そこにいることに気づきません。バッタはそれを心得て,悠然としているように見えました。

 

 


脱皮後間もない真っ白いケラ

2019-07-03 | 昆虫

畑でジャガイモを掘っていると,ケラが出て来ました。ケラにしてみれば,ずいぶんと迷惑な話。ゆっくり自分のペースでくらしていたものの,突然生活リズムを狂わせられたのですから。ごめん,ごめん。

実はこの畑で過日タマネギの収穫をしているときに,ケラを二匹見かけました。つまり,今回で三匹目というわけです。以前はケラを探し求めていただけに,自然環境がよい方向に改善されているのではないかと思ってすこしばかりうれしくなりました。

イモを掘り進めていたら,またケラが! 今度は白いケラです。脱皮して間もないからだであることは一目瞭然。こういうケラを見たのは,記憶に残る限り2例目です。一例目は本ブログでも取り上げました。そのときは脱ぎ終わった殻も一緒でしたが,今回はなし。

 

ケラはすばしこくて,さっさと土に潜ろうとします。それで記録写真を撮るのに苦労しました。

 

それで,時には指で押さえながら撮影。 

 

動きが止まったほんの一瞬。なんとかうまく撮れました。

 

頭部と前脚のかたち・大きさ,円筒状のからだ,からだを覆う細かな毛,それらは地中でくらすのにぴったり。そうそう,前翅の翅脈同士をこすり合わせて鳴くのだそうです。これがミミズが鳴くという誤解をうんだのですね。鳴くのは異性を探すためなのでしょうか。縄張りをつくるためなのでしょうか。 

 


’19 ジャガイモ採種に向けて(12)

2019-07-02 | ジャガイモ

生長が他品種よりゆっくり気味なのが「ホッカイコガネ」。

 

例年どおり,実がどっさり生っています。こういう風景を見るのはうれしいこと。まことに,万々歳ですね。

 

あっちに,こっちに。

 

重くて茎ごと地面垂れ下がっているものも。

 

茎から離れて落ちてしまった実が目立ち始めました。

 

地上部がまだ枯れかけていないので,当分このままにしておきます。実も熟していくでしょうから。

 

 


’19 ジャガイモ採種に向けて(11)

2019-07-01 | ジャガイモ

ジャガイモの生態にはふしぎが詰まっています。その一例を書きましょう。

つい先日,畑仕事をしているときにジャガイモの結実の様子を一通り観察。「よもやあるまい」と思いいつつも,アンデスレッドを調べました。ところが,あったー! この品種については,過去ずっとずっと栽培を繰り返してきています。これまで空中イモは何度かできたものの,実が生ったことは皆無でした。それほど結実しにくい,というか,結実の形質が失われている品種なのです。

 

 

「あったー!」といっても,じつに頼りない姿です。花後日が浅いので,ごく小さな実です。小さいのが3個なっています。枯れた花弁がまだ付いている実もあります。

 

落ちて下の葉に乗っているものもあります。

 

ただ,これまで他品種で見て来た実とはちがって,かたちがとてもいびつです。ふしぎなかたちをしています。

 

アンデスレッドは「ソラナム・フレハ」と「アーリーローズ」を交配して育成された品種です。新品種でありながら,どうやら3倍体らしいのです。3倍体は種子をつくりません。というより,できないのです。それは種なしズイカ,ヒガンバナ似通っています。

なのに実が,不完全ながらもできたのです。非常に稀なケースと思われます。

メークインや男爵といったお馴染みの品種でも,めったに結実しません。“めったに”ということは実を結ぶことがありうるということです。わたしは,どちらの品種でもしっかりとした実を見つけました。

「花が咲けば実が生る」。もしならなければ,その植物ゆえの事情があるわけです。自然は多様で,奥深いものです。この一般則に立ち返って花それぞれを見つめてゆきたいですね。